BBTime 585 惜しい欲しい

「惜しい惜しい惜しい惜しいと法師蝉」北登猛

2022/8/15投稿
蝉というもの「声すれど姿見えず」が常です。句の解説は『なるほど、法師蝉の鳴き声はそんなふうにも聞こえる。最後は「惜しいよおっ」と駄目押しするようにして飛び去ってゆく。何がそんなに惜しいのか。作者ならずとも、だれにだって「惜しい」ことがらの一つや二つはあるのだから、それぞれの「惜しい」思いで聞くことになる。このように虫や鳥の鳴き声を人間の言葉のように聞くことを「聞きなし」と言うが、有名な例ではウグイスの鳴き声を「法華経」、ホトトギスのそれを「特許許可局」「テッペンカケタカ」などがある。Wikipediaによれば、この「聞きなし」という用語を初めて用いたのは、鳥類研究家の川口孫治郎の著書『飛騨の鳥』(1921年)と『続 飛騨の鳥』(1922年)とされているそうだ。そんなに昔のことじゃない。なかなかにオツなネーミングだと思う。句に戻れば、「惜しい」が四度も繰り返されており、このしつこさがまた残暑厳しき折りの風情を伝えていて秀抜である。今日もまた各地で「惜しい」の連発が聞こえるだろう。』(解説より抜粋)。いつもながらの我田引水です(笑)。小生にとっての「惜しい」は、ムシ歯にするのは「惜しい」。今回、久しぶりにオススメの歯ブラシを見つけましたので御紹介します。

この歯ブラシ、今時珍しく「SWISS MADE:スイス製」なんです。メンテナンスに通っている歯科医院の衛生士の方より教えて頂きました。まず色がカラフルというかサイケデリック(psychedelic)。まさに「サイケな夏」に似合う歯ブラシ CURAPROX 5460 ultra soft!

色の次はヘッド(植毛部分)の大きさ・・これ大きんじゃない?衛生士さん曰く「意外と大きく感じないんです」。疑り深い小生、念のためにひとまわり小振りなsmartも同時購入しました。結論:スマートは不要、5460ウルトラソフトがオススメです。

オススメ理由は「汚れがよく落ちる」「やわらかい毛が密で歯を包むよう」「ハンドルがかなり考えられている」などなど。ちなみに5460の意味は植毛5460本のようです。日本人なら5454本にしたかも・・5454でゴシゴシ。

ひとつ目の「!」がサイケな色。二つ目が「ブラシの感触」。三つ目が御値段。おそらく通常買われている歯ブラシの三倍の値段です。衛生士さん曰く「その分、長持ちします」。1,000円でお釣りが来るお値段ですが、自己投資と思って是非一度使って見てください。ムシ歯にするのは「惜しい惜しい惜しい惜しい」・・「欲しい欲しい欲しい欲しいは煩悩蝉」と思わずに是非!ところでツクツクボウシは「惜しい」でも「欲しい」でもなく「ボウシ」と鳴いているのでは?「ボウシ」と聞こえるので「ツクツクボウシ」の名では?暑いというより「熱い」日々です、皆さまご自愛の程ご歯愛の程。

BBTime 584 ニセモノ買いの銭失い

「安物買いの銭失い」ことわざ

2022/07/31投稿 8/15追加
この諺は耳にしますが、タイトルは「ニセモノ買いの・・」。そんなの当たり前でしょ!と思いますが・・のお話。諺の意味はご存じの通り『安い物を買うと品質が悪かったり、すぐ傷んだりして、結局損をする』(引用元)。では「偽物買いの銭失い」は・・前置きがあります。「本物を易く(やすく)失い、ニセモノを高く買う」・・こんなバカなことする訳ないじゃん、と思われるでしょうが、多くの方がしていらっしゃるのです。

先日、時計修理屋さんとの会話に出てきたのが上の画像です。よく見てください、ちょっと違うでしょ。「レフティ」と呼ばれる左利きで竜頭の位置などが違います。レフティは生産数が少ないこともあって、市場価格が高騰しており新品よりも中古価格の方が数十万円も上だそうです。また、一昔前のロレックスを高値で売って、その利鞘で新品ロレックスを買う。数年後、また売って新品を買う。ロレックスマラソンと言われているとのこと。修理屋さん曰くひとこと「異常です」。さて質問「ここに偽物ロレックスがあります。非常によくできています、五十万円します。では、この偽物と同じタイプの本物にいくらの値段をつけますか?」おそらく偽物が五十万なら本物は「百万だろう」「本物なんだから二百万はするよ」・・いずれにせよ通常ならニセモノより本物が高い値がつきますよね。残念ながらこの真逆のことが、さも当たり前のこと日常茶飯事のこととして起きているのが「歯科治療」なんです。

