BBTime 339 しみる!

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「くちびるに夏欲しければ新茶飲む」小迫倫子

解説を読むと意外にもお茶は「飲む」ではなく・・『載せようか、載せまいか。何日か思い悩む句がある。偉そうにしているわけではないけれど、私なりの評価が定まらないからだ。この句も、そのひとつ。若々しく新しい感覚ではある。だが、どこか私にはいぶかしい。それは「新茶飲む」という表現のせいだ。これまでの句では、茶は「汲む」ものであり「喫する」ものでありと、「飲む」というストレートな言い方はゼロに近かった。茶には「飲む」だけでは伝わらない風合いがあるので、多くの俳人はあえて婉曲的な表現を選んできたのだろう。そんななかで、作者はずばり「飲む」と詠んでいる。ミルクやジュースと同じ「飲み方」をしている。そういうふうに読める。おそらくは、このあたりの表現法が今後の俳句の大問題になるはずで、当サイトの読者はどうお考えになるだろうか。「喫茶」という言葉が持つ色気を追放したときに、どんな新しい風が吹いてくるのか。私にも、大いに興味がある。その意味で、この作品は重要だと考え紹介することにした』とのことです(引用元)。

八十八夜(5/2)が過ぎて十日しか経たぬのに早くも真夏日のニュースを耳にします。これから冷たいお茶を飲まれる機会も増えるでしょう。さて「歯がしみる」という主訴(主なる訴え・一番の困り事)で来院される方がいらっしゃいます。そこで「歯がしみる」についてのお話。次の画像は中村藤吉本店の生茶ゼリイ・・大好きです。宇治本店で「生茶の意味は?」と尋ねたら「イメージです」とのことでした。

冷茶のみならず冷たい飲み物・食べ物で「歯がしみる」は不愉快なものです。冷たいものや甘いもので「歯が痛い」はムシ歯がその主なる原因ですが、痛みではなく「歯がしみる」場合はくさび状欠損が原因のことが多く、知覚過敏で歯がしみることもあります。時に「歯磨きの時に歯がしみます」と・・この場合は歯が原因ではなく「歯の磨き方」が主因のこともあります。細かいようですが、危惧するのは次のようなことです。「歯がしみる」と患者さんが言った場合、歯科医師が取る行動は大きくふた通り、ひとつは「では削って樹脂を詰めましょう」もうひとつは「知覚過敏改善処置をします」です。知覚過敏の処置ならまだしも「削って詰めましょう」となった場合を危惧します。詰める量よりも削る量が多いこともありうるのです・・勿体無い話です。

今朝(5/12)の天声人語です。『病気やトラブルが全くない人生はありません。完璧でなくていい。楕円形のように少々いびつでいいんです』(天声人語より)。もちろん「がん」と「楔状欠損」「知覚過敏」は、はっきり言って違うレベルの病気です。歯科医師として声高には言いません、小さな声で言います「歯も生きてます!冷たいものには冷たいと反応しますよ!」。おそらくヒトは元来常温(おおよそ15-25℃)の食べ物しか口にしなかったと思います。暑い時に冷たいものを楽しむことは有り得なかったことだと想像します。寒い時に熱いものを口にした可能性は充分有りますが、逆である「真夏に氷」のようなことは不可能だったと思います。

歯磨きの時だけ(歯の磨き方が原因)「歯がしみる」については、歯ブラシの持ち方を変えることで解決するでしょう。詳しくは「口友二本」をご参照のほど。誤解なきように付け加えます。「歯がしみる」場合の処置は原因によって違います。削って詰める必要のない場合もあります。日常生活、特に食事の際に困らなければ「経過観察」でも良いこともあるのです。歯は生きてます、温熱刺激(冷たい・熱い)に無感覚では有りません。「歯がしみた」時、日常生活に困らない程度であれば「歯は生きてるんだ」と思って頂き、さらに歯を慈(いつく)しんで貰えば幸いです。本日「母の日」声を揃えて「はは大切!」(母大切・歯は大切)。最後にアクセスが「八十万」超えました!深謝。800370



冒頭の句は「不透明飲料」でも紹介しておりました。

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