経営と思いーヒロシの酒部屋No.34

<経営と思い>
先日、ある県外の焼酎バーの方から電話で、
「お客さんにとって何が一番大事な事ですか?」
という質問を受けました。
彼ほど焼酎に対して
真正面からまじめに真剣に取り組んでいる方は、
この本場鹿児島にもいません。
鹿児島にも何度も来られ、
あまりにも深く入り込んだためにその感じてきたものを
全てのお客さんに伝えたいという思いが強すぎて、
本物の本道を突き進んでいます。
その結果、たとえば、この焼酎の飲み方は、
この焼酎を活かしてあげるには、
など全くその通り間違いのない事を薦めているのですが、
それを求めないお客さんに対しては、
妥協しないといけないのかという疑問が、
彼の存在価値そのものがなくなりそうで、
怖いのかもしれません。

私の答えは、
経営を考えれば聞く耳を持っている方のみを満足させても
経営として成り立たないので、最終的には聞く耳を持たない方も含めて、
その方々が満足すればいいのではと伝えました。
その中で自分の伝えたい事を少しずつ浸透させていくべきだと!

そういう私はどうかと言えば、
自分が納得した、売りたい商品しか置いてません。
この時点ですでにお客様が限定されているかもしれません。
たぶん鹿児島だけではこのスタイルで飯は食えないでしょうが、
全国に賛同して下さるお客様がおられるからこそ、
経営が成り立つのでしょう!
そう考えると、業務店さんに助言できる立場ではないですね!

過去の「ヒロシの酒部屋」はこちら(No.1-18)

ムシ歯をつくらない歯医者11

「CとPは今やほぼ完全に予防できる」

先日神戸で開催されたシンポジウム

「定期健診型予防歯科医院の作り方」

-疾患を生まない、生ませない仕組み作り-

に演者として参加しました。

その時の基調講演の中に出てきた言葉が

「CとPは今やほぼ完全に予防できる」です。

Cとはカリエス、ムシ歯のことで、

Pとは歯周病、シソーノーローのことです。

歯科における二大疾患、ムシ歯とシソーノーローは、

さけることができる病気なのです。

例えば、ガンにならない生活スタイルとか、

食生活などの本が、巷にはあふれています。

それらのことを完璧に実践したとしても、

100%ガンにならないとは言えないでしょう。

しかし、歯科におけるムシ歯とシソーノーローは、

言えるのです。

「万緑の中や吾子の歯生えそむる」と中村草田男の有名な句があります。

この「生えそむる」の時の歯は特殊な場合をのぞき完璧です。

他の疾患、つまり他の臓器と歯の大きな違いは、

生えてきた時は完璧に健康で、その後病気=ムシ歯になる、

しかも後天的要因(生まれたあとのこと)で、

ムシ歯になるか、ならないかは人為的にコントロールできる。

他の臓器はこうすれば100%病気にならないとは言えません。

しかし、歯は完璧な状態で生え、

しかも、こうすればムシ歯などから守ることができるという、

方法が確立されている。

そうであれば「後手後手医療」から「先手先手予防」が、

良いと思いませんか。

見事な相性ーヒロシの酒部屋No.33

「見事な相性」
6年前ぐらいに仕入れたカオールの白ワインですが、
1999年産で葡萄はヴィオニエ種なので、
テーブルワインとなります。
カオールの白
ちょっと状態を見たくて、
でもただ試飲するだけでは味気ないので、
フレンチレストラン「ガブローシュ」で試す事にしました。

もちろん前日の夜に予約を入れたので、
料理との相性なんて考えもしませんでした。
まず熟成具合がわからなかったので
しっかり冷やした状態でテイスティング。
健康な状態でとても良い熟成をしていたので、
前菜はその冷えた温度でいただき、
そのまま温度を戻していきました。

そして二皿目が、ブルターニュ産の少し薫製されたサーモン。
これは正に見事すぎる程の相性で、特に白ワインの温度が戻って
少し熟成感のあるしっとりとした味になった時との相性は抜群でした。
白ワインの熟成には勇気が必要ですが、
これほど良い状態で熟成された白ワインを飲めるのは
ほんとに稀な事です。

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秋晴れ

「秋晴れの空気を写生せよといふ」沢木欣一

*日南の秋晴れは、まさしくこの空です。

お腹いっぱい吸い込んでも、

貯まらずにスルーッと流れ出るくらい澄んでいる空気です。

Out of nothing, nothing comes.

