BBTime 178 五つの質問

BBTime 178 五つの質問
「昼めしの精進揚や冬隣」川上梨屋

「冬隣:ふゆどなり」の語感が好きです。朝の布団の温かさを連想します。その朝に、いつも寝ぼけ眼(まなこ)で聞いているNHKラジオの「健康ライフ」。冗談抜きによく聴きます、いえいえよく効きます。絶対オススメ!
今週のタイトルが「ヘルスリテラシーを高めるために」月曜から金曜の五回放送でした。ヘルスリテラシーとはヘルス:健康について、リテラシー:適切に理解・解釈する、とのこと。火曜のインフルエンザについてもそうですが、水曜の「痩せ菌・デブ菌」の話:マイクロバイオームと肥満の関係もまさに目から鱗でした。12/11までは聴けますので是非!

今回は第5話「医師に聞くべき5つの質問」について。小生の意見から言うと「患者さん自身の口からこれらの質問をすることは困難」です。ラジオでは医師がどうぞ遠慮なく質問してくださいよ・・と話されていますが無理でしょう。5つの質問とは
1「この検査や治療は本当に必要ですか?」
2「この検査や治療によるリスクはどの程度ですか?」
3「合併症や偶発症はありますか?」
4「この検査や治療よりも簡便な方法はありますか?」
5「この検査や治療を受けなかったらどうなるのですか?」
これらはイギリスの王室医学アカデミーが提唱しているとのことですが、日本の医療現場で患者の方から医師に質問することは勇気が必要というより、これは無理でしょう。イギリスと日本は違います。

さらにラジオでは5つの質問をして、それらに対する医師の答えを聞いて患者さんが判断に困ったら次の質問を投げかけるように言っていますが、これも現場では厳しいでしょう。
「もしもあなた(医師)が私(患者)の立場だったらどれを選択されますか?」
「先生のご家族が患者(今回の私の家族)の立場だったら?」
などと聞くようにと話されますが無理だと思います。以前聞いた話では、イギリスの医療制度はかなり患者主体のようです。例えば「インフルエンザです」と診断された場合、その診断に基づく次の処置(薬を飲む・注射をしてもらう・何もしない等々)を医師から聞いて、判断決定行動は患者自身が選択し行うとのことでした。

日本では逆でしょう。先に医師から5つの質問とその答えを、今後の選択肢・可能性として患者さんに伝える・・これなら日本でも可能だと思います。イギリス式は自分(患者)の体なんだから自分で決める。日本式は「どちらにしようかな?医者の言う通り」「お任せします」がほとんどのような気がします。

冒頭の句の「精進揚げ」とは野菜の天ぷらのこと。先日これまたラジオの高校講座の中でフランス料理とは?の問いに「素材に最小限の塩を振るのが日本料理、最大限の塩を振るのがフランス料理」とパーソナリティーが答えていました、言い得て妙!料理と病気では違いますが、ひょっとするとイギリス人は自己治癒力をメインに考えているのかも。自分の体のことだから、自分で判断する。この姿勢は必要だと思います。
今回の一言「医者任せにしない」
今回の一曲「Maroon 5 – What Lovers Do ft. SZA」直訳すれば「恋人のすること」。What patients Do. 患者のやること 7830

お替り:冒頭の句の解説もオススメです、折角ですので載せておきます。「精進揚(しょうじんあげ)は、野菜の天ぷらのこと。人参、ごぼう、茄子、さといも、れんこん、南瓜……。そして、ときには三つ葉などの葉物類。魚など生臭いものは揚げないので、精進揚という。あっさりしていて、私の好みだ。深大寺(東京・調布)の山門への登り口に野草の天ぷらを出す店があって、これも精進揚である。たまに寄ってみるが、いつも美味い。ところで、句の精進揚は、昨夜のおかずの残りか何かで冷えきっていると読んだ。暖かい季節には、冷えた天ぷらもまた美味なものだが、そぞろ寒さがきざしてくる頃ともなると、その冷たさは歯にしみ、侘びしさにも通じてくる。作者の職業は、実は「鰻屋」さん。で、これから店を開ける準備にかかる前の昼飯なのだから、悠長におかずなど作ってはいられないのだ。昨夜の残り物で、適当にすませてしまうというわけである。ありあわせの精進揚での昼飯に、その冷たい侘びしさともあいまって、冬がもうすぐ近くに来ていることを、いやでも実感させられてしまう。食べ物を扱っている人は、やはり食べ物での説得が人一倍巧みである。(清水哲男)」(増殖する俳句歳時記より)
さらにお替り:高校講座の題材「鍋洗いの日々」は村上信夫著です。こちらも是非お聴きください。

 

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