BBTime 278 糸の力

BBTime 278 糸の力
「智慧の糸もつるる勿かれ大試験」京極昭子

掲句は「大試験」が進級試験、卒業試験のことを指し春の季語のようです。先日患者さんと「糸:デンタルフロス」について話していたところ、その方が「それって使い捨ててました」「使い捨てじゃないんですか?」・・それとはハンドル付きのフロスのこと。使い捨てではありません!

オススメは上の「Y字型」です、使い捨てではありません。他に「弓形・F字型」やハンドルなしのフロス(従来のデンタルフロス・糸のみ)があります。さすがにフロス(糸のみ)は使い捨てですが、ハンドル付きは糸の部分が切れるまでは使用可能で、Y字型の方が、特に奥歯の清掃に使いやすい形です。次の画像が「F字型」

「なぜフロスが必要か?」答えは明快!歯ブラシでは磨けない部位があるからです。特に歯と歯の隣り合っているところです。磨き残しが長い期間存在すると当然そこはムシ歯になります。よって歯ブラシとフロスの併用が必須です。

10/02朝日新聞折々のことばが「糸」でした。
「とても複雑に見えるこの世界でも、たった一本の「糸」が、大切ななにかを繫(つな)ぎ、結ぶことがあります。
清川あさみ」鷲田さんのことば 写真に刺繡(ししゅう)を施したり、ネガポジ反転させたインスタ画像を縦糸だけを連ねた面に転写したりして、自分という存在を形作る幾重の層を朧(おぼろ)に浮き上がらせる美術家。彼女はそのあわいを表へ裏へと丹念に「行き来」したいと言う。そうでないと、他の人と繫がるにもうわべだけのものになってしまうから。作品集『I:I』の序文から。」以上朝日新聞折々のことばより。ちなみに「あわい」とは漢字で「間:あわい」境界、あいだの意味です。

最近「糸」といえば、西郷どんの三番目のうっかた(内方:奥さん)の「糸さん」。上野に建立された西郷どん銅像の除幕式で開口一番
「こげなお人じゃなかったのに」と言ったとか・・。八十歳くらいで亡くなったようです。最後にもうひとつ「糸」といえば・・

「ある日の事でございます。御釈迦様は
極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いているの花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊(ずい)からは、何とも云えない好い匂(におい)が、絶間なくあたりへ溢(あふ)れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。」青空文庫より冒頭部分

智慧の糸、歯の糸、お糸さん、蜘蛛の糸・・どれもこれもなくてはならぬ強い糸です。デンタルフロスは歯を守る強い味方、いと強し!5970



「しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着(とんじゃく)致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足(おみあし)のまわりに、ゆらゆら萼(うてな・がく)を動かして、そのまん中にある金色の蕊(ずい)からは、何とも云えないい匂が、絶間なくあたりへれて居ります。極楽ももう午(ひる)に近くなったのでございましょう。(大正七年四月十六日)」蜘蛛の糸 青空文庫よりラスト
主人公カンダタにとって「蜘蛛の糸」が「雲の糸」に・・・。

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