「なぜ歯医者の子どもはムシ歯にならないのか」その12

「なぜ歯医者の子どもはムシ歯にならないのか」その12
—ニコラ歯科を開いた理由

オープンして二ヶ月半が経ち、あらためて考えます。
一般の人々にとって「歯科予防」とは、何なのか。
ずばり言うと「今、差し当たり必要のないこと」
なのかも知れません。
決して優先順位は高くはないようです。
加えて極端な表現ですが「眉唾物:まゆつばもの」?
例えば、このサプリメントは効きますよと言われても
「はたして?」のように。
「今必要のない、はたして?商品」を人々は購入するでしょうか?

ではなぜ、桜歯科では月に100人以上の方が来られていたのか?
理由はシンプル、治療の延長です。
言わば、ある程度「メンテナンスというサプリの効用」
を感じられていたからでしょう。
「効用」という言葉を置き換えるならば「信用」「評判」です。
加えてスムーズに来院者の方々の生活習慣に
組み入れることができたのでしょう。
ここでジレンマです。
信用や評判がなければ「予防」が受け入れられないとするならば、
歯科医師と人々との初出会いはやはり「治療」となります。
少しずつ「初出会いが予防」の子供さんは増えているとは言え、
まだまだです。
ひょっとすると歯科医師には
「歯科予防」は御門違いの仕事なのかも知れません。
歯科医師の仕事は歯科治療であり、予防は別な職種の人?

人々は本当にムシ歯予防を望んでいるのか?
ここに来て、根本的なことを疑うようになりました。
もちろん、病気になりたいと思う人はいないでしょう、
もしくは少数でしょう。
かと言って、真剣にムシ歯予防を認識し、行動に移す人は、
移している人はまだまだ少数派のような気がします。
では、それはなぜなのか?
やはりムシ歯において
「セルフケア+プロケア=100%予防可能」が成り立つことを、
多くの方はご存じない、知識として知ってはいるけど、
理解はできるけど、具体的にどうすればいいの?

トップダウンとボトムアップという言葉が有ります。
例えば車検はトップダウン。
車の調子の善し悪しにかかわらず、
定期的な検査などが法制化されています。
きちんと車検を受けることで安全が保たれている。
これはトップダウンのひとつ。
かたやボトムアップは、言わば草の根運動のようなもの。
歯科予防をトップダウンで、年6回、
必ずクリーニングと検診を受けなさい、
受けない場合はリスクが増加するので保険料がアップします。
となれば、人々は行かざるを得ない。
このトップダウンは今の日本では不可能でしょう。
となれば、やはりボトムアップでしょうね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です