BBTime 332 楽なコツ

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「三つ食へば葉三片や桜餅」高浜虚子

花は散り葉桜となりました。高浜虚子は35歳頃鎌倉へ移住し、没するまでの約五十年間を鎌倉で過ごしています(今月八日4/8が命日)。鎌倉ですので、おそらく句に詠まれている「桜餅」はいわゆる長命寺の桜餅でしょう。解説者は「葉も一緒に食べる」ようですが、全国和菓子協会専務理事・薮光生氏の弁によると「葉を外して残り香を楽しんでください(葉っぱをむいて食べてください)」とのこと(NHKラジオ「私の日本語辞典」より)。大阪の道明寺粉の桜餅との関係はややこしいというか面白いので御披露します。『「長命寺の桜もち」は享保二年(1717年)に、元々は寺の門番であった山本新六が門前で山本屋を創業して売り出したのが始まりとされる隅田川の桜の落ち葉を醤油樽で塩漬けにし、餅に巻いたとされる[8]。もとは墓参の人をもてなした手製の菓子であったといわれ、桜餅の葉は落ち葉掃除で出た桜の葉を用いることを思い至ったからだという。はじめは桜の葉のしょうゆ漬けだったともいわれる。山本新六は下総国銚子の人で元禄四年(1691年)から長命寺の門番をしていた』ので、1717年ですから約三百年前のことです。

片や道明寺粉(どうみょうじこ)は菅原道真公の叔母さんである覚寿尼公の発明とされてますので千年以上の歴史がある「粉」です。道明寺粉の桜餅は『長命寺の人気にならって、大坂では北堀江の土佐屋に天保(1830〜1844年)の頃に現れたという』らしく二百年弱の歴史です。これであなたも「桜餅博士」!BBTime 321 甘い歯もどうぞ。さて長いマクラとなりました、今回は歯磨きについての記事を二つ紹介します。

ひとつ目はこちら「ちゃんと磨けてる人は1~2割!? 歯周病にならない歯磨きのコツ 4/18(木) 12:17配信」内容を見ていきましょう。以下抜粋『大学病院を退職し、町で診療をするようになったベテラン歯科医に先日会ったら、「指導をしてもちゃんと磨けているのは、10人に1人か2人。歯磨き指導は難しい……」と、こぼしていました。えっ、そんなに多くの人が磨けていないの!と驚いて、歯科医に会い、患者の歯磨きについて尋ねてみると、「指導をしても1、2割の方はどうしてもうまく磨けません」という自費診療中心の歯科医もいれば、「できているのは半分ぐらいです」という人も。患者の層や判断基準も違うのでしょうが、筆者同様、拙い人も相当数いるはずです。虫歯や歯周病をこじらせるということは、ちゃんと磨けていないわけですから』記事より。

3種類の“歯垢溜まり”を掃除する 〈1〉歯と歯茎の境目:歯垢が一番たまるのはここ。歯の襟巻きのように歯茎との隙間にたまります。〈2〉歯と歯の間:歯ブラシでは掃除しきれず、フロスや歯間ブラシが必要です。〈3〉奥歯のかみ合わせの溝:特に子どもの虫歯はここからできます記事より。
当たっている感じを意識する 歯ブラシの先を使ったり、かかとの部分を使ったり、歯と歯肉の隙間に位置を定めて、歯ブラシを小刻みに動かします。奥歯だけではなく、前歯の裏も要注意。特に下側は磨き残しが多いそうです。上下の前歯や奥歯など各部位ごとに歯ブラシの当て方、動かし方について手取り足取りといった感じで指導を受けました。診断と指導の1時間で自費の負担は8640円。学んだことを身に付けないともったいないと思わせるに十分な金額です』記事より。記事の冒頭に「筆者も歯磨き歴50年以上のベテランですが、歯周病が気になって今さらながらこの1年ほど、気合を入れ、お金も使って歯のお掃除を学び直してきました。改めて知ったのは、歯磨きには思いのほかコツが必要ということです」とありますが、前回「むし歯です」に書いたように「虫歯」ではなく「むし歯」です!また1時間で8640円は小生の考えでは高いです。