画像は陶器の歯、どんなに上手な技工士さんが作っても「ニセモノ」です。だいたい1本十万円はします。陶器の歯が必要になった原因がムシ歯であったなら「本物を易く失い、偽物を高く買う」と言えるのです。

画像は「PMTC:ピーエムティシー」と呼ばれるプロケアです。過去に何度も書いていますが「歯は磨いても、もらうもの」であって、ご自分だけでムシ歯予防は不完全です、できません(と言えます)。たやすく本物を失い、高価なニセモノを買う羽目になる。これは人々(患者さん)だけの責任ではなく、歯科医師にも責任があります。歯磨きによるムシ歯予防は、人々がすべきこととしてきたことに誤りがあると思うのです。どうぞ考えを変えてください「歯は、磨いてももらうもの」。ニセモノ買いの銭失いにならぬよう、こまめにプロケアを受けることをオススメします。ひとつご注意ください!プロケアで歯を削ることはありません。いまだに「削ってなんぼ」と思う歯科医もいますので、この点はご注意ください。皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

追加:文章中の「時計修理屋さん」。小生も修理ふたつと電池交換ひとつ、お願いしました。オススメします!インスタグラム@bleriots0819です。腕時計で困り事があれば是非!

BBTime 583 カムカムポンプ

「円涼し長方形も亦涼し」高野素十

2022/07/25投稿・昨夜から桜島は噴火警戒レベル5 7/28追加
今朝の桜島は静かです。句の解説は『猛暑の折りから、何か涼しげな句はないかと探していたら、この句に突き当たった。しかし、よくわからない。素十は常に目に写るままに作句した俳人として有名だから、これはそのまま素直に受け取るべきなのだろう。つまり、たとえば「円」は「月」になぞらえてあるなどと解釈してはいけないのである。円も長方形も、純粋に幾何学的なそれということだ。いわゆる理科系の読者でないと、この作品の面白さはわからないのかもしれない。円や長方形で涼しいと感じられる人がいまもいるとすれば、私などには心底うらやましい昨今である。ふーっ、アツい。『空』(ふらんす堂・1993)所収。(清水哲男)』(解説より)。二度目の梅雨が開けたと思ったら、またまた猛暑。サウナかと思うほどの暑さと湿気です。前々回「週一回」の補足で、歯の周りのポンプについて。

シンプルにいうと、噛むたびに歯の根っこ(歯根:しこん)と骨の間の毛細血管が圧迫・弛緩を繰り返します、いわば「カムカムポンプ」。
 記事には『歯は、体に思っている以上に全身へ影響を与えています。実は、歯でものを噛むときには、ひと噛みごとに脳に大量の血液が送り込まれています。  歯の下には「歯根膜(しこんまく)」というクッションのような器官があり、噛むときは、歯がこのクッションに約30ミクロン沈み込みます。そのほんのわずかな圧力で、歯根膜にある血管が圧縮されて、ポンプのように血液を脳に送り込むのです。  その量は、ひと噛みで3.5㎖。市販のお弁当についている、あの小さな魚の形の醤油入れがだいたい3~3.5㎖サイズなので、噛むたびに、あの容器いっぱいの血液をピュッと脳に送り込んでいるということ。ひと噛みでこの量ですから、よく噛む人の脳にはひっきりなしに血液が送り込まれて、その間、常に刺激を受け続けていることになります。つまり、噛めば噛むほど刺激で脳が活性化されて元気になり、どんどん若返るのです』(引用記事はこちら)。また記事では『「歯がない人はボケやすい」は正しい・・歯の本数が少なくなればなるほど、歯根膜のクッションにかかる圧力が減って、脳に送り込まれる血液の量が少なくなります。脳への刺激が減って、脳機能の低下につながるわけです。脳機能の低下は、ヤル気の喪失や、もの忘れを引き起こし、やがては認知症へとつながっていきます』(引用元)。

この記事を読み返して確信しました。昔、おやつの定番「かっぱえびせん」のCMコピー「やめられない、とまらない」の理由はここにあり!えびせんやポテトチップスを食べ始めたら止まらないのは、パリパリぽりぽりと噛むごとに歯根膜ポンプによって脳に血液が送られ「プチ快楽」を感じているからなのではないでしょうか。えびせんでなくとも、ナッツ類でもスルメでも同じだと思います。いずれにせよ「カムカムポンプ」を作用させることは、記事にあるように「若返り」「ボケ防止」に効果有りのようです。やはり噛むことは大事です、カムカムポンプで若返り!皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

