BBTime 673 ゆく歳

「うつくしや年暮れきりし夜の空」小林一茶

2024/12/31大晦日投稿
 2024年も今日で終わり、画像は今朝のお姿(桜島)です。句の解説『今年1998年は、一茶に締めくくってもらおう。ここまでくれば、ジタバタしてもはじまらない。一茶とともに、夜空でも眺めることにしたい。ただ、ミもフタもないことを言っておけば、一茶の時代は陰暦の大晦日だから、二カ月ほど先の空を詠んでいる。そろそろ梅も咲いているかもしれぬ早春の夜空だ。だから、相当に今夜とは雰囲気は異なるが、押し詰まった気持ちには変わりはないのである。古句で締めたついでに、鎌倉末期から南北朝に生きた兼好法師の『徒然草』より大晦日の件りを引用して、今年度の『増殖する歳時記』の本締めとしたい。ご愛読、ありがとうございました。「晦日(つごもり)の夜、いたう闇(くら)きに、松どもともして、夜半(よなか)すぐるまで、人の門たゝき走りありきて、何事にかあらん、ことごとしくのゝしりて、足を空にまどふが、暁がたより、さすがに音なく成りぬるこそ、年の名残も心ぼそけれ。亡き人のくる夜とて玉まつるわざは、この比(ころ)都にはなきを、東(あずま)のかたには、なほする事にてありしこそ、あはれなりしか」。(清水哲男)』(引用元)。今回は今日大晦日の毎日新聞「余録:よろく」のご紹介。

【い】犬も喜ぶ50-50【ろ】露朝の盟約、世界の迷惑【は】はて、夫婦別姓は?【に】日常になった異常気象【ほ】保護司の献身支えねば【へ】紅こうじにレッドカード【と】動画も積もれば票となる【ち】賃上げ中小悲鳴上げ【り】理不尽な客お断り【ぬ】抜け出せぬ原発の沼【る】ルールそこのけ選挙妨害【を】折り鶴の願い届いたノーベル賞【わ】忘れない世界のタクト【か】ガザの子らへぬくもりを【よ】よみがえるトラのどう喝【た】大逆風に安倍散るドレン【れ】連結外れ、こまち困った【そ】空でピアノが弾けたかな【つ】月の裏側行っチャイナ【ね】寝耳に水原【な】南海も備え確認を【ら】ライド、シェア伸びず【む】無罪でも時は戻らず【う】雲散無常の石破カラー【ゐ】インテルまいってる【の】ノートルダムの鐘再び【お】お酒の技に世界が乾杯【く】「黒い雨」に晴れ間【や】やりで射止めた金メダル【ま】真っ黒なホワイト案件【け】下克上ハマの番長【ふ】富士山隠したインバウンド【こ】コメ不足にもほどがある【え】炎上機、奇跡の脱出【て】「手取り増」で議席増【あ】アサド後に朝は来るか【さ】サンタ苦労す物価高【き】金利あるのに放漫財政【ゆ】尹(ユン)殿、ご乱心【め】メガへ加速ホンダ日産【み】右へ右への欧州選挙【し】SHOGUNに軍配【ゑ】AIにも愛を【ひ】漂流するプラごみ条約【も】もぬけの空の貸金庫【せ】政治資金寄生法【す】スターの輝きドロンと消えず【京】きょうの祈り能登の明日へ

これも今朝大晦日の空です。いろいろなこと悲喜交交あった歳でした。果たして来る歳は?無事とは言いませんが、穏やかな歳になってほしいと思います。では皆様、ご自愛の程ご歯愛の程

追加:過去の「余録」はこちらを。

BBTime 672 良薬

「いつの間にうしろ暮れゐし冬至かな」角川春樹

2024/12/15投稿 今夜今年最後の満月 12/20追加
まさに臘月尽(ろうげつつく)今年も余すとこ二週間余り。句の解説は『冬至の日暮れです。「いつの間に」、日が暮れてしまったのだろうという驚きがあります。続く「うしろ」の使い方が巧妙です。暮らすということは、掃除でも、料理でも、前を向くこと、次の手順をこなすことです。生きているかぎり、好むと好まざるにかかわらず、私たちは、「前向き」に行動し、予定を気にしながら、先のことを考えて暮らしています。しかし、掲句は、「いつの間にうしろ」と書き出すことで、驚きながら、うしろを振り返る身振りを読み手に与えます。ふり返ると一日が終わり、一年が終わっていく。冬至の暮れは早く、東京では16時32分。一年のあれやこれやが思い起こされ、暮色に消え、長い夜を過ごします。「存在と時間」(1997)所収』(引用元)。今回は「良薬は口に苦し」は価値あることなのか?について。冒頭の画像(薯蕷饅頭)は鹿児島明石屋(2024/12月)のHPより。

ほぼ日」の今日のダーリン(12/10付)。
次のように続きます。

読んでいただければお分かりと思います。今回、小生が最も伝えたいのは「聞き入れやすいように工夫するよ」です。素人(しろうと、一般の人)にとって難しい・少しでもハードルが存在するのであれば、それらを簡単にたやすくしてあげるのが玄人(くろうと、プロ)だと思います。素人の方にとって容易でないことを、そのまま「良薬口に苦し」だと押し付けるのはプロのやることではありません。

軸は「看々臘月尽:みよみよろうげつつく」
「良薬口に苦し」と同じようなことが「歯磨き・セルフケア」にも言えます。歯磨きの必要性、歯磨きの方法、ムシ歯予防に必須等々はみなさんご承知。しかし、それができないから歯医者から「ムシ歯」を見つけられるのです。「歯磨き=良薬」これは間違いありません(歯磨きとは歯の汚れを物理的に除去すること)。そうであれば「口に苦し」ではなく、せめて「苦くない」にすべきでしょう。それを行うのがプロ(歯科医・歯科衛生士)です。三ヶ月に一度のメンテナンスならば、是非月に一度のメンテに。セルフケアにおける歯ブラシ、歯磨き粉、方法などについてもプロに確認してください。最後にアドバイスをひとつ「歯は、磨いてももらうもの」 皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。
12/20追加 「歯は磨いてももらうもの」を実践している「おやつ堂」!

