BBTime 423 風呂上がり

BBTime 423 風呂上がり
「風呂吹にとろりと味噌の流れけり」松瀬青々

美味しい句です!解説には『句も上手いが、この風呂吹大根もいかにも美味そうだ。「とろりと」が、大いに食欲をそそってくる。あつあつの大根の上の味噌の色が、目に見えるようである。松瀬青々は大阪の人。正岡子規の弟子であった。大阪の風呂吹は、どんな味噌をかけるのだろうか。東京あたりでは、普通は胡麻味噌か柚子味噌を使うが、生姜味噌をかけて食べる地方もあるそうだ。私は柚子味噌派である。いずれにしても、大根そのものの味を生かした料理だけに、子供はなかなか好きになれない食べ物の一つだろう。大人にならないと、この深い味わい(風流味とでも言うべきか)はわかるまい。ところで、「風呂吹」とは奇妙なネーミングだ。なぜ、こんな名前がついているのか。どう考えても、風呂と食べ物は結びつかない。不思議に思っていたところ、草間時彦『食べもの歳時記』に、こんな解説が載っているのを見つけた。「風呂吹の名は、その昔、塗師が仕事部屋(風呂)の湿度を調整するために、大根の煮汁の霧を吹いたことから始まるというが、いろいろの説があってはっきりしない」と。『妻木』所収。(清水哲男)』(解説より)。今回は風呂吹きならぬ「風呂上がりに御注意」のお話。

先日、温泉銭湯にゆったりとつかってきました。近所にポツポツと銭湯(温泉)があります(まだ残っています)。その温泉、存在は知ってましたが今回初利用。夕方四時過ぎ、結構冷たい風が吹く中、玄関を入り番台で入浴料(420円)払って男湯へ。昔からある銭湯でよく見かける光景に「体操おじさん」がいらっしゃいます、ここも然り。見た目七十後半のその方はタイル(浴場の床)にお尻を落として、股割り(見事!180度開脚)前屈など、体操と言うよりストレッチを結構長い間されていました。体操後一足先に出られました。

入浴後、脱衣所に行くとその方が床に大の字・・バタンと倒れられたとのこと。ヒートショックです。ヒートショックとは、特に冬の時期、急激な温度差で起きやすい起きやすい現象で『ヒートショックとは、暖かい場所から寒い場所へ移動することで起こる、急激な温度変化が影響し、血圧が大きく変化することが原因で起こる健康障害です。失神、脳梗塞、心筋梗塞や不整脈などが引き起こされ、浴室で起こると転倒の危険や、湯船で溺れるなど、命に関わる場合もあります』(出典はこちら)。入浴の際は「入浴前から入浴時の温度差」「入浴後の脱衣所での温度差」などが引き金となります。こちらこちらの記事もご参考に。

レイアウトは様々ですが、その温泉は空間的に玄関と脱衣所が繋がっており、出入り口の戸が開けば外気が脱衣所まで届く間取りでした。玄関と脱衣所の間にロビー(フルーツ牛乳などを飲む空間)が存在する銭湯もあります。その日、外は結構強い冷たい風でしたので出入りのたびに冷気が流れ込み、脱衣所の室温は普段より下がっていたのかもしれません。

見るとその方はのびてます・・頬を軽く叩きながら声をかけても反応なし。ヤバイ!と思い再度声かけすると「んー」と反応あり。数秒後「大丈夫」と弱々しい返事。番台からおばさんがすかさずポカリスエット。一口飲んで再び大の字、ビッショリと冷や汗をかいていらっしゃいました。その後しばらくしてトイレに・・大事には至らなかったようです。

自宅でも入浴直前に浴室を熱めのシャワーで温め、扉を開けたままにして少しでも脱衣空間の温度を上げる。入浴後は脱衣空間ではなく、浴室で水分を拭き取り可能な限り浴室内で着衣するなどの予防策が考えられます。またお風呂上がりのみならず、入浴前の水分補給も効果ありとのこと。ご自愛の程。4120

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