追加(7/28):カムカムポンプが脳に心地良い根拠のひとつ発見!脳は「ブドウ糖と酸素」を欲しがります。脳に血液が供給されることは、ブドウ糖と酸素が送り込まれることなのです。記事「脳だって、もっと栄養が欲しい」には『脳がしっかりと働くためにはエネルギーが必要で、通常はブドウ糖(グルコース)のみが利用されます。低血糖症で意識消失が起こるのは、ブドウ糖を利用できなくなるから。その脳に、ブドウ糖以上に必要なエネルギーが酸素です』(抜粋)とあります。カムカムポンプで脳も元気ハツラツ!

BBTime 582 硬いけど・・

「うなぎの日うなぎの文字が町泳ぐ」斎藤すず子

2022/7/18投稿 7/18おまけ追加
画像は鹿児島市天文館のうなぎの「末よし」。今週土曜日7/23今年の土用の丑に向けて、コンビニの店先にも鰻が泳いでおります。句の解説には『季語は「うなぎの日(土用丑の日)」で夏。ただし、当歳時記では「土用鰻」に分類。この日に鰻(うなぎ)を食べると、夏負けしないと言い伝えられる。今年は今日が土用の入りで、いきなり丑の日と重なった。したがって、この夏の土用の丑の日はもう一度ある。鰻にとっては大迷惑な暦だ。句のように、十日ほど前から、我が町にも鰻専門店はもちろんスーパーなどでも「うなぎの文字」が泳いでいる。漢字で書くと読めない人もいると思うのか、たいていの店が「うなぎ」と平仮名で宣伝している。面白いのは「うなぎ」の文字の形だ。いかにも「うなぎ」らしく見せるために、にょろにょろとした形に書かれている。なかには、実際の姿を組合わせて文字に仕立てた貼紙もあって、句の「うなぎ」表記はなるほどと思わせる。作者は、夏が好きなのだ。もうこんな季節になったのかと、町中を泳ぐ「うなぎ」に上機嫌な作者の姿がほほ笑ましい。今宵の献立は、もちろんこれで決まりである。私は丑の日だからといって鰻を食べようとは思わない性質(たち)だけれど、世の中には、こういうことに律義な人はたくさんいる。』(抜粋)。最後に出てくる「律儀」をある意味「頑固」と見れば、律儀→頑固→硬いとして(強引ですが・笑)、今回は「歯は硬いけど・・」についてのお話。

青リンゴはさほど硬くありません。でもこちらのリンゴは硬いようです。AppleWatchのCMを見ました。動画では硬く、水などの液体にも、埃やベッタリするものにも耐えうるシーンが描いてあります。見ながらふと「似てる」と思ったのが「歯」です(得意技我田引水・笑)。歯は身体の中で最も硬い組織(体の部分)です。モース硬度では永久歯のエナメル質は7で水晶に匹敵します。最も硬いダイヤモンドが10です。

歯にはエナメル質・象牙質(ぞうげしつ)・セメント質があります。それぞれの硬さは、エナメル質=7、象牙質=6、セメント質=5です。ちなみに骨が4〜5、爪が2.5と言われています。このため、歯科治療においても削る部位で道具が異なります。最表層のエナメル質を削るときにはおおかたエアタービン(キーンという音)を使いますが、象牙質・セメント質にはエンジン(ウーンという音)を使います。もちろん削る目的などによってエンジンだけのこともあります。

それぞれの部位がどこかを見てください。最も硬いエナメル質は表層を覆います。その下が象牙質で、根っこ(歯根:しこん)の表面がセメント質です。臨床では象牙質は硬度6よりやわらかく感じます。実際、エキスカベータという器具(ノミ・彫刻刀のようなもの)で削ることができます。象牙質には象牙細管(ぞうげさいかん)という細い管がありますので、やわらかく感じるのかも知れません。

画像は「楔状欠損:くさびじょうけっそん」WSDと呼ばれる状態です。歯ブラシの誤用でエナメル質とセメント質の境目から根の先の方にできる欠損です。しっかり磨いていることが逆に欠損を作り、ムシ歯同様の処置が必要となります。セメント質はやわらかいのです、ご注意ください。WSD以上に気をつけて欲しいことは「酸:さん」です。水晶くらい硬いエナメル質の弱みは「酸」です。ほとんどの飲食物が口に入ると、口腔内は酸性に傾きます。ph=5.5以下(より酸性に)になるとエナメル質は溶け始めます。これがすぐにムシ歯になるのではありません。唾液による緩衝能(中性に戻す機能)などによってムシ歯にならずに済むのですが、お菓子(砂糖を含む)のだらだら喰いなどで、常時もしくは継続的に5.5を下回るとムシ歯の発生につながります。硬いのですが・・酸には弱い。アップルウォッチも同様で、硬いけどバッテリー切れにはお手上げ(笑)。皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