お掃除には10~15分はかかる ということでお口の掃除を学び直して1年。以前は、歯磨きは1~3分で終わらせてしまうことが多くなっていましたが、指導通りに、歯ブラシとフロスや歯間ブラシを使うと最低10~15分はかかります。きちんと掃除をするには、最低でもこの程度の時間は必要だと言われます。そうして習慣を変えると、朝、目覚めた時も、「朝の口」の嫌な感じが薄れた感じがします記事より。この意見には賛成です。ただし、日に三回の毎回15分掛けなさいではありません。15分掛けてのしっかり磨きは日に1回でOKです。

記事ではこう締めくくっています。『
習慣を今日から改める お口の掃除は一生取り組んでいく毎日の習慣です。一昨年、105歳で亡くなった医師の日野原重明さんは多くの名言を残していますが、その幾つかが思い浮かびます。「人生とは、一言で言えば習慣」「人はいくつになっても生きかたを変えることができる」「食事、運動、仕事、睡眠を見直し、今日から改める」(著書『生きかた上手』より)。お口の掃除の習慣も、幾つになっても今日から改めることができます。ただし、磨けているかどうか、プロのチェックが必要だと思います記事より。おっしゃることは至極正しいのですが・・わかっちゃいるけどできません・・だと思います。

二つ目はこちら
歯磨きしない子どもに毎晩疲れているお母さんがラクになれる小さな話』以下記事より
『「歯磨きしないなら、おやつ食べさせないぞ!」3歳の息子さんと、そのお父さんは、毎晩バトルになっていました。歯磨きをするかしないか、で。そのお父さんは歯科検診に子どもを連れて行ったとき、待ち合い室のポスターに「子どもの虫歯は親の責任です」と、書かれていたのを見て、自分がしっかり磨かせないといけないんだ、と思ったようです』
『バトルはだんだんエスカレートして、最近は毎晩のように泣き叫ぶ子どもを、無理やり押さえつけて磨いている状態だったそうです。子どもを床に寝かせて、両手を足で押さえて、無理やり口を開けて磨いていた、と。別のケースで、保育園で他の子をたたいたり、ものをぶつけたりという「問題行動」が出てきて相談に来られた親がいました。やはり、親がかなり無理やり歯磨きをしているようでした。詳細は書きませんが、毎晩押さえつけて歯磨きすることをやめると、子どもの「問題行動」が、やがておさまっていきました』

『嫌がる子どもを押さえつけてまでやらねばならないほど、それほど絶対必要なことなのか。その利益衡量、つまり「メリットとデメリットはどちらがどれぐらい多いのか?」を考えるべきだと思うのです』
『歯磨きは、泣き叫んで抵抗する子を押さえつけてまでやらねばならないほど、それほどまでに切羽詰ったものではないはずです。たとえば予防接種の場合、病院の先生も押さえつけて注射をすることがありますね。暴れると危ないですし、予防接種の大切さは幼い子に説明してもわかりづらい。病気になることのリスクを考えれば、予防接種はすべきなのです』『やがて小学生になれば、磨くようになるんです。思春期になって、気になる相手ができてきたら、マウスウォッシュやら、ミントガムやら、そんなものまで自分で買ってくるんです。なので、歯磨きという習慣と、この子がどうつき合っていくのか。その長いつき合いのはじまりの地点に私たちはいるのだなぁと、のん気に構えても大丈夫です。これは困ったことではなくて、笑える話だと思ってもいいでしょう』

