108cafe 009 舌調べ

108cafe 009 舌調べ
「猫の舌ふれて輪を描く春の水」檜山哲彦

春の句です、ご容赦の程。昨日は小春日和というより異常気象です、ちなみに小春とは陰暦十月の異称。今年は明日12/06までが旧暦十月。ラボへのレポートより抜粋です。
「舌調べ:したしらべ」舌は筋肉の塊です。内舌筋と外舌筋に大別され舌そのものは内舌筋(上縦舌筋・垂直舌筋・下縦舌筋・横舌筋の四つ)で構成されます。舌の筋肉は他の筋肉と大きな違いがあります。

筋肉には必ず「起始:きし」と「停止:ていし」があります。体幹に近い方が起始で遠い方が停止です。腕を曲げてみてください、肩に近い方が「起始」で指先の方が「停止」です。筋肉は縮んで仕事をします。力こぶができるのはこのためです。ところが舌の筋肉は起始と停止が同じ場所なんです。ループ状に同じ場所から始まって、同じ場所で終わる。このループ状の部分が伸び縮みするんですが・・先ほど筋肉は縮んで仕事すると書きました。筋肉そのものが伸びることはできません、そこで関係するのが外舌筋です。外舌筋の働きで舌は伸びているように見えます。

やっと本題!リンガルバーの形・厚みを舌が嫌がる・・なぜか?ここからは小生の考えです。昔昔大昔のこと・・地面に何か落ちていました→「食べ物かな?」→まずはクンクン(嗅ぐ)→次にペロペロ(舐める)→変な匂いもしないし、変な味もしない、食べられるかな?→ガブリ!→中が腐っていた→反射(脳まで行かない)で吐き出す→安堵(実はこの時の表情が笑いの原型だと言われています)→毒を食らわずにすんだ(命が助かった)!

吐き出す時に舌が威力を発揮します、と同時に口の中に「危ないモノ」例えば骨・釘のような鋭いもの・硬いタネなどがあると舌はセンサーとして働き外へ出します。やっと来ました。このセンサーとしての舌がリンガルバー・パラタルバーを嫌がるのです。患者さんはよく「舌がいく」と言います。そうなんです、舌はバーなどを口の外に押し出そうとしているんです。

図のようなわずかな変化も舌は感知します。患者さん曰く「この方が楽です!」余談ですが最近「猫の舌」に関する記事を見つけました。(補足:イラストの症例はPIP塗って住所二回言ってもらい、舌のあたりが強い部分を削合しました)
「ネコの舌は高性能ブラシ 毛づくろい、隅々までゴシゴシ」朝日新聞記事。記事より一部ご紹介「ネコの舌がザラザラしているのは、唾液(だえき)をうまく使って毛づくろいするため――。こんな発見を米ジョージア工科大の研究チームが米科学アカデミー紀要に発表した。舌の表面に数百の小さな突起があり、先端についた唾液を体の隅々まで届ける高性能ブラシのような機能が備わっていた。唾液が体を清潔に保ち、体温を下げる効果もあるという」記事より抜粋

おまけ:猫の舌はお菓子の世界でも有名です。仏語で「ラング・ド・シャ」独語で「カッツェン・ツンゲン」猫舌ならぬ猫の舌は大活躍です。2040

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