108cafe 010 ハーレタ義歯

108cafe 010 ハーレタ義歯
「よく晴れて秋刀魚喰ひたくなりにけり」和田耕三郎

そろそろ秋刀魚も終わりでしょうか。秋刀魚・七輪・煙が過去の景色となる今日この頃です。解説より「句に添えて、作者は「晴れた日は焼いた秋刀魚を、雨の日は煮たものが食べたい」と書いているが、その通りだ。料理にも威勢があって、とくに威勢のよい焼き秋刀魚などは、威勢良く晴れた日に食べるのがいちばん似合う。秋刀魚は昔ながらの七輪で焼くのがベストだけれど、我が家には無いので、仕方なく煙の漏れない魚焼き器で焼いている。これはすこぶる威勢に欠けるから、そう言っては何だけど、どうも今ひとつ美味くないような気がする。食べ物に、気分の問題は大きいのだ」解説より。いつものようにラボへのレポートより抜粋。

「ハーレタギシ」「腫れた義歯」口腔内の現義歯、セットする新義歯の床について一言。「腫れ義歯」・・?。以前11/02報告に「他山の石」で書きました、皆様ご自身の口腔内は立派なお手本です。インレ・クラウン・義歯などいずれにおいてもお手本です。目の前に義歯(特にPD)の入った模型があれば見てください。その模型があなたの口腔内だとしましょう。下顎に両側遊離端リンガルバーのPDが入っているとしましょう。臼歯部67の舌側が腫れていませんか?頬側は?上顎2112の中間欠損義歯が入っています。上顎前歯部の口蓋は腫れてませんか?唇側は膨らんではいませんか?

「いやあ、PDが入っているので舌側や口蓋側に膨らんでいるのは当たり前でしょう」・・とあなたが主張しても、舌は理解できません・・出っ張り・腫れている・妙なものがあると拒絶します。外に押し出そうとします。喋るときも「邪魔くさいなあ」と舌は思いながら動く(発音する)ので変な発音になります。では、どうすれば良いでしょう?

舌を騙すしかないのです。特に舌が触れる部分は、義歯床ではなく偽歯茎(にせハグキ)と舌に思わせる形にするのです。舌側は凸面ではなく凹面にします。床辺縁部は切り立った崖ではなく、可能な限り移行的にします。特に上顎総義歯の後縁・・切り立った崖が多いです。この部分が崖(はっきりと段差があれば)だと嚥下しにくいのです。唾を飲み込んでみてください、ゴクンの際に舌は後方(のどちんこに近い場所)で膨らんでぴったりと塞ぎます。このことでさらに奥が陰圧になって唾液が食道に吸い込まれるのです。上顎義歯後縁が崖だと塞ぎにくいために陰圧が弱くなり嚥下しにくくなります・・ひいては誤嚥を起こしやすくなります。

11/28報告に書きましたが「舌はセンサー」です。ハレギシだと始終(しじゅう、いつも)舌はハレギシ部分を触り(出て行け!)出ていかないので、舌センサーから脳にストレスとしての情報がこれまた始終流れます・・結果、食事が終わると外したくなる、帰宅すると外したくなる・・となるんです。ハレギシには抗生物質は効きません(笑)。床のワックスアップ、仕上げ研摩の時にご留意くださいませ。2130


 

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