BBTime 093 健康の見張り番:HSP
「風呂吹に機嫌の箸ののびにけり」石田波郷
前回に続き「ヒートショックプロテイン」についてのお話、第二話は「健康の見張り番 ヒートショックプロテイン」です。ちなみにヒートショックとHSP:ヒートショックプロテインは別物です。では第二話の始まりはじまり・・
「体を温めると、まずは私たちの体をストレスから守ってくれるタンパク質:ヒートショックプロテイン(HSP)が増えてきます。また体を守る免疫力の上昇、血流の改善、体温が上がる、体温上昇に伴う発汗、運動能力の向上、お風呂に入って温まると気持ち良くなる、痛みの緩和などの効果があげられます。免疫力アップのメカニズムについて詳しく話しましょう。体を温めると感染に似た状態となり免疫細胞の白血球が増加します、この時にヒートショックプロテイン(HSP)も増加します。HSP自体は白血球のように細菌や病原体を殺すという免疫作用はないのですが、免疫細胞に働いて免疫力を増強します。病原菌やガン細胞を食い殺してくれるナチュラルキラー細胞(NK細胞)の数を増やし、活性を増強します。がん細胞は印(抗原)を持っています。この印をリンパ球が認識してやっつけてくれますが、その抗原が目立たないとリンパ球はがん細胞を見逃してしまいます。HSPはこの抗原とくっ付いて細胞表面に抗原を突き出してくれます。抗原が突き出ていればリンパ球は見過ごすことなくやっつけてくれます。体を温めると一般の免疫力が増強するのみならず、加温によって増えたヒートショックプロテインの免疫増強作用によりさらに免疫力をアップさせます。がんの患者さんや病気の方は抵抗力・免疫力が低下しています。加温療法(ヒートショックプロテインを増加させる)を併用することで、ガン治療の効果を上げることができます。加温療法には薬のような即効性はありませんが、ヒトが本来持っている体の抵抗力・治癒力を上げることにより患者さんのQOL(生活の質)を向上させます。またHSPは炎症反応を見張り炎症の行き過ぎにストップをかけます。細菌やウイルスに感染すると炎症反応という一連の反応によって細菌や病原体と戦いやっつけます。炎症反応には、炎症の開始と進行に関与する因子の活性化が必要です。しかしこの活性化が過剰になるとアレルギーや自己免疫疾患などを引き起こします。HSPには炎症の過剰な反応を抑制する効果が認められました。行き過ぎた炎症反応をHSPが止めてくれのです。」
まさしくヒートショックプロテインは「健康の見張り番」です。昔からあった湯治(とうじ)・・やはり先人の知恵はすごい!よく日本人の健康長寿の遠因に入浴習慣があげられますが、ただ単に体を清潔にするだけでなく加温もあるのでしょうね。人のみならずお猿さんも加温療法で病気も去る、怪我した鹿が傷を癒した温泉の話もあります。今回のBeatもホットする曲、EnyaのOnly Time です。この曲聴きながら温泉浸ったら免疫上昇間違い無しです、体温上昇で抵抗力上昇運気上昇!
第一話はこちら、またオリジナル音源はこちら(01/26現在視聴可能)。9650