まかぬ種は、生えぬ

Taking a walk in the morning is good for the health.

朝の散歩は健康に良い。

鰯雲

090924

「あ そうかそういうことか鰯雲」多田道太郎

*字足らずではなく

「あ」の次の一息も立派な文字のように思えます。

俳句とは普段の何気ないことを明瞭に表現してくれます。感服!

Considering his age, he runs fast.

年齢のことを考えると、彼は走るのが速い。

ムシ歯をつくらない歯医者10

話がそれますが、

その昔「バケツの穴」という「みんなのうた」がありました。

バケツに穴があいている→

困ってないでなおしてよ→

わらでふさげばいいけど長い→

短く切ればいいじゃない→

ナイフで切ればいいじゃない→

ナイフがさびて切れない→

研げばいいじゃない→

研ぐには水が必要→

バケツで水をくもう→

バケツに穴があいている・・・

似てませんか?

だから、バケツに穴があく前に、

手を打つべきなのです。

後手後手医療から先手先手予防へ!

ムシ歯をつくらない歯医者09

おおまかですが、日本の今の保険制度は

「疾病」(=病気)を対象としています。

つまり極端な言い方をすると、

おおざっぱに予防処置は保健外となるのです。

保険制度はある意味、落とし穴なのです。

実はもう一つ怖い落とし穴があるのです。

保険診療が疾病つまりムシ歯を対象としているため、

端的に言うならば、歯医者は歯を削って、つめて、

なんぼなんです。

歯を削って、つめたり、かぶせたりしないと、

収入が得られない構造になっているのです。

口にトラブルを持つ人、すなわち患者さんが来ないと、

経営的にはよろしくないことになるのです。

じっくり考えてみると、

怖い話です。

保険診療における医科と歯科は違う性格をもちます。

医科における疾病(病気)は、予防できないものもあると言うより、

完全に予防できる病気の方が少ないと言えるでしょう。

ところが、時代が進み、

今や歯科における二大疾患、ムシ歯とシソーノーローは

ほぼ予防が可能です。

にもかかわらず、保険診療は疾病を主なる対象としています。

リアルな話として今なお

「患者が減ると収入が減る」

と考えるし、堂々と公言する歯医者も少なくありません。

「ムシ歯をなおす歯医者」から

「ムシ歯をつくらない歯医者」へ、

シフトを変えましょうよ。

酒屋の品揃えーヒロシの酒部屋No.32

<酒屋の品揃え>
酒屋の品揃えで、その酒屋の方向性、弱点、レベルなど
いろんな事が見えてくるものです。

たとえば、それは日本に限らず、ボルドーのワインショップでも、
ロンドンやエジンバラのウイスキーショップでも同様であります。
ワインだと、自分の舌や足で捜しているかがわかるし、
ウイスキーだと、どの蒸留所のものを扱っているか、
特に力を入れている蒸留所はどこか、
さらに選んできた樽を試飲させてもらうと一目瞭然。
ゆえにウイスキーの市場はそれ程大きくないので、
ウイスキーショップとして生き残っているのは、本物の店だけです。
ロンドンでも2軒ぐらいでしょうか!

