「なぜ歯医者の子どもはムシ歯にならないのか」その9

「なぜ歯医者の子どもはムシ歯にならないのか」その9
—ニコラ歯科を開いた理由

また、少々ずれますが、ムシ歯はなぜできるかご存じでしょうか?もちろん知ってますよ、という声が聞こえてきそうです。古典的な三つの輪(カイスの輪)の図式が有名です。「歯」「砂糖」「細菌」の三つが同時に存在することで「ムシ歯」はできますよ、というものです。

三つの輪の重なり部分(=ムシ歯成立)を小さくすることで、ムシ歯は防げますよと歯科医師は言ってきました。キャンディーを果物に変えることで、しっかり磨くことで、歯質を強化することで、重なる部分は小さくなり、ムシ歯は減りますよ、という理論です。実際小学校の検診時に、このように話していました。それぞれの輪っかに気を配れば、ムシ歯無しの生活を手に入れられますよ!

数年前気がつきました。この理論は嘘ではありませんが、現実的には実行不可能なことです。人々の口の中には「歯」と「細菌」は必ずあります。もっとも「歯が一本もない人」は別です。歯のある人は食事します、すなわち砂糖を摂取します。ということは、カイスの三つの輪の重なりを小さくすることはできても、ゼロにすることは非現実的です。つまり、カイスの図は顕微鏡的にムシ歯が成立する理論であって、生活者にとっては別レベルの理論であるように思えます。

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