おまけ:「土用の丑に鰻」と歯磨き粉は関係があるんです。この二つに深く関与していると言われているのが平賀源内!ウイキペディアには『土用の丑の日ウナギを食べる風習は、源内が発祥との説がある。この通説は土用の丑の日の由来としても平賀源内の業績としても最も知られたもののひとつだが、両者を結び付ける明確な根拠となる一次資料や著作は存在しない。また明和6年(1769年)にはCMソングとされる歯磨き粉『漱石膏』の作詞作曲を手がけ、安永4年(1775年)には音羽屋多吉の清水餅の広告コピーを手がけてそれぞれ報酬を受けており、これらをもって日本におけるコピーライターのはしりとも評される。』(抜粋)。
も、ひとつおまけ:口腔内が酸性に傾いた時に、いち早く酸性に戻すことがムシ歯予防のコツです。今月7月から金土のみコーヒーイノベートにて「そんなバナナジュース」スタートしています。このジュースのph(ペーハー)はほぼ7です、オススメします。詳しくは「ハニ!チーズ」を。

BBTime 581 週一回

「雨蛙めんどうくさき余生かな」永田耕衣 

2022/7/7投稿
鹿児島はあっという間の梅雨明けでしたが、戻り梅雨の昨日今日です。句の解説には『耕衣、七十代後半の句。雨蛙の体の色は葉の上など緑のなかでは緑色をしているが、木の幹や地上に下りると途端に茶色に変色する。保護色の好例として、小学校の教室でしばしば引き合いに出されてきた。人間には保護色はないのだけれど、考えてみれば、状況に応じて態度を変えるなどしているわけで、心理的精神的な保護色はあると言わなければなるまい。ただし雨蛙が自然に体色を変えられるのとは違って、私たちの場合は、意志的にそれをする必要がある。そこが実になんとも「めんどうくさい」と感じることになる年代が「余生」だと、作者は述べている。きょとんとした雨蛙と、何もかもを面倒くさく感じはじめた俳人との取り合わせは、ペーソスの味を越えた不思議な明るい世界に通じているとも読める。』(抜粋)。面倒くさくてもオススメしたい「週一回」についてのお話。

「風邪は万病のもと」と耳にしますが、今回のニュースは「歯周病は万病のもと」です。記事『「口腔ケア」で万病のもとになる歯周病の発症を抑制、生涯医療費を1千万円減らせるとの試算も』を目にしました。記事冒頭には「調査によると、歯や歯茎などの正しいケアをすることで、私たち1人ひとりの生涯医療費が1千万円以上も抑えられる可能性があるという。」1000万円と聞くと「エッ」と思いますが、さらに「この金額を1日あたりに換算すると、17万5600円÷365日=約481円となります。つまり、歯を20本以上キープする歯のケアを続けるだけで、毎日約500円もの医療費を得することになるのです。」これはかなり驚きです。では拾い読みしてみましょう。

『その中で、日々、口腔内のケアによって認知症の症状が改善したり回復していく患者さんたちを目の当たりにしているのですが、先日、かなり驚いたことがありました。 私が訪問診療を担当するグループホームに、週に1度、歯科衛生士さんにも口腔ケアに入ってもらうことにしました。すると、あるとき介護の現場の方がふと気づいたのです。「この1年半、誰も退所する人がいなかった」と。 このことは、18人の入居者のうち1人も、状態が悪化することも亡くなることもなかったことを意味します。 一般的なグループホームでは、月に1人くらいは重症度が高くなってしまって入院したり、亡くなられたりする方がいらっしゃるのが普通ですから、これはかなり驚異的なことです。 当初は、「毎週の口腔ケアは、さすがに多すぎませんか?」と言っていたスタッフや患者さんのご家族も、口腔ケアの重要性を再認識したようです。』(記事より抜粋)

