BBTime 437 鰯の頭も!

BBTime 437 鰯の頭も!
「街の雨鶯餅がもう出たか」富安風生

「美しき冷えをうぐいす餅といふ 岡本眸」・・『和菓子は美しい。食べるには惜しいと思うことすらある。作者の師である富安風生に「街の雨鴬餅がもう出たか」という有名な句があるが、味わいたいという気持ちよりも、その美しさが春待つ心に通い合っている。この名句がある以上、風生門としてはめったな鴬餅の句はつくれないという気持ちになるだろう。つくるのであれば、満を持した気合いのもとにつくるのでなければならない。で、この句は、見事に師のレベルに呼応していると見た。単なる美しさを越えて、美を体感的にとらえたところで、あるいは師を凌駕しているとも言えるだろう。野球に例えれば、師弟で決めた鮮やかなヒットエンドランというところか。それにしても、「鴬餅」とは名づけて妙だ。名前自体が春を呼び込んでいる。そんなこともあって、たまに私のような酒飲みでも食べてみたくなることがある。森澄雄の句に「うぐひす餅食ふやをみなをまじへずに」とある。『母系』(1983)所収。(清水哲男)』(出典はこちら)。

この季節、和菓子屋に並ぶのが「鶯餅」と「桜餅」。重箱の隅をつつくようですが、小生どうしても「鶯餅」と鳥の「ウグイス」が重なりませんでした・・が、鶯餅の本家を知って合点!本家は上の二つの画像のように薄緑色ではなく「黄な粉色」です。

これがウグイス・・どう見ても薄緑色ではありません。結論から言うと「ウグイス」と「メジロ」がごっちゃになっているようです。さすが本家は違います(色も忠実)!それもそのはず・・『天正年間(1580年代)の頃、大和郡山(現在の奈良県大和郡山市)の郡山城の城主であった豊臣秀長が兄の豊臣秀吉を招いた茶会を開く際に「珍菓を造れ」と命じ、御用菓子司であった菊屋治兵衛が餅をつくり献上した。秀吉はその餅を大いに気に入り「以来この餅を鶯餅と名付けよ」と菓銘を下賜した。時代を経てこの餅はお城の口餅と通称がつけられるようになったがこれは菊屋が城の入り口近くに店を構えているためであり、現在も同じ場所に店が存在している。現代ではもち粉から餅を作り、うぐいす粉をまぶすのが一般的となっているが、菊屋では餅米から餅をついて作り普通の色のきな粉をまぶしている』(Wikipedia)。因みに本家とは「本家菊屋」の「御城之口餅」です。こちらもご参照のほど「BBTime321 甘い歯」。長い枕となりました(笑)今回も歯磨き粉についてのお話。

ご存じのように「鰯の頭も信心から」とは『一旦信じてしまえば、どんなものでもありがたく思えるということ。江戸期、節分に鬼除けのため、玄関先に鰯の頭を吊るす習慣があり、それに由来するという説が有力』(出典はこちら)。「BBTime435 ハミガキ」「BBTime436 タツブラシ」にも書きました・・何度でも書きます、言います!歯磨き粉は「フッ化物」以外は、ほぼムシ歯予防には効果なしの成分内容です。ではなぜ歯磨き粉を使うのか?・・理由はまさしく「鰯の頭も」です。極端な表現ですが、今となっては「意味のない習慣」なんです・・意味の無いは言い過ぎですね(笑)歯磨き粉使用は「さほど価値のない習慣」なんです。

質問1)皆さんは何の為に「洗剤」を使われますか?
石鹸で手洗い、食器用で皿洗い、洗濯洗剤で洗濯、シャンプーで髪、洗顔石鹸で顔・・毎日どこかで何かを「洗剤」を使って洗っていらっしゃると思います。さて何を洗おうと(取り除こうと)されているのですか?・・あるブログを見つけました、ハウスクリーニング会社のサイトです。

「なぜ汚れを落とすのに洗剤を使うの?」このページは非常に興味深い内容です。抜粋引用します・・『アナタに質問します。「汚れを落とすためになぜ洗剤を使うのでしょう?」アナタはこんな風に思ってませんか?「そりゃ、洗剤が汚れを落とすからでしょ?」そう、そう誤解されても無理ありません』『これから説明していく ❝汚れ❞ はキッチンの油汚れ、と限定して説明していきます。誰もがイメージしやすくて説明しやすいからです。『なぜ汚れを落とすのに洗剤を使うのか?』それは、冷たい水やお湯の水の洗浄力で汚れを流し落としやすくするために洗剤の力を使うのです』『洗剤は(食器や調理器具など)対象物の油汚れの表面に洗剤の界面活性剤に吸着して対象物から汚れを浮かせ分離させて剥がし落とす助けをする洗い流す前の補助的な役割をする液体または固体の洗浄液です。要は、洗剤自体そのものが直接汚れを落とすのではないということです』(出典はこちら)。

