BBTime 656 オレンジページ

「くちびるに夏欲しければ新茶飲む」小迫倫子

2024/05/17 投稿
前回投稿から三週間ほど空いてしまいました!まずは句の解説から『載せようか、載せまいか。何日か思い悩む句がある。偉そうにしているわけではないけれど、私なりの評価が定まらないからだ。この句も、そのひとつ。若々しく新しい感覚ではある。だが、どこか私にはいぶかしい。それは「新茶飲む」という表現のせいだ。これまでの句では、茶は「汲む」ものであり「喫する」ものでありと、「飲む」というストレートな言い方はゼロに近かった。茶には「飲む」だけでは伝わらない風合いがあるので、多くの俳人はあえて婉曲的な表現を選んできたのだろう。そんななかで、作者はずばり「飲む」と詠んでいる。ミルクやジュースと同じ「飲み方」をしている。そういうふうに読める。おそらくは、このあたりの表現法が今後の俳句の大問題になるはずで、当サイトの読者はどうお考えになるだろうか。「喫茶」という言葉が持つ色気を追放したときに、どんな新しい風が吹いてくるのか。私にも、大いに興味がある。その意味で、この作品は重要だと考え紹介することにした。小迫さんは1969年生まれ。『21世紀俳句ガイダンス』(現代俳句協会)所載。(清水哲男)』(出典元)。今回は、空いた三週間の間にアップしたブログのご紹介(言い訳です)。BBTime 655「シンブログ」でご案内の通り雑誌オレンジページネット版に先月から投稿しております。

No.001「くう」001:惜春のバタークッキー
「BONJOUR KUCHIBUE の BUTTER COOKIES」

No.002 「あそぶ」001:バウハウスのポスター

オリジナルはこちら

No.003「くう」002:河内晩柑(かわちばんかん)

オリジナルはこちら

No.004「くう」003:日本一の豆腐

オリジナルはこちら

と言うことで言い訳がましくアップしました、ご容赦のほど。では皆さん、ご自愛の程ご歯愛の程。


BBTime 654 アースデイ

「あんぱんの葡萄の臍や春惜しむ」三好達治

2024/04/22本日アースデイ、当ブログの誕生日(1999/4/22)
4/25新連載スタートしました!こちらです
そうなんです、25年前のアースデイに拙ブログ「connote:カノート」はスタートしました。いつの間にか四半世紀経ちました、驚きです。句の解説『陰暦の歳時記では四月はもう夏だけれど、ここでは陽暦でしばし春に足をとどめて春を惜しんでみたい。三好達治という詩人とあんぱんの取り合わせには、意外性があってびっくりである。しかも、ポチリと付いているあんぱんの臍としての一粒の葡萄に、近視眼的にこだわって春を惜しんでいるのだから愉快。達治の有名な詩「春の岬」は「春の岬 旅のをはりの鴎どり/浮きつつ遠くなりにけるかも」と、詩というよりも短歌だが、鴎への洋々とした視点から一転して、卑近なあんぱんの臍を対比してみるのも一興。行く春を惜しむだけでなく、あんぱんの臍である一粒の葡萄を食べてしまうのが惜しくて、最後まで残しておく?ーそんな気持ちは、食いしん坊さんにはよく理解できると思う。妙な話だけれど、達治はつぶあんとこしあんのどちらが好きだったのだろうか。これは味覚にとって大事な問題である。私も近頃時々あんぱんを買って食べるけれど、断然つぶあん。その懐かしさとおいしさが何とも言えない。いつだったか、ある句会で「ふるさとは梅にうぐひす時々あんぱん」という句に出会った。作者は忘れてしまったが、気に入った。達治は大正末期に詩に熱中するまでは、俳句に専心していたという。戦後は文壇俳句会にも参加していたし、「路上百句」という句業も残している。「干竿の上に海みる蛙かな」という句など、彼の詩とは別な意味での「俳」の味わいが感じられる。『文人俳句歳時記』(1969)所収。(八木忠栄)』(引用元)。今回は「春惜しむ」というよりクッキーの残り香について。

クッキーを頂きました。BONJOUR KUCHIBUE (坂田阿希子氏)のバタークッキー。缶を開けた途端にフワッと立ちのぼるバターの香、しっかり充分吸い込んでから包みを開けると、そこには整然とクッキーが並んでいます。

添えられたカードに「ザクっとした歯触りの後に、サクサク、ホロホロと軽やかにこぼれ落ちてバターの香りが広がる。発酵バターと2種類の砂糖、卵に小麦粉、主な原材料はこれだけです。だからこそ、その配合や素材のよさが美味しさを作ります」と。食べてみるとわかります、がそれだけではありません。坂田さんの「思い」も入ってます。ザクっサクサクホロホロそしてニッコリ!

