BBTime 513 理不尽

BBTime 513 理不尽
「行春や鳥啼き魚の目は泪」松尾芭蕉

ひと雨ごとに「行く春」を感じます。この句が詠まれたのは332年前の五月十六日。解説に『芭蕉が「おくのほそ道」の旅に出発したのは、元禄二年(1689年)の「弥生も末の七日(三月二十七日)」のこと。この日付をヒマな人(でも、相当にアタマのよい人)が陽暦に換算してみたところ、五月十六日であることがわかったという。すなわち、三百十一年前の今日のことだった』(2000/5/16の解説より)。「魚の目は泪」の解釈にも諸説あるようです。今回は昨春からのことを念頭においての「理不尽」。

画像は三年前(2018/5/14付)朝日新聞「折々のことば」。読み返してまさに「今でしょ!」と思います。死亡、会社の倒産、店の閉鎖、減収などを「理不尽」の一言で済ますことはできません。が、しかし未だ先が見えず、まだまだ続くであろう現状を思うに、こうでもとらえなければ「忿懣やるかたない」のです。

学生時代、ラグビーやってました。「理不尽」なスポーツです。ボールを前に投げる「スローフォワード」は禁止、スクラムやラインアウトも基本的には同等な条件です。加えてボールがご存じのように楕円球、着地後どちらにバウンドするかは球次第!・・まさに人生。ひとたび試合が開始されると「楕円形が悪い」「スローフォワードのルールが悪い」「・・が悪い」などと言っている暇はありません。

『食事は独りでとるより誰かとお喋りしながらするほうが旨い』・・これも真実。人(他人)に会いたい、集いたい、触れたい・・など、人としての根本的な行為が禁止・制限されるから「忿懣やるかたない」のです。

変異株について次のようなことを耳にしました。『ウイルスは宿主が居ないと生存できないので宿主が全滅してしまうと自分たちも全滅してしまいます。宿主が免疫を付けても繁殖しにくくなり死活問題になりますので変異して生存し続けようとしますが、感染力は上がるかもしれませんが宿主を全滅させないように基本的には弱毒化します』(出典はこちら)。だからと言って感染予防策を怠って良いということではありませんが、永遠に今と同じではないであろうということは想像に難くありません。

ノーサイドの笛が、いつ吹かれるかは神のみぞ知る。その時まで「日常は理不尽」として日々過ごすほうが、賢いでしょう楽しいでしょう。呉々もご自愛の程ご歯愛の程。6060

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