「子に教へ自らも噛む木の芽かな」松本清張
2022/2/17投稿 2/18外郎に追記
掲句の季語は「木の芽:このめ」で春。ややこしいのが「きのめ」となると山椒の芽。『このめ:あらゆる樹木の芽をいう。春の息吹を最もよく伝えるものの一つである。あけびやたらの芽、五加木(ウコギ)など食用になるものも多い。木の芽和えや木の芽田楽に使われる山椒の芽は、他と区別して、とくに木の芽(きのめ)と呼ばれることがある』(引用元)。先日インスタグラムで見つけた長い長い英単語、文字数が34字あります。その単語とは「supercalifragilisticexpialidocious」仮名を振ると「スーパーカリ(ラ)フラジリスティックエクスピアリドーシャス」(26文字)。舌を噛みます、今回は「舌を噛む」についてのお話。句の作者「松本清張」は小生の母校所在の小倉に縁ある方です。
来院される方から「舌を噛みました」「頬の内側をよく噛みます」等々、聞くことがあります。多くの場合、歯もしくは義歯(入れ歯)が原因です。例えば画像の木の芽和えを食べるとしましょう。奥歯の上に載った筍は上の歯が近付いてくると(正確には下顎が動くので筍を載せた下の歯(顎)が上の歯に近づいていくと)、歯の外側は頬の内側が、歯の内側は舌が筍を挟むようにして歯の上から落ちないようにホールドします。そうして逃げられなくなった筍は上下の歯で噛み潰されるのです。上下の歯が噛み合う(接触)直前に、頬内側粘膜と舌はサッと逃げて噛まれないのですが、時に逃げ遅れるとカチーンと噛まれてしまうのです。
奥歯に限らず前歯で舌や唇を噛むことがあります。しょっちゅう同じ場所を噛んでしまう場合は「歯の形」に原因有りです。長年使う間に前歯の先端(特に下)がすり減ることがあります。その結果、尖った角(かど)ができてしまって唇や舌を引っ掛けるようになり噛んでしまうのです。角を丸めてあげれば解決します。また奥歯や義歯で頬を噛む場合も歯が部分的に尖っていることで頬を噛みやすくなっていることがあります。義歯を新調した場合に、奥歯の上下の噛み合わせ(奥歯の被り具合)で噛みやすいことがあります。いずれの場合も歯の形を調整することで解決することが多いので、歯科医に伝えてみてください。
話を「Supercalifragilisticexpialidocious」に戻しましょう。この単語発音で舌を噛むのは歯が原因ではありません。発音練習あるのみです。小生はまず分割して覚えました。「スーパーカリ(ラ)」「フラジリスティック」「エクスピアリ」「ドーシャス」に分ける。次にYouTubeでメリーポピンズをみてフレーズを覚える。このフレーズに乗せてつなげて歌う。これで舌を噛まずに言えるようになります!これが言えると幸運が訪れるらしいとのこと。歯科的に解釈すると・・「発音練習で滑舌が上達し、唾液分泌が促進され、咀嚼(そしゃく・噛み砕くこと)能力が上がり美味しく食べられるようになりハッピー(幸運)である」。では皆さま、ご精進ください、より美味しく味わうために。
おまけ:まだまだ練習したい方は是非「外郎売」も!ここでの「外郎:ういろう」は和菓子ではなく、薬(匂い消し)の「外郎薬(ういろうぐすり)・透頂香(とうちんこう)」のこと。
もうひとつ:昔々、一番長い英単語は「smiles:スマイルズ」だと聞きました、なぜならsとsの間が1マイルあるから・・(笑)