「B」つながりで、福岡市「珈琲美美:びみ」のこれまたBブレンドが好相性です。オンラインで取り寄せ可能なようです。インスタグラム:@BONJOURKUCHIBUE2022 

鹿児島市は今日(4/22)も曇り、昨日は結構な雨でした。今年の春は天候不順で市内の花見処はイマイチだったように聞いています。ここ数年、春や秋が短い、春や秋が無くなった?などの声も。四季が二季になっていくのでしょうか。その昔、春が来て梅雨が来て初夏、盛夏でした。いつしか春、初夏、梅雨、盛夏。ひょっとすると、今年は短い春、梅雨、盛夏となるのではと、アースデイにふと考えるのでした。

では皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。
「クッキーの残り香噛んで春惜しむ」カルノ

BBTime 639 Sweets for 介護

「数へ日の素うどんに身のあたたまり」能村登四郎

2023/12/09投稿
 早いもので今年も残り三週間、まさに「看看臘月尽:みよみよろうげつつく」。まずは句の解説から『季語は「数へ日」で冬。日数の残りも少ない年末のこと。感覚的には、まだ少し早いかもしれない。が、あらためて壁のカレンダーをを見ると、今年もあと三週間しか残していない。これからは何かと慌ただしく、一瀉千里で今年も暮れていくのだ。忙しいということもあるが、そんな思いのなかでの独りの外食は、見た目にデコラティブな料理よりも、シンプルの極みたいなものがしっくりと来る。「素うどん」などは、その典型だ。とりあえずの「身のあたたまり」ではあるだろう。が、もう少し「素うどん」を敢えて句にした作者の実感に迫っておけば、シンプルな食べ物からしか受けることのできない恩寵に、ひとりでに感謝する響きが込められている。おかげで「身」も暖かくなった。そして、心の内もまた……。年末の多忙は、多く整理の多忙だ。来る年を迎えるために、身辺も心の内もさっぱりとしておきたい。その気持ちが、たとえば「素うどん」の「素」にすんなりとつながっていく。そういうことだと掲句を読み、今日はどこかの立ち食いの店で「素うどん」を食べたくなった。それも「七味」ではなく「一味唐辛子」を、さっと振りかけて。『人間頌歌』(1990)所収。(清水哲男)』(解説より)。前回「Music for 介護」の続編です。

太宰府梅園の干菓子(ひがし)「よろつよ」。「Music for 介護」の通り、現在訪問診療中に音楽を流しております。その方(治療やケアの対象者)とコミニュケーション可能ならばリクエストにお応えします、困難な場合は師走ですので洋楽クリスマスソングを流します。今まで断られたことはありません、好評です。ケアの途中で口ずさむ方、頷くようにリズムを取る方など様々。その方が聞こえづらい場合も音楽をかけます。音楽があると従事者(こちら側)もスムーズに施術が進みます。スマホがあれば可能ですので、是非トライしてみてください。そこで(調子に乗って)次なる試みが「sweets:スイーツ」!

梅園の「宝満山:ほうまんざん」。ある訪問先でのこと。居宅(ご自宅)訪問、九十代半ばのお母さんを娘さんがみていらっしゃる。私たちが行くと、それぞれ(相手に対する)不満や愚痴を苦笑をまじえて話されます。聞きながら思います「それぞれにストレスが溜まっている?」そこで一案!そうだ「お菓子だ」「スイーツだ」。帰りしな飲み物など頂きますので、まずは日頃の御礼ですと「よろつよ」をお渡しました。よろつよを口にお茶を飲みながら、少しでもお二人のストレス減少できるのでは、が狙いです。

これは「うその餅」。「美味しいを守る」に書いておりますように「おやつの宅配!月に一度、オススメの和菓子もしくはスイーツをお届けし歯磨きがおまけで付きます。お菓子の持つ「甘い力」によって、御本人のみならず介護をする方のストレスも軽減できること請け合い」のようなシステムを考えております。口腔ケアがゴールではなく、その一歩先の「美味しい」まで届ける、いかがでしょうか。では皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。