『「上手にしっかり育てないと……」と追い詰められていると、「たかが歯磨き」でも、焦って、悩んで、親も子も苦しむことになりかねません。子どもが育つ過程では、いろんなことがあります。早くできることもあれば、なかなかできないこともある。でも、どのプロセスも、うまくいっても手こずっても、少し客観的な視点で、それ自体が宝物のような体験だということを思い出してみてください。そういうゆとりを持つことができたら、「子どもの歯磨き嫌いぐらい屁でもない」と、気楽に向き合えるようになります』以上記事より抜粋。

これは医師が書いています。大方賛成ですが、ひとつだけ歯科医師からお願い。乳歯なら生え変わるのでまだしも、初めての永久歯「六歳臼歯」は就学前に生えてきます。どうか(多くの場合お母さんになりますが)この六歳臼歯だけは死守してください。

ひとつ目で「大人にとっても完璧な歯磨きは至難の技」で、しっかり歯磨きを習得するには時間(通院など)と費用がかかるし、自己流に戻りやすいので定期的なチェックが必要だと記事にあります。大人にとっても大変な歯磨きを子供さんご自身に任せたのではお先真っ暗です。かといって二つ目に記事のように、親御さんがしゃかりきになって子供さんの歯磨きをするのも考えものです。

「歯は磨いても、もらうもの」なんです。子供さんはもちろん、大人の方だってご自身での完璧磨きは不可能なんです。楽なコツ1)プロ(歯科医師・衛生士)にも定期的に磨いてもらってください。楽なコツ2)むし歯・歯周病予防は歯磨きだけではありません、食べ物・食べ方にもひと工夫必要です。楽なコツ3)歯磨きとは歯ブラシのみにあらずフロス併用もオススメ。楽なコツ4)歯洗いとしてのうがい(水・お茶・牛乳)も効果あり。楽なコツ5)一日一回15分間のしっかり磨き。

桜餅の葉をむいて食べるのか?そのまま食べるのか?柏餅を考えると即答可能(笑)。やはりどちらも外して食べるのが良いようです。桜葉も柏葉も香り付けの役割(他にも意味はありますが)。かと言って葉を食べることは否定しません、人それぞれですから。葉については十人十色だとしても、歯に関しては「歯磨き必要」は人それぞれではなく皆同じです。ヒトの食生活があまりにも急激に変化してしまったために「歯の手入れ」は必要不可欠、必須なんです。2160
https://youtu.be/ln2ouNQ5PVc

補足:子供さんのむし歯予防に最も効果ある方法は・・「仕上げ磨き」なんです。フッ化物使用やおやつ制限よりも効果有り!なんです。楽なコツ6)子供さんが嫌がるようになったら一旦仕上げ磨きをやめましょう。ご本人の歯磨きを側(はた)から見守ります。時々口の中を見てあげて、六歳臼歯(大方、最初は下の一番奥)が顔出したらその歯だけは磨いてあげてください。これなら可能なのではないでしょうか。

補足への補足:子供のむし歯予防の最適な方法は「仕上げ磨き」ですが、思うに大人にとっても同じことが言えるのです。老若男女が通える「歯磨き屋さん」があればいいのにと思います。思っているだけでなく、つくることを本気で考えます。

訂正(04/22):ブログ冒頭に「鎌倉ですので、おそらく句に詠まれている「桜餅」はいわゆる長命寺の桜餅でしょう」と書きましたが、先ほど何気に読んでましたら・・これは間違いのようです。長命寺は餅一個に葉が三枚なんです(上の画像参照)。ウイキペディアの「桜餅」の画像キャプションにも「桜の葉が3枚」とあり、本文にも『1枚から3枚を用いている。(長命寺桜もち製桜餅は葉が3枚である。)』とありました。もし高浜虚子の食した桜餅が長命寺だとすると葉は合計9枚となります。「三つ食へば葉九片や桜餅」なら間違いなく長命寺桜餅でしょう。2枚ずつ食べて3枚残した、とは考えにくいですよね。知ったかぶりでした!訂正します。(04/22)

 

 

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