BBTime 214 命の糧
「はなはみないのちのかてとなりにけり」森アキ子
開花宣言がここかしこで話題に花を咲かせてます。掲句を漢字で書くと「花は皆命の糧と成りにけり」となり違った趣(おもむき)のものとなります、ちなみに無季の句のようです。今回は命の糧について・・。
画像を見て「麝香鹿:ジャコウジカ」とわかる方は百人に一人千人に一人でしょう。香水のムスクを作り出す動物です。さて先日、万人に一人位しか御存じないであろう言葉をNHKラジオ第二放送で耳にしました。その言葉は「麝香間祗候:じゃこうのましこう」簡単に言うと天皇の話し相手の役職名で、明治維新以降に島津久光のような元殿様が任ぜられたようです。ネットで調べてみるとなんと麝香間祗候の弟分もあり、その名も「金鶏間祗候:きんけいのましこう」
この二つの言葉を生涯知らなくても生きてゆけます。しかし知ることで趣の違う人生となるかもしれません。レアな言葉や雑学のネタも同じだと思います。ついでにもうひとつ、これもラジオで知りました。日本の植物名で最も長い名前がこれ(21文字)!
「龍宮の乙姫の元結の切り外し:リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ」別名「甘藻:アマモ」です。明治であれば「龍宮乙姫元結切り外し」のような表記でしょうか。お時間ある方は長大語へジャンプ。
上の画像では髪の毛を束ねている白いキレですが「元結:もとゆい」と聞くと落語好きな小生としては「文七元結:ぶんしちもっとい」です。落語の中でも人情噺とよばれる泣き笑いのお噺、今回志ん朝師匠でどうぞ!落語もそうですが、はなも桜も花見も人それぞれに命の糧となり得ます。食べること、食べ物は命の糧そのものです。食べるを助ける「歯」は命の糧の糧となるのでは?5460
「歯はみんないのちのかてとなりにけり」カルノ
https://youtu.be/gzPxJezRkI8