BBTime 219 フェイクCM
「綿菓子を食べんと口を春風に」京極杞陽(きよう)
「解釈に迷う句である。「綿菓子を食べようとして、口を春風に向けてあけた」「綿菓子を食べようとしたら、口が春風そのものになってしまった」など、鑑賞の仕方はいくらでも考え得る。いずれにしても、作者が春の喜びを謳歌しているのは間違いない。「綿菓子」は不思議な食べ物。実際に食べてみて、本当に美味しいと思う人は少ないだろう。ただ、あの雲のようなたたずまいは、抗いがたい魅力に満ちている。夢のある菓子である」(「食の一句」櫂 未知子 43頁より)
感じ方は人それぞれですので「綿菓子が夢のある菓子」か否かはさておき、その名「綿菓子」は cotton candy の直訳で、その歴史は1897年のアメリカに遡ります。今回のタイトル「フェイクCM」:商品メーカーには悪いのですが三つあげます。
「入れ歯安定剤」「缶コーヒー」「野菜ジュース」
今回調べて驚いたことに「CM:シーエム」は和製英語つまり日本語です。「コマーシャルメッセージ (commercial message) は、本来は「商業用の伝言」全般を指す」とウイキペディアにあります。フェイクとは「偽・うそ」の意味で一昨年より「フェイクニュース」としてよく耳にするようになりました。
これ三つの商品そのものが偽物と言っているのではありません。売り方(CM・イメージ作り)においてフェイクだと言いたいのです(私的意見)。
1)入れ歯安定剤:テレビCMはいかにも毎日毎食時に必ず使うかのような印象を与えているようです(患者さん談)。安定剤は毎日必ず使うものではありません。入れ歯が不安定・入れ歯が痛いなどでやむを得ず、その場しのぎの使用が本来の使い方です。入れ歯で困ったら、まずは歯科医院で修理調整をすすめます。詳しくは「不安定剤料」
2)缶コーヒー:「疲労回復」「ホッと一息」「朝の目覚め」「シャキットする」などのイメージと裏腹に糖分とりすぎ・糖尿病・肥満・ムシ歯などのリスクが超高し!詳しくは「イカン・イカン・イカン」
3)野菜ジュース:容器に「これ一本」「これ一杯」「これだけ」などをデカデカと表示してある野菜ジュースです。小生もこの罠にまんまとはまっていました。いかにもこれ一本(ひとパック)飲むだけで一日に必要な量の野菜ビタミン・栄養素が摂取可能に思えますが、事実は違います。詳しくは「野菜ジュースの真の成分は?」
「cogito ergo sum:コギトエルゴスム」「我思うゆえに我在り」と訳されます。これは「全てを疑うべし」から始まる考え方です。今回お伝えしたいのは「考えるゆえに我在り」です。一部のメーカーは商品をもっともっと売らんがために誇大広告まがい(フェイクCM)の宣伝をします。表示は妥当でも「これ一本」の後に「飲むだけで」を連想させているのです。メーカーに言わせれば「勝手に連想するのはお客様しだい」なのかもしれませんが、知らしめると騙す寸前とは全く別物だと思います。このようなメーカーは「世のため人のため」に存在しているとは思えませんがね・・・。
「ファディズム・フードファディズム」という言葉があります。ファディズムとは思い込みです。例としてスーパーの売り場から「トマト」「バナナ」「納豆」などがテレビ番組の後に消える現象です。思い込むのは消費者、思い込ませるのがCMなのかも知れませんが・・ご注意あれ!自分で考えましょう。
今回の曲はもちろん「think」!0710
冒頭の画像はこちらでも使ってました「歯磨きダイエット」