『では、どれくらい医療費が抑制されるのか。 具体的に計算すると、適切な口腔ケアを行うことで、なんと1人あたりの生涯医療費が1千万円以上も安くなる可能性があるのです。 日本歯科医師会が、全国の40歳以上、約1万9000人を対象に行った調査では、残っている歯の数が20本以上ある人は、0~4本の人よりも、年間の医療費が平均で17万5900円も低いという結果が出ました。 この先、日本人の寿命は延び続け、2050年には日本の100歳以上の人口が100万人を突破すると推計されています。もし100歳まで生きるとして、歯周病菌が増え始める40歳以上から100歳までに60年間分の医療費の差額を計算すると17万5900円×60年=1055万4000円となります。 ちなみに、この金額を1日あたりに換算すると、17万5600円÷365日=約481円となります。つまり、歯を20本以上キープする歯のケアを続けるだけで、毎日約500円もの医療費を得することになるのです。』(記事より抜粋)。

記事は続きます『口内環境の悪化がさまざまな全身疾患にもつながる原因は、大きく3つあります。①歯周病菌の影響 ②歯を失うことによる脳の血流不足 ③歯を失うことによるタンパク質不足』・・それぞれについて。
『①の「歯周病菌の影響」は、35歳前後から増大し、40代になるころには進行の差こそあれ8割もの人が歯周病を発症します。歯周病は、風邪などと違って自然治癒しません。  その歯周病菌がもとになって生成される「アミロイドβ」が、血管を通じて運ばれて脳内で記憶を司る「海馬(かいば)」を中心に少しずつ溜まっていき、これが、アルツハイマー型認知症を発症させたり、悪化させたりする原因となることがわかっています。ちなみに、アミロイドβが脳内に溜まって認知症を発症するまでには、25年ほどかかると言われています。  また、歯周病菌が出す毒素の影響でつくられる炎症物質「サイトカイン」が血管を通じて全身に放出されることにより、インスリンが効きにくくなって「糖尿病」が発症・進行しやすくなります。さらに、動脈の内壁が厚く硬くなって「脳卒中」のリスクを高め、冠動脈が傷んで「心筋梗塞」を起こす一因となるのです。』(記事より)。ここに出てくる疾患は「アルツハイマー型認知症」「糖尿病」「脳卒中」「心筋梗塞」の四つです。端的に言えば、、歯をキレイにすることで予防もしくは進行を遅らせることができるのです。

『2番目の「歯を失うことによる脳の血流不足」について解説しましょう。・・・歯は、体に思っている以上に全身へ影響を与えています。実は、歯でものを噛むときには、ひと噛みごとに脳に大量の血液が送り込まれています。  歯の下には「歯根膜(しこんまく)」というクッションのような器官があり、噛むときは、歯がこのクッションに約30ミクロン沈み込みます。そのほんのわずかな圧力で、歯根膜にある血管が圧縮されて、ポンプのように血液を脳に送り込むのです。  その量は、ひと噛みで3.5㎖。市販のお弁当についている、あの小さな魚の形の醤油入れがだいたい3~3.5㎖サイズなので、噛むたびに、あの容器いっぱいの血液をピュッと脳に送り込んでいるということ。ひと噛みでこの量ですから、よく噛む人の脳にはひっきりなしに血液が送り込まれて、その間、常に刺激を受け続けていることになります。つまり、噛めば噛むほど刺激で脳が活性化されて元気になり、どんどん若返るのです。』(記事より)。

記事中の『歯根膜にある血管が圧縮されて、ポンプのように血液を脳に送り込むのです』・・この血管は、まさにみかんネットのように歯根(しこん:歯の根っこ)を包んでいます。グッと噛むことで、この血管を含む歯根膜がひしゃげて(圧迫されて)、次の瞬間、噛むことをやめると血液が流れ込む。これが歯根膜のポンプ作用です。私見ですが「やめられない、止まらない」のかっぱえびせんやポテトチップスなどパリパリポリポリの食べ物は、適度にこのポンプを動かすために、脳に心地よいのだと思います。いずれにせよ、このポンプは大切なポンプです。

結びで『本気で脳の老化を防ぎたいなら、そして、全身疾患を予防したいなら、「8020」で満足せずに、もっと高いレベルを目指す必要があります。私が推奨したいのは、「8028」!  つまり、「80歳で28本、すべての歯を残す!」という気持ちで、口腔ケアを行ってほしいのです。  ただ、日々の歯みがきやケアでは限界があります。年に1度の歯科検診だけに頼らず、3カ月に1度程度は歯科に通って歯石取りやプラーク除去などの定期的なメンテナンスを受けることをお勧めします。  いまや、「歯医者さんに通うのは治療のため」だけではありません。「国民皆歯科健診」の制度の導入からもわかるように、時代は治療歯科から予防歯科へと移り変わろうとしているのです。』(記事より)。まさに「歯は、磨いてももらうもの」であり、後手後手医療から先手先手予防へ!なのです。くどいようですが・・「三ヶ月に一度は歯科に通って・・」と記事にはありますが、記事の頭では「週に1度、歯科衛生士さんにも口腔ケアに入ってもらうことにしました」とあります。皆さま、理想は「週一回」です!理想は週一回ですが、現実的には頻繁に通っても保険内診療では月一回が限度でしょう。来年オープン予定で準備中のムシ歯予防カフェ「おやつ堂」では毎日の口腔ケアも可能です、しばしお待ちを。ではでは皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。


