感動の白ワインーヒロシの酒部屋No.28

<感動の白ワイン>
2008 コート デュ ヴァントー ブラン

エクラ2008

2008年は厳しい年だったと聞いていたので、
その先入観もあって飲んでみたのですが、
一口含んで、驚きました。すばらしい!
日本に120本だけ入荷して、当店に48本。
2008年のイメージがまだ十分できているわけではありませんが、
このワインと同じエリアの違う生産者の赤を試した時、
焼ける様な暑さだったのかなという印象を持ちました。
もちろんそのワインもすばらしい造り手なので、
厳しい年なのに、とても良いものを造っていました。

このヴァントーの白の生産者ヴァンサンティー氏です。彼の畑にて。

畑に立つヴァンサンティー氏

試飲ルームにて。

試飲室にて

厳しい年には、良い造り手の真価が問われます。
しかし、この白はそれ以上の出来。
脱帽です。

ヒロシとは。過去の「ヒロシの酒部屋」はこちら(No.1-18)

ここまでやるか!ーヒロシの酒部屋No.27

尾鈴山蒸留所

ここをどこだと思われますか?
宮崎の焼酎蔵「尾鈴山蒸留所」の中です。
蔵の入り口から石段を降りてゆく雰囲気も老舗の旅館を思わせる佇まい。
自然の静寂の中に鳥のさえずりも響く。
ここの蔵の気持ちの余裕というか、懐の深さを感じます。

恥ずかしながら、10年振りぐらいの訪問でしたので、
黒木社長に改めて取り組む姿勢の実際の姿を全て
ご案内していただきました。
一番の驚きは、原料の芋、麦、米までも農業法人を立ち上げて、
自分達で賄っていこうとしている徹底した姿勢。
その農地の広さ、さらなる買い増しと、半端ではありません。

焼酎カスを肥料に、そして利用して農業、そしてその原料で焼酎を。
それに携わっている従業員の方々の充実した素直な心からの笑顔、優しさ。
あまりにも純粋な取り組みに圧倒され、
なんかワイン生産者を訪問している様な錯覚を覚えました。
それを社長に伝えると、してやったりの顔をしていました。

参りました。

ヒロシについて

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思い込みーヒロシの酒部屋No.26

<思い込み>
たまに、ワインを買いに来られたお客様で、
無添加のワインを下さいと言われる方がいます。
つまり、酸化防止剤(亜硫酸塩)を添加していないワインの事。

確かにそれを売りにしている
自然派ワインと言われるワインも存在します。

ただこの酸化防止剤というのは、瓶詰めの時だけ添加するのではなく、
土や樽熟の場合にも極少量添加します。
実際、ワインを抜栓した時、この極少量の亜硫酸は空気中に
飛び出してしまうので、全く問題もありません。

今日、たまたま寄った書店で立ち読みしていると
食べてはいけない添加物の中で、ワインの事が書かれてありました。
飲んで頭が痛くなるのは、その酸化防止剤のせいであると!
ワインを飲まない方が書いたのでしょう。

ワインで一番大事な事は、農薬や除草剤を使わない事です。
それは明らかに味に影響しますし、頭が痛くなる原因です。
シーザーの頃から根付いているワイン文化に対して
浅はかな日本人的発想を恥じるばかりです。

そればかりか、国産ワインの中には、無添加と書いていながら、
その中身は、農薬たっぷりのワインも存在します。
もちろん、ワインを伝えるプロ側にも問題があるし、
日本に輸入されているワインの中にもひどい味が多々あります。
食に関する問題で何を信用して良いか、わからない時代ですが、
本に書いてある事を鵜呑みにするのではなく、
せめてもの自分の舌を信用するか、そうでなければ、
信頼出来る店で買うべきでしょう。

ただ一つ言える事は、少なくとも無添加を意識するよりは、
自分がおいしいと感じるワインを飲む方が、
リラックスした楽しい食生活を過ごせるでしょうし、
楽しい人生でしょうし、
もしかしたら、長生きできるかもしれません。
グッドラック!

ヒロシについて

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湯布院ーヒロシの酒部屋No.25

<湯布院>
8月は、毎年、湯布院に行く事にしている。
そして、もし、「亀の井別荘」(絵1)に泊まれたら、
この上ない幸せであるが、今年は、遅かったにもかかわらず、
この経済状況のせいか、奇跡的に予約がとれた。

亀の井別荘

無理にお願いして、夕方5時、中庭でシャンパンをいただいた。
この中庭の空間は、食事前のアペリティフとしては、
最高の贅沢である。特に今回は、私達だけでこの中庭を独占したので
なおさら、心地良いひとときであった。
ただ、この宿の全体に感じる優しさを思えば、
もう少しアルコールに癒される優しさがほしい。
でも、また来年も訪れることになるでしょう。
湯布院の中でも異質な別世界の空間である。

ヒロシについて

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本物と嗜好ーヒロシの酒部屋No.24

<本物と嗜好>
本物の味を造っても人それぞれで好みが違うので、
全ての方が受け入れてくれるわけではない。
大事なのは、その方にとってうまいかどうかである。
しかし、物造りにとって、本物は真実である。
嗜好に左右されるものではない。
嗜好がはっきりされている方を満足させる必要もない。
造り手が、謙虚に構え、その蔵に見合ったまじめな造りをした結果、
賛同して下さる人が少しいてくれたら、十分だと思う。

