BBTime 226 いつから?

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「萬緑の中や吾子の歯生え初むる」中村草田男

掲句の解説より「どんな歳時記にも載っている句だ。それもそのはずで「万緑」という季語の創始者は他ならぬ草田男その人だからである。「万緑」の項目を立てる以上、この句を逸するわけにはいかないのだ。草田男自身はヒントを王安石の詩「万緑叢中紅一点」から得たのだという。見渡すかぎりの緑のなかで、赤ん坊に生えてきたちっちゃな白い歯がまぶしいという構図。人生の希望に満ちた親心。この親心のほうが、読者には微笑ましくもまぶしく感じられるところだ」

「生え初むる」とは「初めて生えた」の意味です。教科書的には下の前歯が生え初むる歯です。先日質問されました「子供(乳幼児)をいつ歯医者に連れて行けばいいのですか?」答えは二通り考えられます。1)慣れるため(予防導入) 2)予防目的のため
1)導入目的ならお母さんが(もちろんパパでも可)出産後のチェックや治療で行かれる時にお子さんご一緒をオススメします。俳句にあるように生え始めたらで、目安としては6ヶ月でしょう。クーファンかベビーカーで連れて行って「子供もみて欲しいのですが」と言ってみたらいかがでしょう。ちなみに小生は問診で乳幼児がいらっしゃることがわかればこちら(歯科医)から「是非ご一緒に!」と提案します。ママと一緒なら子供さんは安心だし、診療所の匂い・光・雰囲気を子供さんに体験してもらうだけでも十二分に導入となると思います。導入目的ならば6ヶ月から。

2)予防目的なら基本的には「歯が生えたら」ですが、離乳食を食べ始めたらが良いでしょう。母乳だけなら歯磨きせずともムシ歯にはなりません(母乳に砂糖は入ってませんから)。ヒトを哺乳動物と捉えるなら奥歯が生えないと物を噛みつぶすことはできません、ですから奥歯が一対(上下左右の4本)生えてから(満1歳頃)だと思いますが、現実は違うようで大方6ヶ月になると「離乳食スタート」のようですね。離乳食が始まると砂糖を摂り始めますからムシ歯リスクは高まります。予防目的なら満1歳頃でしょう。

母子手帳記載の文章(アドバイス)やママの常識(誤情報も含めて)では多くの人に当てはまるように数字で表しますが、個人差があります。個人差(歯の生える時期)においては早い遅いはほぼ関係なく(重要ではなく)単なる差です。「口時計」もご参照ください。ママパパにお願いしたいのは「是非、口の中を見てください」です。スマホのライトなどを使って見てください。「はい、アーン」と言ってもおそらく開けてくれませんので「ぎゃー」と大泣きした時にでも見てください。個人的に好きなキューピーマヨネーズに離乳食サイトがありました。

余談ですが言葉「紅一点」は「万緑叢中紅一点:ばんりょくそうちゅうこういってん」がオリジナルです。「紅一点」とはザクロの花のこと。以下ネット検索より「さて「紅一点」という言葉は、「詠石榴詩」に由来するといわれる。この詩は王安石の作とする辞書もあるが、この説には懐疑的な意見が多い。以下「詠石榴詩」を紹介しよう。なお、この詩は引用した二句のみが伝わり前後の部分は不明である。万绿丛中红一点,动人春色不须多。(万緑叢中紅一点 動人春色不須多(人を動かす春色しゅんしょく多きをもちいず):一面の緑なす草むらに一つだけ赤いザクロの花が咲いている。人を感動させる春の景色は多ければよいというわけではない。) 草むらの中に咲くザクロの花。一面の緑の中に、一輪だけ咲く鮮烈なザクロの赤がひときわ目を引く。緑と赤という色の対比の鮮やかさ、そして、この風景を眼前にした詠み人の感動は、千年以上の時を隔てた我々にも容易に想像できよう」出典はこちら。2560
今回の一言:生え初むるが行き初むる!
今回の一曲:逆紅一点のPV で「Camila Cabello の Havana 」

おまけ:万緑の句をこちら「笑顔を磨こう」でも紹介していました。またこちら「ハイクイント五月」もどうぞ。