BBTime 460 嚥下と燕
「つじかぜやつばめつばくろつばくらめ」日夏耿之介
解説に『燕は「つばくろ」「つばくら」「つばくらめ」などとも呼ばれ、「乙鳥(おつどり)」「玄鳥(げんちやう)」とも書かれる。「燕」は夏の季語とまちがわれやすいけれど、春の季語である。しかも「燕の子」だと夏の季語となり、「燕帰る」は秋の季語となる。それだけ四季を通じて、私たちに親しまれ、珍重されてきた身近かな鳥だということなのであろう』(一部抜粋)。日夏耿之介は詩人・英文学者で、読みは「ひなつこうのすけ」詳しくはこちらへ。解説にあるように掲句は春です、ご容赦を。今回は燕との「エン」のお話。
近所の軒先に燕が餌を運びます。親燕の姿を目にした時に、ふと燕に口偏がつくと「嚥」になるなあと。音読みで「えん」訓読みで「のど・のむ(嚥む)」。飲み下すことを「嚥下:えんげ」と言います。近頃よく耳にする「誤嚥性肺炎:ごえんせいはいえん」にもこの文字が入ります。この飲み下すを英語で「swallow:スワロゥ」です。ここで・・アレッ?
そうなんです、燕も英語で「swallow」。偶然なのか必然なのか・・洋の東西を問わず「嚥下と燕」は関係ありのようです。句の解説の『四季を通じて、私たちに親しまれ、珍重されてきた身近かな鳥だということなのであろう』ゆえの事でしょうか。
加えて「唾液:だえき」のことを「つば:唾」と言います。つばめに似てますね(笑)。もっともツバはツバキ『つばの意の「つ」+「吐き」』のようです。唾液に関しては「唾液磨き」や「固唾を呑む」も。
ヤクルトスワローズを別読みすると、強引ですが「ヤクルトをグッと飲む人々」との解釈も可能です。因みに球団名の「スワローズ」は国鉄と関係がありました。『「スワローズ」の名称は、当時の国鉄では唯一の特急列車、かつ日本最速だった「つばめ」号に由来する。球団旗には、列車のヘッドマーク等に使われていた「つばめマーク亅を採用し、「スワローズ」のロゴデザインは国鉄のデザイン室がデザインしたものを今日まで使っている』(引用元)。
中華(広東:カントン)料理の高級食材である「ツバメの巣」はズバリ「燕の唾:ツバメのツバ」です。最後にひとつだけ嚥下と義歯の関係について。上顎(じょうがく、うわあご)に義歯装着の方で、食べ物を飲み込み辛い、話しにくいなどの症状がある場合に、義歯(入れ歯)が原因のことがあります。特に上が総入れ歯の方はご注意ください。入れ歯だからと諦めずに、話しにくい時には歯科医にご相談を!2210
おまけ:燕の字は読めるけど書けない漢字です(小生にとって)。簡単な覚え方は・・『燕(つばめ)が飛翔(ヒショウ)する姿を描いた象形文字(ショウケイモジ)です。廿は頭、ヒは翼(つばさ)、口は胴体、灬は火ではなく尾の形です。漢字の部首は『灬・れっか』です』(引用元はこちら)。