秋刀魚=さんま
さんま、さんま、
そが上に青き蜜柑の酸をしたたらせて
さんま食ふはその男がふる里のならひなり。
佐藤春夫「我が1922年」より
さんまは細長いサカナの意の
狭真魚(さまな)が訛ったといわれ、
「秋刀魚」と書く。
細長いからだでくちばし状の両あごを持ち、
背は青黒く腹は銀白色。秋に美味。
まさしく「秋刀魚」である。
冒頭の佐藤春夫の詩の「そが上に」の「そ」とは
もちろんさんまのことである。
落語「目黒のさんま」にあるように、
さんまは塩焼きにかぎる。
そして柑橘類をかけて食べるのが一番うまい。
なぜ塩焼きがうまいかというと、
旬のさんまは脂質が16%もあるためで、
熱く焼いて脂が舌に残らないように冷めないうちに食べる。
栄養的にもEPA、DHAなどの不飽和脂肪酸を多く含み、
動脈硬化、心筋梗塞、高血圧を防ぐ、
若返りのビタミンEを多くもつ。
安くて、うまくて、体に良い、言うことなしである。
さんま、さんま、
そが上に青き蜜柑の酸をしたたらせて
さんま食ふはその男がふる里のならひなり。
佐藤春夫「我が1922年」より
Do I have to eat like that?
あんなふうにして食べないといけないのですか?
「ハナ通信」No.3より