予防 2.0-001-0822
予防 2.0=よぼうニーテンゼロと読みます。
2.0を語尾に付けたのは、今までの「予防」とは考え方が異なるためです。
新予防考とでも言いましょうか、従来の予防とは違う考え方を展開していきます。
まず「予防」を広辞苑で引くと
「悪い事態がおこらないように前もってそれをふせぐこと。
「火災予防」」とあります。
新明解で引くと『病気・災害などを前もって防ぐこと。
「予防注射・火災予防」』とこれまた載っています。
「予防注射」の例でお分かりのように、
注射する時点では病気ではありません、健康です。
「火災予防」でも然り、予防の時点では火災は発生していません。
消火器はあくまでも、発生した火災が大きくならないようにするための道具であり、
消火器が手元に有れば、火災が発生しないというものではありません。
「ムシ歯予防」「歯科予防」の「予防」を再考して頂きたいのです。
臨床においては、恐らく多くの場合が「予防」ではなく、悪化防止なのです。
歯科の場合、日常生活に困るか困らないかが来院行動の判断の第一歩です。
「日常生活に困らない=健康」ではありません。
来院時にハグキが少し腫れている、ハグキが赤い、これらはしっかり病気です。
ご本人(患者さん)に自覚症状が無い、日常生活に困らない、でも
ムシ歯やシソーノーロー(歯周病)は発症していることが多く見受けられます。
遠回りしたことを書きましたが、
「ムシ歯予防」「歯周病予防」という言葉は、
あなたは「今、健康だけど予防した方がいいですよ」という
意味合い、メッセージを与えてしまう気がするのです。
すると、言われた方(患者さん、来院者)は、健康だから必要ないわ、
必要性は否定しないけど、今は必要ないわ、時間がある時にでも電話するわ・・。
お分かりでしょう。
歯科予防という言葉自体が歯科予防を阻害するひとつの要因になっているような
気がしてならないのです。