BBTime 611 加糖菓子

「山笑ふみづうみ笑ひ返しけり」大串 章

2023/04/01投稿
樫舎(かしや・奈良市)の薯蕷饅頭です。まず句の解説から『春爛漫の風景句。たしかキャンディーズに「ほほえみ返し」という歌があったが、これはまたスケールの大きい「ほほえみ返し」だ。トリビアルで巧緻な仕組みの句もよいけれど、このように風景を大づかみにした作品も面白い。なによりも、読者としてはホッとさせられるところが心地よい。何事につけセコセコした世の中で、スケールの大きい句をつくることは非常に難しいと思うが、大串章はそれをいとも簡単な感じで作品化している。無技巧と見えるが、やはり長年技巧の波をかぶってきた作者ならではの境地の表出だろう。素人には、つくれそうでつくれない。プロの腕前と言うべきか。ちなみに「山笑ふ」は「春山淡冶にして笑ふが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧ふが如く、冬山惨淡として眠るが如し」(臥遊録)から、春の季題となった。『百鳥』(1991)所収。(清水哲男)』(引用元)。前回の「無糖飲料」の次は「加糖菓子がムシ歯予防につながる」というコジツケ理論です(微笑)。

樫舎のきんとん「春霞」。樫舎のご主人はおっしゃいます、「和菓子屋(菓子職人)は素材の味を引き出すだけで、材料に「加水」「加熱」「加糖」するだけ」とのこと。おやつ堂の話をしたところ怪訝そうな顔で「お菓子はムシ歯の原因でしょう?和菓子とムシ歯予防とは相反するのでは?」。和菓子屋さんのみならず、洋菓子屋さんやパン屋さんも同じ反応です。確かに砂糖はムシ歯の原因です。しかし、今の食生活から砂糖をゼロにすることは不可能です。もっと言うなら「歯は、ムシ歯にしないためにあるのではなく、味わうためにあるのです」。大袈裟かも知れませんが「美味しい」は喜びの半分以上を占めるのではないでしょうか。

哲心(てっしん・宮崎市)のフィナンシェ。ひと口目で上品さを感じ、ふた口目で質の良さを感じ、食べ終えた後は舌が余韻を楽しんでいます。添えてある紙に「なんでもない日を口福に」とあります。これなんです!口福を感じた時に「歯や口が有るから美味しいんだ」と思って欲しいのです。

美味しい菓子を食べる→口福を感じる→歯や口の健康に感謝する→予防に思いを馳せる→予防の実践。風が吹けば桶屋が・・のような理論展開ですが、これこそ真理ではないかと思います。

丸一(とんかつ・鹿児島市)店内に掲げてあります。和菓子でもとんかつでも蕎麦でも洋菓子でも「美味しい!」と舌鼓を打った時に、ほんの少しでいいですから歯や口に感謝して頂き、予防に思いを馳せてくださると嬉しく思います。ではでは皆様、ご歯愛の程、今日もおやつどう(堂)ですか?

https://youtu.be/uvBatbOfuHU

BBTime 609 ドーナツの穴

「そんなことよく思ひつく春の水」岡田史乃

2023/03/23投稿
先月、天皇誕生日に誕生して1ヶ月経ちました。その間、飲み物はそんなバナナジュース、コーヒー、抹茶と増え、来月四月からワイン提供開始です。おやつは順次提供しておりますが、常時並ぶスイーツ(定番スイーツ)第1号として近々ドーナツが登場します。ドーナツの前に句の解説を!『さて、「そんなこと」とは、どんなことなのか。「そんなこと」は、書いてないのでわからない。 わかることは、「そんなこと」が「そんな馬鹿なこと、どうでもよいこと」に近い中身であろうということだけ。もしも「そんなこと」が、心より賛嘆すべき内容を持っていたとしたら、「春の水」と照応させたりはしないはずだ。水温む候、作者の機嫌はすこぶるよろしく、「そんなこと」にも立腹せずに微笑して応えている。また、あなたの馬鹿話がはじまった。それにしても、次から次へと、よく「そんなこと」を思いつく人であることよ。わずらわしい時もあるけれど、今日はむしろ楽しい感じだ。目の前には、豊かな春の日差しを受けてキラキラと輝く水が流れている。全て世は事もなし。束の間ではあるかもしれないが、至福の時なのだ。』(解説より抜粋)。さて、ドーナツの歴史・由来はドーナッてるの?

