BBTime 342 幸福食欲

BBTime 342 食欲の変遷
「外郎たべる五月のゆきどまり」服部智恵子

残り数日と言えど、まだ五月(ごがつ)。にもかかわらず帯広で38.3℃を記録するとは・・やはり温暖化でしょうか。記事『「食べること」が「生きること」にもっとつながっていく、新しい時代』(5/17掲載・記事はこちら)を見つけました。「フードテック」から始まる話は「食べる理由」へと続きます。以下記事より引用
『フードテックとはつまり、最新のテクノロジーを食の領域に生かしている分野を指す言葉なので、そこに含まれる事業は「食材の代替」に限らず様々だ。みなさんも聞いたことがあるだろう、フードデリバリーの「Uber EATS」もフードテックに含まれる。他にも農業の業務改善や、飲食店のフードロスを減らすサービスを作ることも同様に「フードテック」だ。フィンテック(金融サービス+情報技術)やIoTで社会や生活の様々な分野でインフラが変わっていく中、“衣食住”の「食」の基盤もまた変わろうとしているのが「令和」という時代なのかもしれない。』(記事より)。次の画像は『ビヨンド・ミートは大豆などの豆類を原料としたステーキやソーセージを製造している会社で、見た目も味も匂いも本物の肉にそっくりなのだという。(記事より)』のビヨンド・ミートの話題より拝借。

『変わっていく、私達の「食べる」理由・・このようなテクノロジーの進化によって、私達の「食」に関する価値観も変わっていく。大きな歴史の話をすれば、人類と食の歴史の前半における憧憬の対象は「満腹感」であった。「お腹を満たすために、何かを食べたい」というのが「食欲」と呼ばれていたのだ。しかし、長持ちする加工食品や製造技術によって、現代は飽食の時代。私達は、「美味しいもの」を求めた。』中略『そして、私達の健康意識は、テクノロジーによって、今後どんどんアップデートされ続けていくだろう。これまでは、「健康のためには運動と栄養バランスの良い食事!」だったが、これからは、「健康のためには、運動と自分の遺伝子情報にあった食事!」になるかもしれないのだ。“食べる目的”の粒度はどんどん細かくなっていく。テクノロジーによって。』(引用元

『テクノロジーとともに、「食べる」が変化する・・食に関して変化しつつあるのは、食べる目的や、その粒度だけではない。食べるものに関する価値観も、テクノロジーの進化とともに、いろんな面で変化していく。例えば今、「親は子供のために手料理をすべきか?」という議論がある。いまは手料理を良いものと考える人が多いかもしれないが、もしかしたらミライでは、「人間が取るべき栄養素は、プログラムが厳格に管理すべき。人間が作るのは栄養管理が不完全になり、不健康だ」という主張が出てくるかもしれない。そもそも、「今晩何食べようかな」と人間が考えること自体を否定される時代が来るかもしれない。「健康な食生活をしたいならば、自分が食べるものはAIに任せたほうがいい」となることもありえる。』『私達の食に関する価値観はきっと、この数年で大きく変わっていくのではないだろうか。何しろ、「肉を食べたい」と思ったときに「鳥? 豚? 牛?」と聞かれていたのが、「動物のお肉? 植物のお肉?」と言われることになるのだし、「ご飯を食べたい」と思ったのならば、「私がつくる? 外食?」ではなく、「好きなものを食べる? それとも自分の体に適したものを食べる?」となるのだから。』(引用元

『新しい時代とともに、「食欲」のアップデートが必要になるかもしれない・・食べることは、生きること、だ。私達の「食べること」に対する意識は、(今のところ)年を追うごとに高次化している。「食欲」は、今や生きるためのアラート(警報・警告)ではなく、生き方の選択を迫るリマインド(再確認)のようだ。人生の選択はいつも思慮深くすべし、しかし、選んだ後は楽しむことがいちばん、ということだけが普遍の事実なのではないだろうか。』(引用元

合点することしきり!食欲を「食べたい気持ち」とするならば、ヒトは太古から満腹目的の食欲・・言わば「満腹欲」。飽食の時代(1970年代以降でしょうか)になり、1980年代となって「グルメブーム」到来・・満腹欲は終焉を告げ、美味しいものを欲する「美味欲」へ。一億総グルメの平成を経て、令和新時代には健康維持のために食べる「幸福欲」を求める人が増えていくのかも。胃で「満腹欲」、舌で「美味欲」、これからは心で「幸福欲」・・ヒトは、それはそれは永い間の「お腹を満たす時代」に終わりを告げ、「頭を満たす時代」に入ったのも束の間、これからは「心を満たす時代」へと変遷するのでしょうか。

折々のことば・・「食べるために生きるんや」・・逆のようですが、今回の記事を読んで再び納得。食べるため(=幸福になるため)に生きる(=食べる)と小生は解釈。「BBTime 271 食べるために」「BBTime 274 食べるために生きる」も是非お読みください。近年お酒醤油の消費量が減少していると聞きます。一概に食欲の変遷の証とは言えませんが、少子高齢化・人口減少も相まって、記事にあるように「食べる目的」「食欲の意味」が変化してきていることは否めないでしょう。

画像は葛饅頭(こちら)。記事の終わりに『人生の選択はいつも思慮深くすべし、しかし、選んだ後は楽しむことがいちばん、ということだけが普遍の事実なのではないだろうか』とあります。「楽しむことが一番」・・賛成です。この意味で「スイーツ」は洋の東西を問わず今後さらに「幸福欲」を満たす食べ物となっていくでしょう。くれぐれも御自愛のほど、ご歯愛のほど!句の「ういろう」については「BBTime 334 滑舌改善」「BBTime 335 外郎外伝」をご参照のほど。5340


冒頭に「ごがつ」と書いてます。「五月とさつき」について書こうと思いましたが次回。ではでは、またまた。午後の記事で北海道で39.5度の報道・・やはり異常です!

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