売れるから美味しいではない!

先日、ショックなニュースが届きました。
鹿児島市の「はらドーナツ」がなくなりました。
閉店の理由は知りませんが、ふと次のようなことを考えました。
今はなき、はらドーナツ

ファストフードやファミリーレストラン、
セブンイレブンのパンに象徴されるように、
うぬぼれた言い方ですが、一般大衆の人々は「美味しさの物差し」を
持っていないのではないのか、と思います。
もしくは持っていても周りに気を使い使おうとしないのでは

ゆえに「美味しいから売れる」「美味しいものが売れる」から
「売れるものが美味しい」という風潮になるのではと思います。
しかし、これは間違いです。
「売れるものは、ただ売れているだけ」
もちろん考え方は十人十色ですけど、
小生は「美味しいから売れる」べきだと信じます。
そうでなければ「美味しくても売れない」になってしまいます。

治療と予防についても同じことが言えるのではないかと思うのです。
非常に極端な表現をあえて用いますと
「偽物を高く売る」「本物を簡単に失ってしまう」
「本物を簡単に失ってしまう」:お分かりのように、ムシ歯をつくってしまうことです。認識の違い、はっきり言うと認識不足があるのでしょう。
ムシ歯は手の傷とは違います、治りません。
自己治癒はしないし、歯科医院に行っても治癒はしません。
あくまでも代替材料に置き換えられるだけのことです。
それは本物ではなくニセモノ(似せもの)です。
代替品、ニセモノといっても口の中と言う過酷な環境で機能し、耐久性も必要とされます。使用材には生体に対する害のないものでなければなりません。人体の一部を人間が作るのですから、それなりの技術も必要となります。
よって安い価格ではありません、
「ニセモノをそれなりの値段で売ることになる」のです。

「歯を磨かなかったあなたの責任」は、それを言っちゃあおしまいよ、です。
話を戻します。「美味しいから売れる」
美味しい=価値がある、価値がある=売れる、高い価値=高価で売れる
やはり、この図式が王道でしょう。
もちろん、治療=価値がある=必要とされる=お金になる=歯科医師の収入
逆に「売れるから美味しい」では「売れなければ美味しくない」とも言えます。
すなわち、商売(ビジネス)として成り立たなければ商品価値は無いのか?です。

現状ではまだまだ予防費は治療費より安いと思われ、
人々にとっての必要性、優先順位は治療より予防の方が下位でしょう。
安いから=価値が低い、商品としてなかなか売れないから、店に並べない。
これでは、いつまで経ってもまずは治療ありきのままです。
売れるから美味しいのではなく、
美味しいから売れるにするには、さてどうする?

一語一縁:二束三文

一語一縁:二束三文
はい、こんばんは
先程、「にそくさんもん」を調べてこれまた興味深いことを知りました。
一説によるとその語源は「金剛草履」二足を三文の値で売ったことより
「数が多くて値段のきわめて安いこと」の意になったようです。
念のためネットで調べてみると、
この金剛草履の二束(ふたたば:にそく)を
三文で売ったとの書き込みもありました。
草履一束が何足かは知りませんが、二足と二束では、
どう考えても数に違いがあります。
二束三文は二足三文であった!
Unknown

一語一縁:にんげんとじんかん

一語一縁:にんげんとじんかん

先日「人間」に書いたことへの補足です。
調べてみると「にんげん」と読むのは呉音、
「じんかん」と読むのは漢音。そもそも、呉音、漢音とは?
以下ウイキペディアより
「音読みには呉音漢音唐音(宋音・唐宋音)・慣用音などがあり、それぞれが同じ漢字をちがったように発音する。たとえば、「明」という漢字を呉音では「ミョウ」と、漢音では「メイ」と、唐音では「ミン」と読む。漢音78世紀遣唐使や留学僧らによってもたらされたの首都長安の発音(秦音)である。呉音は漢音導入以前に日本に定着していた発音で、通説によると呉音は中国南方から直接あるいは朝鮮半島(百済)経由で伝えられたといわれるが、それを証明できるような証拠はない。唐音鎌倉時代以降、禅宗の留学僧や貿易商人らによって伝えられたものである。」とのことでした
また「人間」の語句が「ヒト」の意味として使われるようになったのは江戸中期ともありました。それまでは「世の中」の意味
その後の読みの使い分けは特に根拠はないようです。
「人間万事塞翁が馬」「人間到る処青山あり」など、
ニンゲンでもジンカンでも誤りではないようです。
ただし「青山」は「せいざん=骨を埋める所」です。
これは青い山

 

一語一縁:すじょう

一語一縁:すじょう
先日、この語句を広辞苑で引いてみてビックリ
何と、漢字が四つもあります。掲載順に
素生・素性・素姓・種姓
ご存じのように意味は
1−血筋、家筋、家柄
2−生まれ育った境遇
3−伝来の由緒 例:素姓のはっきりした茶器
蛇足ですが、衆生のひとつの読みも「すじょう」です。
言葉や語句の素姓を調べるのも面白いものです。

松永
 唐物肩衝茶入 銘「松永」 明時代 15-16世紀 福岡市美術館所蔵