BBTime 580 ハニ!チーズ

「一生の楽しきころのソーダ水」富安風生

2022/06/30投稿 6/30追加
この季節、大好きな句です。解説には『季語は「ソーダ水」で夏。大正の頃から使われるようになった季語という。ラムネやサイダーとは違って、どういうわけか男はあまりソーダ水を飲まない。甘みが濃いことも一因だろうが、それよりも見かけが少女趣味的だからだろうか。いい年をした男が、ひとりでソーダ水を飲んでいる図はサマになるとは言いがたい。だからちょくちょく飲んだとすれば、句にあるように「一生の楽しきころ」のことだろう。まだ小さかった子供のころともとれるが、この場合は青春期と解しておきたい。女性とつきあってのソーダ水ならば、微笑ましい図となる。喫茶店でソーダ水を前にした若い男女の姿を目撃して、作者はあのころがいちばん楽しかったなあと若き日を懐古しているのだ。むろん、味などは覚えてはいない。ただそのころの甘酸っぱい思いがふっとよみがえり、やがてその淡い思いはほろ苦さに変わっていく。』(解説より抜粋)。さて今年の鹿児島、梅雨入り後は雨あめアメ・・でしたが、アッと言う間に明けました。そうしたら即真夏!今回は「ハイ、チーズ」ではなく「歯にチーズ」のお話。

記事を見つけました。タイトル『虫歯はチーズで予防できる!WHO報告書で「エビデンスはほぼ確実」』。内容はタイトルの如く、チーズを食べるとムシ歯予防効果ありと言うものです。『「WHOのテクニカルリポートという報告書によると、虫歯リスクに関する科学的根拠を『確実』から『根拠不十分』まで4段階に分けた中で、リスク軽減の効果が『確実』とされる物質はフッ化物。そして、これに次いで効果が『ほぼ確実』とされたのがハードチーズでした」』(記事より)。キシリトール配合ガムよりもより確実な予防効果があるとのこと。

二つの理由を挙げています。再石灰化と緩衝能・・『「チーズは、再石灰化を促す働きがあります。チーズを噛むとその刺激で唾液成分が倍増し、カルシウムイオンやリン酸イオンによる修復が進みます。また、唾液には食事で酸性に傾いた口の中を中性に戻す緩衝能があり、虫歯を起こしにくくします。そしてこの緩衝能は、チーズにも備わっています」』
記事より)。

チーズの中でもハード系がオススメ・・『チーズの中でも特に、チェダー、パルメザン、エメンタール、ゴーダといったハードチーズやセミハードチーズが、カルシウムとリン酸の量が非常に多い。しかしチーズなら種類を気にせず、なんでもOKとのこと』(記事より)。『「虫歯予防のためにチーズを食べるなら、食事の最後が望ましいです」  何らかの食品と一緒にチーズを食べても、チーズの働きは阻害されない。もちろんお酒もOK。むしろお酒はほとんどが酸性なので、中性に戻す作用に優れるチーズと食べることが推奨される』(記事より)。手前味噌です、前回ご紹介した「そんなバナナジュース」は、牛乳・バナナともph(ペーハー)は7前後で中性です。ちなみに冒頭のソーダ水は、砂糖ゼロであっても安心とは言えません。炭酸水(ソーダ水)そのものが酸性飲料ですので、飲んだあと可能ならば、水かお茶を飲まれることをオススメします(中性に戻すために)。皆さま暑過ぎる日々です、ご自愛の程ご歯愛の程。

追加:はい、チーズについて。
ご紹介した曲のタイトルを見て頂けるとお分かりのように「はい、チーズ」のオリジナルは「Say,cheese」(セイ、チーズ:チーズと言って!)です。Say(セイ)を「ハイ」に替えただけですが、これは見事に当たりましたね。詳しくはこちらをどうぞ!日本輸入時は、まさにチーズがらみのようです(笑・スマイル・チーズ)!

