BBTime 036 無事の人

BBTime 036 無事の人
「花咲いて抱き合う無事と無事と無事」広瀬ちえみ
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九州新幹線も無事開通しました。ところで最近携帯している小説は山本有三著「無事の人」です。「禅の名言100」の中で知りました。「無事到着」「無事で何より」「無事終了」など日常で使う「無事」の意味は本来の意味とはちょっと違うようです。小生なりの解釈は「素(す)が最も貴い」野の花が美しいのは「無事」だからです。野生動物や大自然が美しいのも「無事」だからこそです。こう書くと野の花や野生動物から「美しいって何?」と言われそうですが(笑)

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「おまえさんも、だいぶいろいろのことがあったが、これからは、無事の人になんなされ。」(101頁102頁)小説を読むとタイトル「無事の人」は何を意味するのかが何となく分かります。無事とは野の花が美しいことと理解しましたが、日々の仕事でまさにこれを感じます。歯は生えてきた時は多くの場合、美しい白い歯です。まさに無事の状態で生えてきます。節目検診や定期検診の時に、美しい白い歯がそろっていると心密かに「無事で良かったね」と白い歯に声を掛けたくなります。もちろん、歯は使ってこその歯ですが、人の欲望の結果、汚れまみれ、ムシ歯になっている歯を見ると・・・いろいろと考えます。歯科医師としてすべきことを、足りなかったことを考えます。なぜこの人の歯を「無事」にしてやれなかったのだろうか。いずれにせよ「無事」は良いことです、貴いことです。薄い本ですが座右の書となりました。

この曲はこれです。マイア・ヒラサワ日系スウェーデン人です。冒頭の句の「花咲いて」はやはりこれでしょうね。
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