その名もズバリ、本「おやつ」のトップバッターが村上春樹氏の「ドーナッツ」。以下引用『ところでドーナッツの穴はいつ誰が発明したかご存じですか? 知らないでしょう。僕は知っています。ドーナッツの穴が初めて世界に登場したのは1847年のことで、場所はアメリカのメイン州のキャムデンという小さな町。とあるベイカリーで、ハンソン・グレゴリーという15際の少年が見習いとして働いていました。』(文庫本より引用)。読んでいくと『ちゃんとした本に載っていたから本当の話みたいだ。』とあります。ネット検索すると諸説あるようですが、小生はこのハンソン君説を信じます。そんなことならぬ、スゴイことを思い付いてくれたハンソン君に拍手喝采!!

ちなみにドーナッツとは文字通りドウ+ナッツ。ドウ(dough:ドー)とは生地(きじ)、ナッツは木の実(nuts:ナッツ、くるみ)。こちらをご参照の程。おやつ堂のドーナツは、奈良市のフロレスタのドーナツです。詳しくは動画を見て頂いた方が良いと思います(スクロールにてご覧できます)。おやつ堂に近々登場する、フロレスタのネイチャーを、是非ご賞味ください。

これもドーナツに似ていますが、歯間ブラシです。クラプロックスの歯間ブラシ、おすすめです。では皆さま、ご歯愛の程、今日もおやつどう(堂)ですか?

BBTime 608 おやつその1

「両の手に桃とさくらや草の餅」松尾芭蕉

2023/03/14投稿 3/16 BBTime607追加
句から少々外れますが近い経験があります。数年前春に墨田区向島「言問団子:ことといだんご」に初訪問時、店内で団子に舌鼓を打ちつつ、ふと外に目をやると・・なんと「長命寺桜もち」の看板が!そうなんです、言問団子と長命寺の桜餅はまさに目と鼻。目の前の皿に「桃と草餅」(実際は小豆餡・白餡・みそ餡)、その後すぐに「桜餅」・・至福の時でした。句の解説は『季語は「桃(の花)」と「さくら(桜)」と「草(の)餅」とで、春。彩り豊かな楽しい句だ。この句は芭蕉が『おくのほそ道』の旅で江戸を後にしてから、二年七ヶ月ぶりに関西から江戸に戻り、日本橋橘町の借家で暮らしていたときのものと思われる。元禄五年(1692年)。この家には、桃の木と桜の木があった。折しも花開いた桃と桜を眺めながら、芭蕉は「草の餅」を食べている。「両の手に」は「両側に」の意でもあるが、また本当に両手に桃と桜を持っているかのようでもあり、なんともゴージャスな気分だよと、センセイはご機嫌だ。句のみからの解釈ではこうなるけれど、この句には「富花月。草庵に桃櫻あり。門人にキ角嵐雪あり」という前書がある。「富花月」は「かげつにとむ」と読み、風流に満ち足りているということだ。「キ角嵐雪」は、古くからの弟子である宝井基角と服部嵐雪を指していて、つまり掲句はこの二人の門人を誉れと持ち上げ、称揚しているわけだ。当の二人にとってはなんともこそばゆいような一句であったろうが、ここからうかがえるのは、孤独の人というイメージとはまた別の芭蕉の顔だろう。』(解説より抜粋)。開店後約三週間経った「おやつ堂」のおやつについて。

まずプレオープン(天皇誕生日2/23)に登場したのが、宮崎市「わらべ」のチーズ饅頭。今や宮崎のみならず南九州を代表するお菓子となってます。昔むかし「使っていらっしゃるチーズは?」と質問したところ、次のようなお話でした・・「チーズは植物性のものです。菓子材料会社から提案のあった素材を、(わらべの店主含む)四人の菓子店主勉強会でカタチにしたのが「チーズ饅頭」です。」ということで、昔々いち日で四軒食べ比べをしました(詳しくはこちら)。結果、金メダルならぬプラチナメダルであったのが「わらべ」でした。その味は今なお健在!さすがです。

鹿児島市パニスのシュトレンショコラ。これまた感動の味でした。パニスのインスタグラムはこちら、毎日売り切れ必至の人気店。11:30の開店前に並ぶも良し。

鎌倉紅谷の「クルミッ子」切り落とし。もちろん「クルミッ子」も秀逸ですが、味もコスパも素晴らしいのが、この切り落とし。ネットで買えますが熾烈な戦いです。落ち着いた甘さゆえ、コーヒーのみならず「おやつ堂」主力商品そんなバナナジュースにも好相性。おやつ堂おやつは全て取り寄せのため週ごとに替ります。その日のおやつはインスタグラムでご紹介しております、ご確認のほど。では皆様、ご歯愛の程、おやつどう?