BBTime 579 そんなバナナジュース

「バナナがいっぽんありました」片岡輝

2022/06/24投稿
「そんなバナナジュース誕生秘話」
1)歯は、磨いてももらうもの
 1990年に人口約五万の地方都市で歯科を開業しました。開業したて、ムシ歯の多い小学生に「歯を磨きなさい」、親御さんには「あまり甘いお菓子を食べさせないように」と真顔で諭していました。ある時、小学四年生の男の子と母親が来院。磨き残しがあるので、母親にも見てもらい「子供さんに磨くように言ってくださいね」と言ったところ、親子喧嘩に・・母「磨きなさいと、いつも言ってるでしょ」、子「磨いたもん」。母「汚れが残ってるじゃない」、子「ちゃんと磨いたもん」。徐々にヒートアップ、ついに男の子は涙声に・・はたで聞きながら「はた」と思いました!「そうか、この男の子はちゃんと自分で磨いたんだ。けど磨き残しがあった」・・ひょっとすると「自分ではきちんと磨けないのではないか」と歯科医として遅まきながら気付いたのです。そうなんです「歯は磨いても、もらうもの」なんです。左手に絵の具が付きました、自分の目で見てわかります。右手で左手の汚れを落とします、キレイになったかどうかもわかります。絵の具と違って、歯の汚れは自分ではよく見えません。どこが汚れているかなんて、大人でもわかりません。歯医者は長年、不可能なことをあたかも可能なこととして、「ちゃんと磨くように」「磨き残しがあるからムシ歯になった」と言ってきたのです。ご自分で隅々までキレイにすることは不可能なことなんです。自己反省も含めて声を大にして言います「歯は、磨いてももらうもの」。

2)ダイエットレストラン
 ジョギングしたり、ジムに通ったりとダイエットに勤しんでいた時に、ふと「入店前と店を出る時と、体重が1グラムたりとも増えないレストランがあったなら、味はイマイチでも流行るんじゃないの」と思いました。現実的には無理な話ですが・・閃きました。歯科ならできる!入店前より口の中がキレイになって店を出る!思いついたら即実行で十年ほど前、天文館に「歯のクリーニング専門店」を開きました。しかし約十ヶ月で閉店。後になって理由がわかりました。開店したのは「クリーニング店」であって「クリーニングレストラン」ではなかったのです。メインになるものが何もなかったのです。

3)ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」
 クリーニング専門店閉鎖後、勤務医として働きながら自問自答の毎日。巷では「美味しい店」「美味しいスイーツ」などグルメ情報が年がら年中花盛りです。美食と歯は隣同士。歯が健康でないとグルメは楽しめません。美食と歯をどうにかして繋ぐことはできないだろうか?この問いへの答えが「ムシ歯予防カフェ」です。カフェでムシ歯予防・・カフェに来られたお客さんで希望される方の歯をプロが磨く「歯は磨いても、もらうもの」の実践です。ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」は来年(2023年)2月開店予定で現在準備中です。

4)そんなバナナジュース誕生
 ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」に必要なものは「スイーツ」と「飲み物」。スイーツはネットなどでの取り寄せスイーツがメインで、当然のことながら砂糖が入っています。かたや飲み物に関しては「砂糖ゼロ」にこだわりました。「砂糖ゼロ飲料」の主役がバナナジュースです。幼い頃、バナナは「果物の王様」「病院見舞いの定番」「高嶺の花フルーツ」でした。その反動か、大人になってからはバナナをよく食べ、バナナジュースも作っていました。甘く美味しく砂糖不使用のドリンク・・・バナナジュースしかない!早速レシピの研究です。経験に加えネットで作り方を検索、基本のレシピを少しずつ改良し、毎朝バナナジュース試作。バナナと牛乳だけでは物足りないので、隠し味の探求。ヨーグルトを入れたりバルサミコ酢を加えたり、さらに生クリームを足したりと・・。ある朝のこと、ある果汁100%果物飲料が冷蔵庫に、加えてみると・・すごく美味しい!バナナと牛乳とこの果汁だけで!そんなバカな!この瞬間「そんなバナナジュース」の誕生です。その後も割合を少しずつ変え、ついに神レシピができました。砂糖不使用砂糖ゼロですからムシ歯にはなりません。歯科医として太鼓判のバナナジュース、この度、来年二月の「おやつ堂」開店に先駆けて荒田のカフェ「coffee innovate」にて来月7/1より提供開始です。是非そんなバナナジュースをご賞味ください。
おやつ堂店主 河野秀樹