BBTime 671 アイデイア

「福助の頭は空つぽや十二月」小泉八重子

2024/12/07投稿
 師走に入り早一週間経ちました。まさに「看々臘月尽:みよみよろうげつつく」。句の解説『福助人形。「福助足袋」の広告で有名になったキャラクターだが、元来は江戸期より幸福招来の縁起ものとして、水商売の店などに飾られていた。句では、師走の正月用意の一つとしての足袋購入が意識されており、水商売のイメージはないと思われる。それにしても「福助」の頭の中が「からつぽ」とは、意表をついた発想だ。私など、一度もそんなことを思ったこともない。でも、言われてみると、なるほど「からつぽ」みたいに見えてくるから妙だ。頭が大きいので、なおさらである。もしも「福助」と話す機会があったとしても、どんな話をしたらよいのか、見当もつかない。そんな感じがしてくる。とにかく不思議なセンスで書かれた句ではあるが、 十二月とのマッチングが愉快だ。ちなみに、天下に「福助」キャラクターを有名にしたのは、大阪の川柳作家であった広告文案家の岸本水府である。この人は後に「グリコ」でも活躍し、「コドモハカゼノコ グリコノコ」「オザウニイハヘ グリコモイハヘ(お雑煮祝え、グリコも祝え)」などのコピー(豆文)を書いている。このあたりについては、田辺聖子著『道頓堀の雨に別れて以来なり』(中央公論社・1998)に詳しい。『遠望』(1989)所収。(清水哲男)』(引用元)。タイトル「アイデイア」:アイディアを逆から読んでも「アイディア」・・これがアイデアとある本にありました。今回は毎日なのに「ほぼ日」の今日のダーリンから。

「よく思うのだけれど、とにかく「アイディア」なんですよ。
 いろんなむつかしいことも、おもしろくないことも、
 困ったことも、あらゆる場面で、アイディアが足りてない! 
 じぶんの関わっていることでも、そう思うし、
 あちこち見渡しても、「アイディアがないからだ」と思う。
 そりゃね、金がないとか時間がないとか人手がないとか、
 他にもありますよ、足りないものは。
 それにしても、「じゃぁ、アイディアはあるのか?」です。

 アイディアが商売じゃないという人にも、
 ほんとはアイディアがあったほうがいいし、
 アイディアがなにかを変えるもののはずです。」

「「こうすればアイディアが出ますよ」という本やら、
 講座なんかもたくさんあるのは知ってます。
 昔も今も、アイディアの大事さはさんざん言われてきたし、
 どうすればいいかについての方法も、
 ほとんど、すでに語られてきているとも言えるんですよ。
 あっちのものとこっちのものを、組み合わせるんだとか、
 ちがった角度から見てごらんだとか、ずっと言われてる。
 それは、みんな読んできたか聞いてきたと思うよ。
 でも、絶対的に、世界中にアイディアの質量が足りてない。

 どうしてか?」

「アイディアを出そうとする機会が少なすぎるからだ。
 ぼくは、そう考えるようになったんです。
 たとえば、サービス業の人だったら
 「いつも微笑んでる」なんて当たり前でしょう? 
 そうでない人もいるけど、よく微笑んでますよね。
 運転をしている人だったら、長時間、500キロくらい
 ずっと平気で運転してるじゃないですか。
 逆に、ちょっと微笑んで休んでまた微笑むとか、
 10キロ運転して休んで翌日また10キロ走るとか、
 そんなんじゃダメだってわかってるんですよね。
 だけど、そんなふうに「いつも微笑んでいる」ように、
 「いつもアイディアを出そうとしている」人が、
 あんまりいないんだと思うのです、私見ですが。
 おまえら(つまりわたくしも)、サボってるぞ。
 アイディアはとりあえずの原料費が無料だしね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
たいしたことなくても、小さくても、とにかく出すこった。」

この方も仰ってます。
「ほとんどの人は十分な時間やエネルギーをかけていない。」
Most people just don’t put in the time or energy to get there.
『何か問題を解決しようとしたとき、最初に思いつく解決方法は非常に複雑なので、ほとんどの人はそこで考えるのをやめてしまう。ここでさらに考え続け、問題を胸に抱き、タマネギの薄皮を剥き続ければ、しばしば、非常にエレガントでシンプルな解決策に到達できる。ほとんどの人は十分な時間やエネルギーをかけていない。」(ビジネスに効く10の言葉より)』

小生オススメの本、原著初版は1940年に出ております。過去にもタイトル「アイディア」で書いております、こちらもどうぞ。では、師走は名の通り走っております、足元にお気をつけて。皆様ご自愛の程ご歯愛の程。