絵1は、鹿児島川内の村尾酒造で、薩摩茶屋という
すばらしい芋焼酎を造っている蔵である。

村尾酒造

今期の薩摩茶屋は、ここ6年の味とは全く別物である。
まじめなきれいな味の流れの中に、骨太さとふくよかさがあり、
すばらしい出来である。

昨年、村尾さんに進言したが、求めていた味でもある。
今年7月にお伺いした時に、今年もこの味でいくと強く言われ、
うれしい限り。
でも前の味が好きな方もいる様ですよと言ったところ、
今までの軽い味はいつでも造れるし、
自分達もこの味が気に入っているので、
これからはぶれずにこの味でいきますとの事。

これが私にとっても、村尾さんにとっても本物の味という事である。

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良い物を選ぶ基準ーヒロシの酒部屋No.23

<良い物を選ぶ基準>
たとえば、ワインの輸入業者の(株)稲葉であれば、
稲葉社長がその基準をしっかりと持っているので、
まじめな味を選ぶ防波堤になっている。
まじめな味とは、良い造り手と良い状態という事。
最低、その条件をクリアすれば、まずはずれはない。

稲葉社長はだれ?

もちろん、それから先が、手強いワインとの格闘なのだが、
その最低ラインをも理解していないインポーター、
酒屋、業務店が大多数を占める。

また、焼酎においても、まじめな味とは、
香りと含んだ時の味が同じで、後は余韻まできれいに流れていく事。
後は、うまみを十分残した仕上げと個性が加われば、パーフェクト。

ただ焼酎(蒸留酒)の場合、原酒を飲む事によって、
造りの良し悪しはわかる。
醸造酒に比べたら、良い物がわかりやすいかも知れない。

ただ、いろんなアルコールに触れてきて感じるのは、
アルコールが強いという事より、アルコール度に強い事は、
相対的に蒸留酒と醸造酒を体系化できる強みがある様に思う。
たとえば、ワインを選ぶ時、好みの焼酎の銘柄を聞けば、
レベルとスタイルからワインの好みが見えてくる。
逆に、ワインは好きだけど、焼酎は飲まない、強い蒸留酒は苦手という
レストランのシェフに食後酒のグラッパを選ばせると、
アルコール臭が強いきれいな味を選ぶ。

良い蒸留酒と良い醸造酒は、同じ味の流れがあります。
われわれの仕事において、
良い味(まじめな)の物を選ぶ基準を持つ事は、
とても大事であると思います。

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育ったワインーヒロシの酒部屋No.22

1999 シャトー ポタンサック

1999 シャトー ポタンサック
2003年3月に仕入れたメドックの赤ワイン。
そろそろどうかなと思い、先日飲んでみたところ・・。
抜栓し、コルクも良い状態で、グラスに注ぐ。
ボリュームを感じるふくよかな香り!
一口、口に含み、口の中で遊ぶ。
すばらしい!その上、まだまだいける!

このドロン家のワインは、レオヴィル ラスカーズもそうであるが、
とてもきめの細かい味筋で、懐を感じさせてくれる。
でも若い内に飲むと、きれいであたかも飲みやすいと感じる方が多い。
実際は、手強いワインで、わかって下さる方は非常に少ない。
このポタンサックもラスカーズも以前、訪問した事があるが、
有名であるにもかかわらず、対応はとても丁寧で、
姿勢も謙虚でとてもいい印象を持っている。
だからこそ、これだけのワインを造っているのだろう!

カベルネ系のワインとしては違う性格を持っているが、
特にラスカーズは、このエリアのワインとしては、
最後に到達したい味わいである。
しかし、この99のポタンサックは誰にでも売りたくない。
本来の味が出てくるまで待って、活かして売ろうとすると
もったいなくなって、
ほんとに感じていただける方にだけ売りたくなってしまう。
すでに酒屋ではない。親の気分である。

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素材と職人ー酒部屋No.21

「素材と職人」

今日(8/6)は、お昼からちょっと外で珈琲が飲みたくて、

お客様からお薦めいただいた珈琲屋さんに寄ってみました。

ケーキも手造りと聞いていたので!

雰囲気も良くて、珈琲もまずまずでケーキに手をつけたところ、甘い!

いつまでも残る甘さ!

珈琲が二杯必要かなと家内と言いつつ、喉の乾きが止まりませんでした。

口直しに、近くにおいしいパン屋「アーリア」があるので

寄ってバケットやクリームパンなどを買って帰りました。

家に帰って一息ついてから、クリームパンを食べてみたところ、うまい!

生地もまたうまい!ハッとする様なうまさでした。

たまに食べる「地球畑」のクリームパンもとても良い方だと思いますが、

やはりプロが造るパンは違うなと感じました。

「アーリア」のバケットは定評があり私もお客様にお薦めしていますが、

それ以外をいただいたのは初めてだったので、さすがでした。

素材の良いものを使って試行錯誤して素人的に自然に造るのも

普通のパン屋さんに比べるとはるかにうまいと思いますが、

「アーリア」の様に本物の厳しい修行をした上で

まじめな取り組みをされると、かなわないなと正直思いました。

結論として、アーリアのパンを買って自宅で美美の珈琲豆でいただくのが

至福のひと時であろうと結論付けました。

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