BBTime 663 最後の晩餐

「美しき緑走れり夏料理」星野立子

2024/08/08投稿
パリオリンピック開会式で物議を醸した「最後の晩餐」。絵画としては、ご存じのようにレオナルド・ダ・ビンチの作品のひとつで、ミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院食堂に描かれています。ちなみに「最後の晩餐」は『キリスト教の新約聖書に記述されているキリストの事跡の一つ』で詳しくはこちらを。

時に「最後に食べたいものは?」のような記事を目にします。小生なら「鶏の唐揚げ」でしょうか。訪問診療に携わるようになって「最後の晩餐」について、ふと思いました。歯の本数、有無にかかわらず、人によっては普通食から刻み食、ミキサー食へと変わることがあります。歯があっても義歯が使えても「噛む力が弱い」「噛む気力が低下」などで、噛めないことが主な理由です。また、噛めても(モグモグできても・咀嚼できても)それに続くゴックン(飲み込み・嚥下)ができない場合もミキサー食になることがあります。

結論:多くの人は「最後の晩餐」をとることができない、言い換えればこれが「最後の晩餐」として認識できない場合がほとんどです。先日、ラジオで料理人の方が和食について語っていました。「誕生日、節目での祝い、季節の節目」など和食は人生の行事や節目と結びつきが深い。行事食、ハレの食事のように今でも身近に残る食事が多々あります。先月の「土用のうなぎ」もそのひとつでしょう。

その昔、レストランを数多く経営しておられる方の講演の冒頭「私はあと一万食くらいしか食べられない」と。一万食=365×3×9=9,855となり大まかに九年から十年ということでした。一食一食は貴重です。皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

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