BBTime 325 固唾を吞む

BBTime 325 固唾を吞む
「世の中は三日見ぬ間に桜かな」大島蓼太

画像は先日(3/31)の甲突川河畔の花見ならぬ鼻見の様子。手前の枯れ木のように見えるのが桜です。昨日今日と冷たい風吹く鹿児島です。まずは句の解説から『句の「世の中」は、自然的環境を指している。戸外、周囲の意味。「あな寒といふ声、ここかしこに聞ゆ。風さへはやし。世の中いとあはれなり」(『蜻蛉日記』下)の用法だ。句意は説明の必要もあるまいが、桜の開花のはやさを言ったもの。たしかに、咲きはじめると、すぐに満開になってしまう。散るのも、またはやい。ところで、この句を諺か警句みたいな意味で覚えている人がいる。いや、そう覚えている人のほうが多いかもしれない。「世の中」を社会的環境ととらえ、桜花の咲き散るようなはやさで、社会は変化するものだという具合に……。落語のマクラにも、その意味でよく使われる。ただし、こういうふうに覚えている人は、たいてい原句を間違ってそらんじているのが普通のようだ。「世の中は三日見ぬ間に桜かな」ではなく「世の中は三日見ぬ間桜かな」と、助詞を勝手に入れ替えている。「に」と「の」の入れ替え。なるほど、これでは警句に読めてしまう。無理もないか。たった一文字の違いによる、この激しい落差。地下の作者は泣いているだろう。蓼太(りょうた)は、18世紀の江戸に住んだ俳人』解説より。

1ヶ月後に「平成」から「令和」に代わります。ただ単に時の移り変わりにすぎない「大晦日から元日」でも気が引き締まるのに、元号が変わるとなるとやはり時代の変遷を思います。『1989年1月に始まった「平成」は、残り1カ月で幕を閉じる。万葉集にある歌の序文「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」(書き下し文)から二文字をとった。』朝日新聞より。発表を、今か今かと固唾を呑んで見守った方も多いことでしょう。マクラが長くなりました、今回は「唾液」について。

「固唾を吞む」とは「緊張している様子を表す表現。「固唾」は口内に溜まる唾液を意味する語」(引用元)。他にも「咳唾、珠を成す:がいだ、たまをなす」=『《趙壱「刺世疾邪賦」から》かりそめに出た言葉も、珠玉のように美しいものである。詩文の才が非常にすぐれていることのたとえ。』(引用元)。「天に唾する:てんにつばする」=『人に害を与えようとして、かえって自分がひどい目に合うことのたとえ』(引用元)。「吐いた唾は飲めぬ」=『一度口から出した言葉は取り消すことはできない、というたとえ』。「吐いた唾を飲む」=『一度言ったことを無責任にひるがえすこと』(引用元)。「眉に唾をつける」=『狐や狸に化かされないためには、眉に唾をつけると良いという俗言から、疑わしい物に騙されないために用心することをいう』(引用元)。「眉唾物:まゆつばもの」=『だまされる心配のあるもの。真偽の確かでないもの。信用できないもの』(引用元)。

唾液は大人で1日約1.0リットルから1.5リットル出ると言われます。出た唾液は無意識のうちに飲み込んでいます。ご存じのように唾液には様々な働きがあります。花王のHPに『唾液は、主に、耳下腺、顎下腺、舌下腺という3つの大きな唾液腺から、1日に1000~1500mlほど分泌されます。唾液には、健康に関わるさまざまな働きがあります。例えば、食べ物の消化を助けたり、味を感じやすくしたりする働き。それから、口の中の汚れを洗い流す、酸を中和して、口の中を中性に保つ、細菌の繁殖を抑える、再石灰化によって、むし歯を防ぐといった、口の中を清潔で健康に保つ働きがあります』(引用はこちら、是非ご覧ください)。またかなり専門的になりますが「唾液ー口腔の健康に必須な液体」も興味ある方はどうぞ。

日々、朝日新聞「折々のことば」に目を通します。1/20は『「涙」とは「心のメイク落とし」で、ちょうど肌と同じような具合で、休ませてくれるものなのかな、と思いました。ある雑誌編集者 執筆依頼の書簡に添えられていた文章。人は悲嘆に暮れて涙を流すというよりも、涙が零(こぼ)れるという出来事に身を委ねるのではないか。零れるという自然に抗(あらが)うことなく。流すまいとこらえると、こんどは人がその姿を見て涙を零す。涙腺がゆるむともいうが、身体を弛緩させることで感情の澱(おり)を洗い流す。人はときに生理に救われる。(鷲田清一)2019.1.20』でした。

涙と同じく「唾液」も歯をトラブル(ムシ歯や歯周病)から救ってくれる生理(作用)なんです。飲み込むだけでは勿体無い、もっと唾液の有効利用を!具体的には「唾液磨き」=「歯磨き粉を使わずに唾液で歯を磨くこと」をオススメします。詳しくは「唾液磨き」「したしたこおか」をどうぞ。1日1リットルの唾液が出ます、その水分量を補うには1リットル必要です。水やお茶をガブガブ飲みましょう、特に口渇(こうかつ:口の渇き)を感じる方、ご年配の方は意識的に摂取してください。「BBTime323 十六時間」の補足で16時間絶食中の午前9時から9:30頃が空腹のピークです。この時は「茶腹も一時」の通りお茶でしのげます。成功の秘訣その3:九時から十時の空腹はお茶のがぶ飲み!

新元号「令和」決定には「咳唾、珠を成す」方のご尽力があったと思います。ブログ内容は「眉唾物」ではありません(笑)。唾液の力を再認識して頂き新時代「令和」も「ムシ歯レイ(零)ワ吉(ヨシ)」となりますように。4500

補足:唾はご本人とっては悪いことは何もありませんが、他人(親子も含む)には悪い可能性もあります。『唾液は二つの役目をもっている. 唾液の役割には,生体防御機構という良い面もあり,感染の媒体となる悪い側面もある』出典はこちら。慣用句「唾をつける」=『他人にとられないように、また自分のものであることを明確にするために、前もって声をかけたり手段を講じたりする』(引用元)の科学的根拠?です。さすがに新元号「令和」は唾つけられなかったようです。

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