また別ページ「どうして洗剤で汚れが落とせるの?」には『様々なものから汚れを取り除く力を持つのは、水の洗浄力。洗剤はあくまで汚れを落としやすくするためのお膳立てをしてくれる、いわばサポート役』(引用元)とあります。お読みになった方はお分かりのように、洗剤で落とそうとする汚れは「油汚れ」であり、基本的な洗浄作用は「水(もしくはお湯)」なんです。

質問2)口の中の「油汚れ」って?
トンカツ・唐揚げ・天ぷら・・などを食べたら口の中は油で汚れますか?歯が油でヌルヌルのままですか?・・そんなことないと思いますよ、水やお茶を飲んだらほぼ口の中はスッキリするのでは。もともと常時、歯の表面や口の中(粘膜)は唾液で濡れてますから、油がしつこく付着することは考えにくいのです。すなわち口の中や歯の表面に油汚れは残りません。前回「タツブラシ」に書いたように、歯に残る(存在する)汚れは「バイオフィルム」だけです。つまり口の中の落とすべき汚れは「バイオフィルム」のみです。例えれば海水浴後のシャワー・・海水でべっとり付いた砂を落とすのに、ボディ石鹸を使いますか?水だけで丁寧に洗えば砂は落ちますよね。

前々回「ハミガキ」にアップしたように、約百年前の第一次世界大戦(1914-1918)頃からアメリカで「歯磨き粉を使って歯を磨く」ことが習慣となってきました。恐らくその後「歯ブラシと歯磨き粉で歯を磨く」が、日本に伝わり日本人も真似したのでしょう。くどいようですが当時の歯磨き粉には研磨作用(磨き砂)による「歯を白くする」「歯についた着色を落とす」効果は少しはあったかもしれませんが、バイオフィルムを除去する効果はゼロです。同様に「今も」ゼロです。バイオフィルムは物理的除去(歯の表面をブラシなどでこする・磨く)でしか取り除くことはできません。歯磨き粉の化学的作用は皆無です。

バイオフィルムは1987年に命名されました(出典)。その後、歯科においてもバイオフィルムの研究が急速に進んでいます。ペプソデントから約100年経った今、ムシ歯や歯周病の原因はバイオフィルムであると(ほぼ)全ての歯科医師は知っています・・が、多くの人々は今だに失礼な言い方ですが「ほぼ効き目のない」歯磨き粉を「信じて有り難く」毎日使われているのです。ハンドクリームやフェイスクリームをつけてすぐ洗い流しますか?歯磨き粉はどうでしょう・・いろいろな薬効成分の表示があっても、すぐに洗い流して、口から吐き出して、効き目はいかほどでしょうか?すぐ吐き出すものにお金を掛けるとは勿体無い話と思われませんか?

歯磨き粉を使うなとは申しません・・しかし、高価な歯磨き粉は無意味(コストパフォーマンスが悪い)です。どうせ買うなら、質の良い歯ブラシを複数本買って、いつでもどこでも「唾液磨き」可能にされた方がベターです・・以上長々と個人的意見として書きました。次に買われる時の一助となれば幸いです。

補足をひとつ。お茶やコーヒー、ワインなどによる着色を取るには「歯磨き粉」が必要です。注意して欲しいのは「歯が白くなる」「美白効果あり」などを謳っている歯磨き粉の中には「研磨作用(磨き粉)」が強すぎるものがあります。すなわち歯の表面を傷つけてしまう歯磨き粉があります、ご注意ください。歯磨き粉を使わないと落ち着かない方は、まず唾液のみでじっくり磨いて、最後にほんの少し(大豆の大きさ位)ご使用ください。ではご自愛の程、ご歯愛の程。1750



おまけ:先日「タツブラシ」愛用の方からコメントを頂きました。「(磨く際に)あまり力が加わらないので、毛先が開かず長持ちします」とのこと。小生の使用経験でもゆうに三ヶ月は充分持ちます。タツブラシ・・自信持ってオススメします。

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