経験と味覚から来るイメージ:ヒロシの酒部屋No.30

<経験と味覚から来るイメージ>
天草酒造に「池の露」という芋焼酎があります。
今年で4年目の造りとなりますが、
毎年、味のイメージを持って造られています。

初年度は、蒸留酒としてきれいな味の流れ、つまり味の骨格を造る。
2年目は、初年度の味に骨太さを乗せる。
3年目は、それに繊細さを加味する。
4年目の今年は、醪の香りと蒸留仕立ての原酒の味から、
3年目の味にさらに濃厚さを出そうとしているのがわかりました。

この方向性は全て本村氏のイメージです。
ただ、たとえば発酵温度を上げれば濃厚な味ができるとかの
経験と知識からどう造り込んでいくかも大事ですが、
出来た味を利く事ができなければ先に進みません。
麹造りだけが大事なのではなく、全ての行程で手抜きをせずに
イメージを持って、醪になるべくストレスを与えない様にしながら
出来上がった焼酎の味を最大限に引き出してあげる事の
もろもろ全てが大事になってきます。
イメージを持たなければ味の向上はありません。
ここ以外で私が知る限り、
イメージを持って造っている蔵があと2蔵あります。
全てすばらしい蔵です。

天草酒造「池の露」

過去の「ヒロシの酒部屋」はこちら(No.1-18)

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