BBTime 459 飴と雨

BBTime 459 飴と雨
「アイスクリームおいしくポプラうつくしく」京極杞陽

解説に『季語は「アイスクリーム(氷菓)」で夏。作者は京極子爵家の嫡流で、世が世であればお殿様であった。だからかどうなのか、この人の多くの句にはおっとりとしたところがある。(中略)掲句などは典型で、どこにも企みは見られない。小学生の句かと見まがうほどに素直な詠みぶりだが、しかしやはり大人ならではの味がする。「アイスクリームおいしく」までは小学生でも、ポプラへと目を移す余裕は子供にはないからだ。しかも「おいしく」「うつくしく」と重ねて、アイスクリームとポプラがお互いを引き立て合っている。相乗効果で、ますます「おいしく」「うつくしく」感じられてくる。まことにおいしそうで美しそうではないか。こうしたいわば生の言葉を句に落ち着かせるためには、技術云々ではなくて、まずは作者の本心が生でなければ不可能だろう。世辞や社交辞令ではない本当の気持ちがなければ、生の言葉は浮いてしまう。腰がふらついてしまう。素材対象への素直で自然な没入。悲しいかな、私などにはそれがなかなかできないから、怖くて生の言葉は使えない。掲句を見つめていて、そういうことがよくわかった』(解説より一部抜粋)とあります。今回は飴と雨、雨は雨でも酸性雨についてのお話。

まずは「飴」・・日本では飴とキャラメルは別物ですが、外国語では・・キャンディ(candy:英語)、ボンボン(bonbon:仏語)、カラメッラ(caramella:伊語)となります。いずれにせよムシ歯を作りやすいスイーツです。

一方「酸性雨」・・『酸性雨とは、二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物(NOx)などを起源とする酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み、通常より強い酸性を示す現象です。酸性雨は、河川や湖沼、土壌を酸性化して生態系に悪影響を与えるほか、コンクリートを溶かしたり、金属に錆を発生させたりして建造物や文化財に被害を与えます』(引用元はこちら)。昔、ハナ通信に書きました。「エコロジー問題のひとつに酸性雨があります。強い酸性の雨水のため、森林、草花から、大理石の宮殿にいたるまでダメージをうけているというものです。ところで口の中の酸性雨のことをご存じでしょうか。砂糖を口に入れると、歯の表面のカルシウムが溶ける酸性度にまで下がり、食べ終わっても十数分間は続いていて歯の表面は少し溶けます(ミニムシ歯)。このミニムシ歯は唾液中のカルシウムで自然修復されますが、これには数時間かかります。ミニムシ歯ができる回数が増えて修復が追いつかないと、やがて目に見えるムシ歯になります」(一部抜粋)。

「飴」が口に入ると、やがて「酸性雨」が降り始めムシ歯(歯の表面を脱灰)を作ってしまいます。そこでアイスクリームやプリンの登場!シンプルに考えてください。口の中、歯の表面、歯の近くに砂糖がとどまる時間が長い程、ムシ歯へのリスクも高まります。口の中での滞在時間が短いスイーツほど、ムシ歯リスクは低くなります。土砂降りの酸性雨を降らせる飴やハイチュウよりも、小雨酸性雨のアイスクリームやプリン、ゼリーの方がムシ歯を作りにくいんです。詳しくはこちら「BBTime028 ハイチュウ中毒 ハイ注意!」もどうぞ。

さらなるオススメは「うがい」です。スイーツを楽しんだ後にマナーを踏まえて、水を口に含みガラガラではなく「グジュグジュ」うがいでごっくん。この夏はキャンディよりもアイスクリームを、そうして食べた後は水うがいで歯の水洗いをどうぞ。「アイスクリームおいしく歯はうつくしく」・・新型コロナで溜まったストレスを軽減するため、ひと時の幸せを求めてスイーツ摂取が増えている方、くれぐれもムシ歯を増やす事がなきよう、ご自愛の程ご歯愛の程。

余談ですが「雨」は上から下に降るのでアクセントも「上から下」と聞きました。ネットに『「雨」と「飴」はどちらも「アメ」と読む同音異義語ですが,実際に声に出して読んでみると,声の高さにはっきりと違いが出ます。NHKのアナウンサーなら,「雨」は「ア」が高く「メ」が低い,反対に「飴」は「ア」が低く「メ」が高い,ということになるでしょう。このように,声の高さの高低として捉えられるのが,日本語のアクセントの特徴です』(引用元はこちら)とありました。ではでは 1070





追加:キャンディよりアイスクリームがよろし!の資料を掲載しておきます。

表の上の説明:①プラークを作る力 ②酸を作る力と強さ ③食べている時間 ④食べ終わっても口に残って作用する時間の長さ(松久保隆1990 引用改変)

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