ミヤスの笑顔

ハナ通信 2009/10 No.71

「男なら味噌煮と決めよ秋の鯖」吉田汀史

食=「みやすの笑顔」

へそ曲がりカルノとしては掲句のように決め付けられると反発したくなります。鯖ならば焼酎ロックと好相性の「〆鯖のあぶり」かな。

さて、先日シンポジウム参加のため神戸へ。足を運んだのは神戸ビーフの老舗「みやす」。ビフテキの味もさることながら、この店で特筆すべきはなんと言っても歳を感じさせない御主人の目力(めぢから)!カウンター中央に陣取り目からビームを発するかのような視線。初回訪問時はこちらも緊張して(笑)御主人に声をかける勇気もなく、ひたすらビフテキを堪能。しかし今回レジに柔和な雰囲気の(たぶん)奥様もいらっしゃってか、御主人に「いやあ!美味しかったです」と勇気を出してひと言。するとそれはそれは深い笑みをたたえながら「どうも」とニッコリ。こちらがビックリするくらいの笑顔でした。閻魔様から観音様へ、いや失礼(笑)。するとどうでしょう、みやすで頂いたのは神戸肉ビフテキ250gとサンテミリオンの赤ワインのみにもかかわらず、満腹感と満足感にその後どっぷり三日ほど浸っておりました。お肉とワインで胃が満たされることは理解できますが、御主人の笑顔で胃の満足感、言うならば「胃の心」が満たされたことは本当に幸せな驚きでした。

そこで一句「食べるならみやすと決めよ神戸肉」カルノ

「みやす」 神戸三宮 078-391-3088

250gの肉


ハナ通信 No.070-2009-6月号

ハナ通信 2009/06   No.70

「梅雨深く葱だくさんのぎょうざかな」草間時彦

 遊=「ハハ!大切」

 掲句の解説に「この句の葱(ねぎ)たっぷり餃子は元気の出そうな一品、多分焼いたものだろう」とあります。その昔、小倉に「小文字」という屋台のようなお店がありました。あの味は今でも鮮明に記憶に残っています。

 さて葱に限らず「元気の出る」は何事においても必須のような気がします。楽しさ・ゲーム性・エンターテイメントとも解釈できます。勝間和代さんの「やる気に頼るな、仕組みに頼れ」との言葉を見つけました(朝日新聞09/5/16)。「長期的にはいい結果が得られるが、短期的には辛抱が必要なことを続けるには、やる気に頼らない仕組みを作れるかどうかが鍵だ」なぜなら「やる気だけでは結果が出るまで続かないから」とのこと「あなたに欠けていたのはやる気ではなく仕組みです」と言い切っています、心から同感です。

 この仕組みづくりに加味して欲しいことが、この「元気の出る・元気になる」です。前号のハナ通信「わらいびと」に書きました「はは大切」を少々強引ですが当てはめてみましょう。まず「母大切」=環境・仕組み、「歯は大切」=方法・知識・情報、「ハハ!大切」=楽しさ。このハハ!が仕組みを動かす、または続かせるエネルギーになるのだと思います。

 外国語レッスン、ウォーキング、読書などの自己研鑽、ダイエット等々、何においても継続のコツはハハ!楽しさでしょう。このハハ!楽しさは2通り考えられます。ひとつは上乗せ型楽しみ、水族館のイルカ同様、何か芸をしたらもらえる御褒美です。もうひとつは低床型、すなわちストレスやハードルを極力減らすやり方です。もちろん両方考慮すれば効果倍増間違いなし。昭和から続いているもののひとつに「お茶(裏千家)」があります。美味しい和菓子とお茶が頂けることは上乗せ型。お稽古のあと道具を片付けると(下手である)証拠が残らないことは低床型(笑)。

 天天收听、天天学習、天天笑!これは毎朝聴いている「ラジオ中国語」のなかで毎日(天天)繰り返されるフレーズです。毎日聴いて、毎日学習、毎日ニコニコ!やはり「やる気に頼るな、仕組みに頼れ」の仕組みづくりには「笑」が必須、是非「ハハ!たくさんの仕組みかな」に(笑)!

ハハ!大切