BBTime 502 口角あげよ

BBTime 502 口角あげよ
「凧三角、四角、六角、空、硝子」芥川龍之介

解説には『凧は正月に揚げられることが多いことから、古くから春の行事とされてきた。三角凧、四角凧、六角凧、奴凧、セミ凧、鳥凧……洋の東西を含めて種類も形も多種多様だが、この時代のこの句、晴れあがった春の空いっぱいにさまざまな凧があがっているのだろう。名詞を五つならべて「、」を付した珍しい句だが、「硝子」とはこの場合何だろうか? 空にあがったさまざまな形の凧が、陽をあびてキラキラして見えるさまを、あたかも空に硝子がはめこまれているように眺めている、というふうに私は解釈する』(解説より抜粋)。今回は凧をあげよう・・ではなく「口角あげろ」について「今日のダーリン」(ほぼ日1/20)より。

『・「わからなくなったら、口角をあげろ。」
 ということばを、演出家の木村龍之介さんが
 「ポッケに入れておきたい言葉だな!」と、
 昨日の午後にツイートしていた。
 リモートで仕事をしていたぼくは、
 「そのとおりだよなぁ」つくづく同感だと思った。
 そしてよく考えたら、
 「わからなくなったら、口角をあげろ」は、
 もともとぼくが書いたことだった。
 じぶんに同感していたのだった。』

『人が見ているところで、無理やりに口角をあげると、
 もしかしたら「にやにやして気持ちわるい」とか
 思われてしまうかもしれない。
 でも、そう思われてしまうのはあきらめよう、
 気持ちわるいさ、おれは、じゅうぶんに。
 やっぱり、大人の日常というのはこわばるものなのだ。
 なにかちょっとがまんしたり、ときにはがまんさせたり、
 そうそうグニャグニャしてるわけにもいかない。
 くらげじゃぁないんだから。
 あんまり力を入れたり大げさな動きをしたりせずに、
 そのこわばりをゆるめてやりたい。
 そういうときに、くちびるの両はじを、ちょっとあげる。
 これだけで、なにかが漏れたかのように硬さがとれる。
 そして微笑みと、ほぼ同じような表情になる。
 無理に口角をあげても、そうなるのがありがたい。』

『「笑む」のもともとの意味は、
 つぼみがほころびるということらしい。
 イガ栗の割れてなかの実が見えているようすを、
 「よく笑んでいる」とか言う。
 笑むというのは「やさしい破裂」なんだな。
 じぶんという殻のなかには、いろんな気がたまってて、
 そのままにしておくとぱんぱんの風船になっちゃう。
 「口角をあげる(笑む)」ことで、やわらかくするんだ。
 そうしたほうが、身体の動きも、こころの動きも、
 いやぁその魂の動きまでもが自由になるんだろうね。

 だれもいない仕事場とかでも、ひとりで口角をあげよう。
 ひとりだと、気持ちわるいとか言われることもないし。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
このこと、一生のうちに何度も何度も考えてきたよなー。』

口角とは・・上唇と下唇の接合部、口の両端の部位です。始終「口角あがってます」がピエロの口(くち)です。ダーリンにあるように口角(こうかく)を上げると釣られて目も笑います、笑い目になります。人と会う時は終始マスク着用の今、表情が乏しくなります。思いっきり「口角をあげる」と思いっきり「目も笑います」。鏡の前で是非お試しを!

この人は思いっきり口角下がってます(笑)。この時期、仕事柄(歯科診療)よくお見受けするのが「口角炎:こうかくえん」。一度切れると、場所が場所だけに動く部位なので、結構長引きます。そこでアドバイスひとつ・・用意するものは、できるだけ添加物(メンソール)などの少ないリップクリーム。お休みなさいの後に口角に充分に塗ります。次が肝心・・「おはよう」の発声前に、再びリップクリームを塗ります。切れて治りかけの口角を舐める人がいらっしゃいますが、すぐに乾燥してまた切れ(割れ)やすくなります。昔の人は「蜂蜜をつけると治る」と言っていましたが、蜂蜜は舐めてしまうのでダメです。リップクリームがなかった頃の話です。

この人の口角は上がってます(微笑)。句の解説には「硝子」を『空にあがったさまざまな形の凧が、陽をあびてキラキラして見えるさまを、あたかも空に硝子がはめこまれているように眺めている、というふうに私は解釈する』とありますが、天邪鬼の小生の解釈は・・1)太陽:しかし太陽を見ながら凧を上げることは恐らくない。もしくは太陽に向かって凧揚げはしにくい。そこで・・2)硝子:ガラスではなく、真実はカラス!凧揚げを見ていた龍之介の目に「一羽の烏」。流石に「黒いカラス」は似つかわしくないので、ここにも「、」を付けて「ガラス」に。・・ホラ、そんなアホなと、口角あがったでしょ!

マスク常用の今こそ、ニヤニヤでもニタリでもウフフでも、他人にはわかりません。思う存分、それなりに口角をあげましょう!皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。8820



追加:先日アップした「いとぐち」に関連するような記事が本日(1/20)出ました!記事「吉村知事 歯科医院に「何かある」…府下5500の医院でクラスターゼロ」・・私見ですがこの「何か」は恐らく歯科診療所で必ず使用している「バキューム」だと思います。

記事へのコメント「現役歯科医師です。「何か」とは、他の方も書かれているかも知れませんが、歯科診療所で必ず使うバキュームだと思います。局所(口の中)で究極の換気です!感染拡大の主犯は唾液で、拡大予防策のひとつは強力な換気ではないでしょうか。」

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