締めの画像は「長命寺桜もち」。ではでは

BBTime 575 おやつどう?

「杏あまそうな人は睡むそうな」室生犀星

2022/5/23投稿 5/24追加
句は「あんずあまそうな人はねむそうな」。解説には・『東野集』(昭三四)所収。詩人・小説家の犀星は、少年時代まず俳句を学び、やがて詩作に没頭したが、親友芥川龍之介の影響で再び俳句に復帰、芭蕉、凡兆、丈草ら蕉門の句に傾倒した。「鯛の骨たたみにひらふ夜寒かな」「ゆきふるといひしばかりのひとしづか」など古格の句が有名だが、熟した杏の感触をみごとにとらえた右の句にただよう官能性もまた、犀星ならではの世界である・(大岡信 新編折々のうた71頁より)。今回は「おやつ」の持つ官能性に敬意を表しつつ「おやつどう?」の「おやつ堂」について。

拙ブログをお読みの方はご存じかもしれませんが、ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」計画進行中です。二段階で進めます。まずは再来月7月より既存カフェに居候(いそうろう)して「極旨バナナジュース」を提供します(近づきましたらインスタグラムでお知らせ)。そうして年明けに場所を借りて「おやつ堂」ひとり立ちです!

メインメニュー「極旨バナナジュース」は試作レシピが七十を優に超え、現在のレシピはNo.082!(偶然にも082=おやつ)材料はバナナ・牛乳・秘密の液で無加糖無加水です。「秘密の液」って何?・・企業秘密です。天然果汁とだけお答えします。砂糖ゼロでムシ歯リスクもゼロ!

画像は「サヴール」のバターケーキ。おやつ堂の発想は・・ある時ふと「入店前と食事後店を出る時に、体重が1グラムたりとも増えない食堂があったなら、味そこそこでも流行るんじゃない?」と。・・現実的には無理ですが、同時に・・いや待てよ。歯に関しては可能なんじゃないかと考えました。そうです、歯に関しては可能なんです!入店前と同等、いな入店前よりもキレイな歯になって店を出ることは可能で、それが「おやつ堂」です。仕組みは非常にシンプル。メンバーの方には、最低月に一度は歯のクリーニング(PMTC)を受けてもらうシステム。

画像は「樫屋:かしや」のきんとん。ムシ歯予防法、歯周病予防法はいろいろありますが、最も確実な方法は「歯は、磨いてももらうもの」なんです。あなた自身の歯磨き、フッ化物応用、砂糖の摂取制限など古典的なセルフケアはすでにご存じであり、実行されていると思います。けど、ムシ歯ができる。失礼な言い方ですが、足りないのはプロケア・第三者による歯磨きです。「歯は磨いても、もらうもの」なのです。

画像は「中村藤吉」の生茶ゼリー。おやつ堂の飲み物は全て砂糖ゼロ!バナナジュース、コーヒー(砂糖なし)、緑茶、抹茶、ワインなどを考えています、全て砂糖ゼロ。スイーツ(おやつ)は取り寄せスイーツメインで、こちらは砂糖が入っています・・ご心配なく!クリーニングを受けてもらいますのでムシ歯にはなりません。おやつ堂ひとり立ちは来年の予定ですが、是非あなたも「おやつどう?」「おやつはいかが?」のおやつ堂に!おやつ堂のインスタグラムはこちら。モットーは「Good taste,Sweet smile」
ではでは皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

BBTime 572 トマト中毒

「昭和遠し冷しトマトといふ肴」伊藤伊那男

2022/5/2投稿
先日、頂いたトマトの味が凄くて中毒になりました!4/29は昭和の日でした、まずは句の解説から『たとえば居酒屋で<冷しトマト>を選んだことと、昭和がずいぶん遠くなったと感じることとは直接つながりはない。そこが俳句の面白さである。<冷しトマト>は作者にとって<昭和>の象徴なのだろうか、と想像してはみたが・・。そういえば、男性は飲む時に「家庭にもあるどうってことない肴」を注文するのはなぜだろう。トマト、冷奴、オニオンスライスなどなど。こと食べ物に関して、男性は多くは恐ろしいほどに保守的である』季語:トマトで夏(櫂未知子著「食の一句」より抜粋)。「冷しトマト」が昭和なら、今回頂いた「奈須のトマト」は令和でしょうか。是非おやつリストに加えて欲しい「奈須農園トマト」について。

