BBTime 480 非老化

BBTime 480 非老化:ひろうか
「老人の日といふ嫌な一日過ぐ」右城暮石

この方、カルメン・デロリフィチェさんの人生には「老人」という言葉は存在しないのでしょうね。この方、来年満九十歳です。『カルメン・デロリフィチェ 1931年にニューヨーク生まれ。4カ国のヴォーグの表紙を、史上初の15歳で務めて以来、85歳になる現在まで70年のキャリアを築いてきた。最近では高齢女性の活躍を自身が体現し、今なおモデル業界のアイコンとなっている』(2017/5/8の記事より)。

冒頭の句の解説には『はじめは「としよりの日」(昭和26年制定)といった。それが「老人の日」(昭和39年)となり「敬老の日」(昭和41年)となった。しかし「敬老の日」とは、いかにも押し付けがましい。国家が音頭をとって「尊敬」などと言い出し、ロクなことがあったためしはない。景気のよい時には地方自治体がお祝い金を出していたが、いまではつまらない式典だけになった。金の切れ目が縁の切れ目で、駆り出さなければ誰も来ない。私はまだ駆り出される年齢ではないが、作者と共に余計なおせっかいは「超」不快である。もちろん、いまや老人福祉の問題は国民的な課題だ。が、世間で行われている福祉の実態には、いつも式典的要素が介在するのは何故なのか。老人ホームでみんなでお歌を歌うなんてことも一例で、私なら、ほっといてくれと言うだろう。そんなことに「敬老精神」を発揮されたのではたまらない。しかも発揮する人々の多くが善意であるだけに、いっそうたまらないのである。このような「善意の愚劣」を、先輩諸兄姉よ、ここらで勇気を持って打ち砕くべきではないでしょうか。かつてロシアの文豪が、自逆的に言いました。「私は人類はいくらでも愛するが、隣の婆アはどうにも気にくわねえ」と。「善意の愚劣」の根拠でしょう。(清水哲男)』解説より。

先日、発表されたノーベル医学・生理学賞は『▽アメリカのNIH=国立衛生研究所のハーベイ・オルター氏、▽カナダのアルバータ大学のマイケル・ホートン氏、▽アメリカ、ロックフェラー大学のチャールズ・ライス氏の合わせて3人です。3人は、C型肝炎ウイルスの発見によって多くの慢性肝炎の原因を明らかにし、輸血などの際の検査ができるようにしたほか、多くの人の命を救う治療薬の開発に道をひらいたことが評価されました』(引用元はこちら)。このC型肝炎、小生の学生時代には「非A非B:ノンエーノンビー」の肝炎として習いました。さてタイトルの「非老化」これは文字通り、老化ではない・・従来老化と考えられ、人にとって避けられないものとして捉えられていた症状に実は原因があり、それは対処できるという意味です。

先日見つけた記事は「認知症の原因物質 歯周病によって蓄積する仕組みを解明」で、記事によると「認知症の7割を占めるアルツハイマー病は、「アミロイドベータ(Aβ)」などの異常なたんぱく質が長年、少しずつ脳に蓄積し、発症や症状の進行につながるとされる」・・この蓄積を歯周病菌がアシストしているようだ、という内容でした。「チームの武洲(たけひろ)・九大准教授(脳神経科学)は「歯周病菌が、異常なたんぱく質が脳に蓄積することを加速させてしまうことが明らかになった。歯周病の治療や予防で、認知症の発症や進行を遅らせることができる可能性がある」と話す」(記事より)。

中国唐代中期を代表する文人に「韓愈:かんゆ」がいます。韓愈の漢詩「落歯:らくし」・・毎年のように抜け落ちる歯と人生を重ね憂う内容です(詳しくはこちら)。ひと昔、ふた昔前は歯周病は「老化」であり、逃れられないもの(症状)として考えられていました。今では歯周病の原因は解明され、その予防法・治療法も確立されています。先程の記事のように「認知症」も少しずつ病因が明らかになり、予防法・治療法が確立される日もそう遠くないのかも知れません。

以前、ある患者さんが「(ここにくる前に)右膝が痛いので整形外科に行ったら、医者に「痛み(原因は)は、歳のせい」と言われて頭に来た。歳のせいなら左も痛いはず」とおっしゃいました。なるほど、その通り!右だけ痛いのは何かしら「痛みの原因」が右だけにあるはずです。歯周病予防が認知症予防へつながるのであれば、予防しない手はありません。時の過ぎゆくままに老け込むのは、もったいないと切に思います。皆さま、ご自愛のほどご歯愛のほど。・・曲は昨日(10/6)亡くなったヴァン・へイレンに哀悼の意を表して。9470


https://youtu.be/1Qi7c-pcq-A

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