BBTime 358 腹六分
「小腹とは常に空くものももちどり」中原道夫
小腹が空いた程度で百千鳥が焼き鳥に見えることはないと思います(句とは無関係です)。「百千鳥」は春の季語ご容赦の程。解説に『季語は「ももちどり(百千鳥)」で春。春の朝,さまざまな鳥が群れてさえずっている姿を指す。この様子の鳴き声だけに重点を置いた季語が「囀(さえずり)」で、当歳時記では「百千鳥」を「囀」の項に分類しておく。「小腹(こばら)」は、中国語では妊婦の腹など具体的な形状を指すようだが、日本語では抽象的に使う。ちょっと空腹を覚えることを「小腹が空く」、少々むかつくことを「小腹が立つ」など。ただ、現在ではどうだろうか。「小腹が空く」は聞くが,「小腹が立つ」とはすっかり耳にしなくなった。したがってか、作者は「小腹とは常に空くもの」と断定している。しかしこれは一種の決めつけ、ドグマである。なぜなら、「常に」そうなのかという素朴な疑問に耳をかそうとしない物言いだからだ。だから作者の腕の見せどころは、このドグマを如何に普遍化するか,誰をもなるほどと納得させるるかにかかってくる。そこで、下五にもってきたのが「ももちどり」。上手いっと、私は唸りましたね。この下五で「小腹」は小鳥の腹の形状へと可視的に転化され,しかも小鳥が早起きしてさえずるのは空腹のためだから、生態的にもぴしゃりと合っている。先のドグマは、見事に「ももちどり」の愛らしい姿に吸引されてしまったというわけだ。普通の写生句は具体を言葉にするのだが、掲句は逆に言葉から出て具体を呼び込んでいる』解説より。
焼き鳥は小腹を満たすのに丁度良いのですが、傍に美味しい焼酎があると話は別、鱈腹食べてしまいます。5キロ減量を思い立って一週間が経ちました。今回は「超早食い」を踏まえての「腹八分」・・胃と頭の関係についての話です。超早食いで引用した「食事に関しては過去を振り返っても無駄だとしか思わない。合理化することで、やりたいことだけができるようになる」(記事より)に対して「時間とお金の効率を追求するあまり「食べる幸福」を得ないことは、心身のみならず考え方・生き方にも影響するでしょう」と書いたものの、ふと思いました。以前、京都妙心寺に泊まった時のこと・・なぜお坊さんが坊主頭なのか?わかりました。坊主頭だと楽なんです。起床の合図後、慌ただしく洗面を済ませお勤め開始。髪の手入れなんて無理無理、坊主頭であれば数秒で終了します。記事に出てくるサラリーマン氏の解釈はこれに近いのかも、とはいえ食事1回あたり12秒、3度で36秒ですからね。
画像は「トリッパ」牛の胃袋です。減量開始して気がついたことは胃袋と頭の関係。「腹いっぱい食べずに少し控えめにしておくこと」が腹八分ですが、既にこの時、胃袋十分(満杯)なんです。胃袋より二分少ないのが腹というより「頭」。頭が満腹を感じる時には胃袋は120%の状態。胃袋は二割増これが続けば太るのは当たり前です。ということは「胃袋八分」にするには「腹六分」にする必要があります。三食を二食にすると、まさしく「腹六分」。多くのダイエット本が「一日一食もしくは二食」を推奨するのが合点できます。「腹六分」だといつも「小腹が空いてる」となります、冒頭の句ですね。件のサラリーマン氏は残り四分を別のことで幸福・喜びを得て満腹としているのでしょう。思いつきました!残り四分の喜びを得るための簡単な方法・・「ひとりニコニコ」です。プチ幸福を得ることができる超簡単な方法がニコニコ。さあ小腹が空いたらニコニコしましょう。名付けて「ニコニコダイエット」!0310