このトマト、皮は歯応えしっかり。オススメの食べ方はヘタを取って水洗いし、尖った方を少し齧り中のトマト汁を吸います。あとは丸ごとバクバクパクパク!小振りのものなら三個は立て続けにいけます。品種はソプラノトマトとのこと。トマトらしからぬ甘いトマトはたくさんありますが、この奈須農園トマトはトマト味なのに甘く美味しい!のです。夜小腹が空いた時に食べても「ギルトフリー」罪悪感ゼロ。届いてすぐ食べても美味しいし、日毎にさらに熟度が増すので、味の違いを楽しむもまた良しまた旨し!トマトはナス科の植物「親は奈須でも子はトマト」(笑)。

蘊蓄をふたつ、まず名前について。Wikipediaによると『トマトの語源は、メキシコ土語で「ホオズキの実」「膨らんだ果実」を意味する “tomatl” (トマトゥル)に由来する。ヨーロッパでは当初ポモ・ドーロ(金色のリンゴ)、ポム・ダムール(愛のリンゴ)とよばれた。イタリア語では現在でもその名残でポモドーロ(pomodoro)とよばれる』(Wikipediaより抜粋)。英名トマト、イタリア語でポモドーロ、中国語では「西紅柿:シーホワンシー」です。

さてトマトは野菜か果物か?日本では野菜でしょう。過去にアメリカでは裁判沙汰に・・『1893年当時のアメリカでは輸入の際に果物への関税がなく、野菜には関税が課せられていた。このため、トマトの輸入業者は、税金がかからないように「果物」と主張。これに対して農務省の役人は「野菜」だと言い張った。両者は一歩も譲らず、さらに果物派には植物学者も加わり、論争はエスカレート。とうとう、米国最高裁判所の判決を仰ぐことになってしまった。判決は「野菜」。裁判長は随分悩んだと思われ、判決文には「トマトはキュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられている野菜である。また、食事中に出されるが、デザートにはならない」と書かれていた(英語版記事)。なお、裁判当時の記録としてローラ・インガルス・ワイルダーの小説『大草原の小さな家』では、トマトにクリームと砂糖をかけて食べる記載がある。なお、『Pocket Oxford English Dictionary』(2005年版)の tomato は ‘a glossy red fruit, eaten as a vegetable or in salads.’ とどちらとも取れる記述になっている』(Wikipediaより抜粋)・・もし裁判長が奈須農園トマトを食べていたなら、間違いなく「果物」と判決を下したでしょうね。砂糖などつけずに、そのまま食べればムシ歯リスクはゼロ。奈須トマトを食べて、ご自愛の程ご歯愛の程。

BBTime 566 Agua:水

「そんなことよく思ひつく春の水」岡田史乃

2022/3/29投稿
本日、鹿児島は雨。句の解説『さて、「そんなこと」とは、どんなことなのか。「そんなこと」は、書いてないのでわからない。わかることは、「そんなこと」が「そんな馬鹿なこと、どうでもよいこと」に近い中身であろうということだけ。もしも「そんなこと」が、心より賛嘆すべき内容を持っていたとしたら、「春の水」と照応させたりはしないはずだ。水温む候、作者の機嫌はすこぶるよろしく、「そんなこと」にも立腹せずに微笑して応えている。また、あなたの馬鹿話がはじまった。それにしても、次から次へと、よく「そんなこと」を思いつく人であることよ。わずらわしい時もあるけれど、今日はむしろ楽しい感じだ。目の前には、豊かな春の日差しを受けてキラキラと輝く水が流れている。全て世は事もなし。束の間ではあるかもしれないが、至福の時なのだ。ところで、句の成り立ちを作者の立場になって考えてみると、上中の十二文字は素直にすらりと出てきたはずだが、さあ、下五字をどうつけるかには少なからず腐心したにちがいない。それこそ「春の水」を「思ひつく」までには、相当に呻吟したと推察される。すなわち、突然口を突くように出てきた上中のフレーズを、簡単に捨てるには忍びなかったということ。反対に、実は一切そんな苦労はなかったのかもしれないが、長年俳句を読んでいると、つい「そんなこと」までをも気にかけてしまう。ビョーキである。史乃さん、間違ってたらごめんなさい。『ぽつぺん』(1998)所収。(清水哲男)』(解説より)。今回は「どうでもよいこと」ではなくて・・「水」にまつわるお話。

