055 BBTime 予防カフェ:イヤミの歯の怪
「祭屋台出っ歯反っ歯の漫才師」変哲:小沢昭一
先日「シェー」を調べていて気が付いたことがあります、今回「前歯のお話」。シェーの画像を見て違和感を覚えます、イヤミの歯がこの通りだとすると「残っているのは上の前歯三本だけ」。これは嫌みならぬ不思議なこと=怪です。前歯の治療経験者有りの方はおわかりでしょう、ムシ歯になりやすいのは上の前歯が圧倒的に多く、下の前歯がムシ歯になる人は稀です。(下の前歯がムシ歯になる人は相当な歯磨き不足です)結果的に治療の負の連鎖で、下の前歯よりも上の前歯を失う人の方が多くなります。ですからイヤミのように上の前歯だけのこる状況は稀です。(ちなみにイヤミの画像を調べたところ他の歯もあるようです)
なぜなのか?これは唾液と密接な関係があります。簡単に言うと日頃唾液でよく洗われる歯は下の前歯で、逆に唾液が届きにくいのは上の前歯(特に上の前歯の唇側)なんです。そこで提案、手を抜いて歯を抜かなくて済む方法=手抜きの歯磨きするなら、上の前歯のクチビル側はよりしっかり磨いてください。できれば上の前歯と奥歯の間を重点的に磨いてください。ちなみに唾液には次のような作用があります。①消化作用=唾液に含まれるアミラーゼという酵素がでんぷんを消化する作用 ②味覚作用=食べ物のを感じやすいように、味覚物質を溶かす作用 ③潤滑作用=口の中の食べ物を唾液で濡らすことで喉を通りやすくする作用。口の中を潤し、声がよく出る発声を滑らかにする作用 ④再石灰化=脱灰により溶け出した歯を修復する作用 ⑤緩衝作用=口の中のPHを一定に保って、細菌の繁殖を抑える作用 ⑥抗菌作用=唾液に含まれる抗菌物質が、粘膜を保護する作用 ⑦自浄作用=口の中の汚れを唾液によって洗い流しキレイにする作用 ⑧保護作用=舌や口の中の粘膜を潤し、乾燥から保護する作用、ドライマウスになるとこの作用がなく苦しい。
以上のように唾液が届きにくい、唾液で濡れにくい場所が上の前歯のクチビル側で、ムシ歯のリスクが高くなります。歯磨きの際は上の前歯のクチビル側をより丁寧に磨いてください。またおやつを含めて食後にはこそっと唾液を前歯のクチビル側に塗込んでください。唾液の話しを書いていたら口の中にジュワッと唾液がたまってきました、この季節やはり月見団子でしょう!というわけで今回のBBTimeは月の曲をご紹介。「Fly me to the moon」です。55870
老婆心ながら出っ歯反っ歯が心配な人は「あいうべ体操」がオススメです。蛇足:「シェー」を調べてビックリ。歯の隙間から空気が漏れて「ヒエー」が「シェー」になった説、フランスかぶれによるフランス語説、はたまた中国語の「謝謝」説、映画「シェーン」説などあるようです。(驚)