BBTime 493 ブラシラブ・掃除
「数へ日の素うどんに身のあたたまり」能村登四郎
解説には『季語は「数へ日」で冬。日数の残りも少ない年末のこと。感覚的には、まだ少し早いかもしれない。が、あらためて壁のカレンダーをを見ると、今年もあと三週間しか残していない。これからは何かと慌ただしく、一瀉千里で今年も暮れていくのだ。忙しいということもあるが、そんな思いのなかでの独りの外食は、見た目にデコラティブな料理よりも、シンプルの極みたいなものがしっくりと来る。「素うどん」などは、その典型だ。とりあえずの「身のあたたまり」ではあるだろう。が、もう少し「素うどん」を敢えて句にした作者の実感に迫っておけば、シンプルな食べ物からしか受けることのできない恩寵に、ひとりでに感謝する響きが込められている。おかげで「身」も暖かくなった。そして、心の内もまた……。年末の多忙は、多く整理の多忙だ。来る年を迎えるために、身辺も心の内もさっぱりとしておきたい。その気持ちが、たとえば「素うどん」の「素」にすんなりとつながっていく。そういうことだと掲句を読み、今日はどこかの立ち食いの店で「素うどん」を食べたくなった。それも「七味」ではなく「一味唐辛子」を、さっと振りかけて。『人間頌歌』(1990)所収。(清水哲男)』(解説より)。年末に付き物の「掃除」についてのお話。
無印良品の本「掃除」を手にしました。2ページ目に「気持ちいいのはなぜだろう。」の一言。掃除を「掃く」SWEEP、「払う」DUST、「吹き飛ばす」BLOW、「はたく」BEAT、「洗う」WASH、「拭く」WIPE、「ならす」SMOOTH、「かく」RAKE、「ととのえる」GROOM、「清める」PURIFY、「磨く」SCRUB、「剥がす」SCRAPE、「消す」DELETE、「すくう」SCOOP、「除く」REMOVE、「片付ける」CLEAR、に分けて掃除は進みます(こちらもご参照の程)。
最後にエッセイ「気持ちいいのはなぜだろう。」が、17か国語で載せてあります。おそらく取材先が17か国に及んだのでしょう。抜粋にて紹介します・・『自然に対してヒトがなした環境を「人工」といいます。人工は心地がいいはずなのですが、プラスチックやコンクリートのように自然を侵食する素材が蔓延してくると、ヒトは自然を恋しがるようになります』・『したがって、自然をほどほどに受け入れつつ、適度に排除しながらヒトは暮らしてきたのでしょう』・『まるで、打ち寄せる波が砂浜を洗う渚のように、人為と自然がせめぎ合う「ほどほどの心地よさ」を探し当てること、それが「掃除」の極意なのかもしれません』・・『この先の未来においてどんなに技術が進んでも、ヒトは生き物。身体の奥底に響き続ける生のリズムがあります。ここに耳をすませていきたいものです』(一部抜粋)。
エッセイ文中の「人為と自然がせめぎ合う「ほどほどの心地よさ」を探し当てること、それが「掃除」の極意なのかも」・・つながりました・・「ひとつのものに流れる幾層もの時間と、機能だけでは語り尽くせない“作用”に耳を澄ますことが豊かさではないか」これは前回「ブラシラブ・作用」で紹介した文章です。
時に猫がヒトの視線も気にせずにグルーミングしています。所詮、ヒトも生き物(動物)、頭の奥底に「キレイにすることの心地良さ」がしっかり記憶されているのでしょう。歯磨きの極意もココに有り! 皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。
SweetsLove,TeethLove,BrushLove! 0030
追加:素うどんといえば・・素うどんのようなパスタがあります・・スフォリーノのパスタです。東京文京区と鹿児島市で食べられます。詳しくは「スフォリーノ」を。@sfoglinoyoshimoto
今年の口の大掃除には「ブラシラブ」を!日頃の掃除にも!年内に発売開始します。