過日、奈良の和菓子屋のご主人のお話を聞く機会に恵まれました。「私にできることは吸水・加熱・加糖のみ。可能な限り本来素材の持つ良さを損なわないよう」の言葉が響きます。菓子材料に、材料を作る農家の方々に、菓子作りの道具製作者への敬意が随所に感じられます。素材の持ち味を失わないように、ベストでミニマムな「吸水加熱加糖」のみが和菓子屋のできることで、美味しさは素材が持っていると。確かに「樫舎:かしや」の美味しさは作られたものではなく、引き出された味であると思います。和菓子に対する並々ならぬ愛が感じられ、その愛は素材への敬意であり、農家・道具の作り手への尊敬の念です。また、手を加えることを最小限にとどめるのは、人が手を掛ければ掛けるほど素材が「穢れる:けがれる」からともおっしゃっていました。寺社への奉納(納入)が多く、寺社関係者の方とのお付き合いの中でそのように思わられるようになったとのこと。樫舎についてはこちらの記事も是非!

奈良の良さ・京都とは違う品格は、言わば「自己主張しない」であるような気がします。京都より長い歴史を持ち、歴史に育まれた今の奈良の持つ真の力なのでしょうか。

「水」のお話と言いながら「吸水」のみ。実は今月御紹介したい二曲が「水」なのです。最後に取って付けたように歯磨きについて。過去に何度か書いてますが、水というか唾液による歯磨きをお勧めします。歯磨き粉使用の方が落ち着くという方は、充分に唾液で磨いた後に仕上げでペーストを少しつけてください。吸水から唾液磨き・・まさに我田引水!その曲とは「三月の水」と「おいしい水」です。4939

BBTime 550 Stay Foolish!

「バカだなと目が言うホットウイスキー」火箱ひろ

句の解説を読んで・・確かにウイスキーの湯割りをホットウイスキーとは呼びませんね。『サントリーの「ウイスキー入門」によると、ホットウイスキーは「あたたかいグラスから柔らかに香るウイスキーのおいしさは格別」「アウトドアで飲めば、暖をとるのにも効果的」とある。蜂蜜やシナモンなどを加え、お湯割りと言わないところがお洒落感を募らせる。寒い日に頬を明るく染めて、大きなマグカップで飲むホットウイスキーは、気心の知れた者同士がよく似合う。掲句の「バカだな」は声には出していないが、発しているも同然、しかも甘い言葉として。男が女に向かって言う「バカだな」も、女が男に向かって言う「バカね」も、どちらも言葉通りでないことをふたりはじゅうぶんに承知している。というわけで立派なのろけ句なのだが、ほんわかあったかい気分になるのは、やはりホットウイスキーの効果だろう。『火箱ひろ句集』(2013)所収。』(解説より)。今回は「バカな覚悟」について、12/15付のほぼ日「今日のダーリン」より。

以上「今日のダーリン」12/16付より

「バカ」と聞くとジョブズの2005年6月にスタンフォード大学卒業式でのスピーチを思い出します。『亡くなったスティーブ・ジョブズ氏は多くの印象的な言葉を残した。中でも2005年に米スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチは、自らの生い立ちや闘病生活を織り交ぜながら、人生観を余すところなく語り、広く感動を集めた。「ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュ」』(引用元)。「Stay Hungry. Stay Foolish. And I have always wished that for myself. And now, as you graduate to begin anew, I wish that for you.  Stay Hungry. Stay Foolish.」(全文はこちら)。・・ハングリーであれ。愚か者であれ。

小生(歯科医)における「バカな覚悟」とは、ムシ歯予防カフェ開店です。カフェに通うだけで歯の健康維持ができる・・そんなカフェです。今日のダーリンにあるように『いまに「適応」するだけでなく、「予測や予想」を考え、そこに向かって進むのでもなく、「望み、望まれている未来」に向かって歩んでいく。これは、「ちょっとバカ」に思われるという覚悟が、とても大切だということをも意味していますよねー』。まさにそんなバカな、バカみたいなこと、バカもやすみやすみ言え・・「ムシ歯をつくらせないカフェ」・・来夏に鹿児島市でオープンします(バカな覚悟として宣言)。皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。