まど・みちお「ぬけた歯」

「ぬけた歯」まど・みちお

ぬけた歯をてのひらにのせると
星のようだ
生きもののぼくの口の中へはもう
帰れないほど とおくに光る・・・

ぼくの体の どこかであったのが
嘘のようだ
ここから見えるのもふしぎな
ふるさとの どこかに
帰りついているかのようだ
そこにあることこそが本当の・・・

生きものの一ばん初めの先祖が
そこで生まれたころの
風も虹もやまびこも
まだ赤んぼうだったころの
宇宙のふるさとの どこかに・・・

*下衆の勘繰りですみませんが、
この歯は乳歯でしょうね。

I think that makes sense.
それはそうよね。

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