それでは同じ蒸留酒としての焼酎はどうか?
食中酒と食後酒という違いはあるけれど、
蒸留酒として焼酎もウイスキーも良いものは、
同じ味の流れがあります。
焼酎ブームの終焉とともに、いずれは本物の店だけが
生き残っていくだろうと思いますが、懸念材料もあります。

以前、全国の焼酎で有名な酒屋さん達との会の中で、
焼酎を選ぶ基準は何かと尋ねられた時がありました。
私は当然のごとく、自分の舌で良いと判断した焼酎で、
できれば自分が感動した味のものを売っていきたいと答えました。
すると鹿児島のある有名な酒屋さんに、
それではあなたの好みの焼酎に偏るではないですかと反論されました。
では自分の舌で感じ得ないのに、
何の基準を持って選ぶのか!と思いましたが、
根底が違うなと思い、話しても無駄だと諦めました。
たぶんこの方々は、たくさんの種類の焼酎を扱っているのだと思いますが、
逆にある意味、消費者にとっては、選ぶ楽しみがあるので、
そういう酒屋も必要になるのでしょう!
では焼酎で、本物の店とは?
跡形もなくブーム終了の2、3年後の品揃えで
何か見えてくるかもしれません。

生き残るのは?

過去の「ヒロシの酒部屋」はこちら(No.1-18)

ムシ歯をつくらない歯医者08

「ムシ歯をつくらない」ことが歯医者の仕事なのです。

一見当たり前のことのように思えますが、

これには、落とし穴があるのです。

日本の今の保険制度は「疾病」(=病気)を対象としています。

しかし予防の対象は健康です。

保険診療の相手は患者さんですが、

予防サービスの対象は健康びとなのです。

健康びとが保険証を持って歯科診療所を訪れても

満足な予防処置・予防サービスは受けられないのです。

慣例的に「歯が痛い人が歯医者に来る」であり、

歯医者に来る人は「患者さん」でした。

充分なる予防サービスを受けるには、

言わば「歯のスポーツジム的な施設」が必要となると思います。

歴史的に歯科大学の勉強は「まず、ムシ歯ありき」でしたし、

当然、歯科診療所は「患者ありき」です。

もちろん、数十年前は「ムシ歯の洪水」

と言う言葉があったくらいですから、

歯の健康人は「どこに行けばいいの?」なんて発想はなく、

歯を磨くのは、守るのは、その人自身だ!

という考え方が固定観念となってしまった訳です。

しかし、時代は変わりました。

ムシ歯を治す歯医者の時代から

ムシ歯をつくらない歯医者の時代へ、

変遷が始まっているのです。

ひとびと、健康びとのほうが時代を先取りしています。

ハンズやロフトの歯みがきグッズのコーナーに行ってみてください。

歯ブラシや歯磨き粉の種類の多さに驚愕します。

関心の高さが商品の種類の多さを現しています。

ムシ歯を治すのが歯医者の仕事だと

信じて疑わないのは歯医者自身であり、

その考えが時代に合っていないとは

気が付いていないのも歯医者自身なのです。

歯医者の子どもにムシ歯がない本当の理由07

「歯科医は治せない」

「ムシ歯の部分を人工物に置き換えているだけ!」

では、歯医者は何をしているのか?

歯医者が行っていることは「機能の回復」だけなのです。

ムシ歯になった部分を人工物に置き換え、

日常生活における、食事・会話・笑顔などに問題が無いように、

機能を戻しているというのがより真実でしょう。

歯医者は反論します。

「歯牙の特性上、一度ムシ歯になって失われた部分は戻らない」

おっしゃる通り!

歯(歯牙:しが)は、骨と違って、再生したり治癒することはありません。

骨折しても骨はまた骨自身の力で繋がりますが、

歯は無理です。

歯医者は、歯そのものを治すことはできないが、

歯の持つ機能を回復することだけは、ある程度できる。

だから「歯医者は歯を治せない」。

ゆえに「ムシ歯をつくらない」が

最高の歯医者の仕事なのです。

いいですか?

「ムシ歯をつくらない」ことは、

ひとびと(患者さん)のやるべきことではなく、

歯医者の仕事なのです。

ひとびとの歯をムシ歯から守ることが、

歯医者の仕事なのです。