BBTime 578 珈琲二題

「休むとは流れることねあめんぼう」黒田早苗

2022/6/14投稿
冒頭の句とタイトルは無関係です。句の解説は『口語でなければ表現できない俳句世界はあるだろうか。最近、口語俳句について考える機会があって、口語俳句にこだわっている人々の俳句や五七五にさえなっていれば後は自由という作品などを、まとめて読んでみた。はっきり言って、なかなかよい句は見当たらなかった。なぜ、口語なのか。多くの句が、そのあたりのことを漫然とやり過ごしているように思えたからである。俳句のような短い詩型にあって、たとえば文語である「切れ字」を使用しないで物を言う口語は、かえって口語を不自由に窮屈にしているようだ。そんななかで、掲句は例外的と言ってもよいほどに、口語ならではの世界の現出に成功している。同じ心持ちを文語的に詠めないことはない。』(解説より抜粋)。今回は珈琲(カフェ)について文を書く機会があったのでご披露します。機会についてはこちら

「句読点」  
ウイスキーよりワインを好む。持論だが、嗜好品にはそれぞれの役割がある。ウイスキーは過去へのタイムマシン。10年ものであれば10年前に、30年ものであれば30年前に思いを馳せる。残念ながらその多くは回顧ではなく反省であり後悔、みなほろ苦い。ひとり静かに、バーの棚に目を泳がせながら聞くともなくジャズに耳を貸す・・これが小生のウイスキーの飲み方。かたやワインは今。手にしたワインのエチケットを眺め抜栓する。グラスにトクトクと注ぎ鼻を入れ口に含む。トクトクがワクワクとなり、脳の中で花開く。魅惑的な人と初めて話す時のようなワクワクである。さて、コーヒーはいかに。
 その昔「コーヒーは日常における句読点」とは美美(びみ)のマスターの言葉、言い得て妙。緑茶は読点にしかなれず、紅茶は句点、コーヒーのみが句読点となりうる。朝起きて鉄瓶を火にかけ豆を挽く、湯が沸くと温度計で確かめ、秒を計りながら湯を落とす。湯気の中の薫りを探りカップに口をつける。目覚めの儀式となっている。新聞やネットに目を走らせながら、粗熱が抜けていくとともに変化する薫りと味を楽しむ、至福の時。
 賞状の文章には句読点がない。勝手に解釈するに、賞状の文章は見る文章であり、読むものではないのだ。日常において句読点がなかったらどうなるだろう。昨年のこと、コロナ禍における飲食店時間短縮中、一人暮らしのバーテンダーが店を閉めた。時に二週間、長い時で四週間。日々の会話はコンビニやスーパーでの「ありがとう」くらい、気が滅入ったとのこと。日常における何気ない会話、仕事中の必要な会話、家族とのまさに日常会話。会話がなければ、句読点も必要ない。日常に句読点がなかったらこうなるのかも。
 日々の句読点、これがコーヒー。流されがちな日常に「喝」を入れ、日々是好日を実感させてくれる。一日の流れにメリハリをつけてくれる、リズムを与えてくれる。そして安堵の一杯である。珈琲美美の伝票には「ダルマサンガコロンダすきに 世の中も変わっとる ゆっくり珈琲ば飲んで 元気に起き上がってみんしゃい 何か手があるや呂」と。そんなコーヒーが私は好きだ。

「クラインガルテン」
 このドイツ語をご存じだろうか。直訳すると小さな庭、ドイツにおいて二百年以上の歴史を持つレンタル市民農園で、その多くは集合住宅が集まる都市中心部から離れた郊外にあり、小屋が併設されているものもある。週末になるとドイツ市民は野菜づくりに勤しみながら畑の脇でBBQしたり、小屋でくつろいだりと、実益を兼ねたレジャーとして人気だそうだ。先日、近所の「カフェ」でこの言葉を思い出した。
 「カフェ」とはひと昔前まで喫茶店と呼ばれ、コーヒーそのものでもある。以前、美美(びみ)のマスターから興味深い話を聞いた。もともとコーヒーチェリー(コーヒーの実)の果肉部分を乾燥させた、いわば「干しコーヒーチェリー」が商品であった。それを適量口に入れ、噛んで滲み出る汁を飲み込んではまた噛む、まさにチューイングガムのようなもの。この「干しコーヒーチェリー」をクチャクチャしながらお喋りに興じる、その時のクチャクチャ音がお喋り「チャット」の語源だそうな。さて、ベドウインはその「干しコーヒーチェリー」を商品として交易の旅に出るが、いかんせんカビたり腐ったりする。いつしか果肉に代わってコーヒー豆が主役となり、乾燥豆ゆえより遠くまで流通するようになったとのこと。
 「チャット」とは、今でこそネット上での対話も指すが、もともとおしゃべりである。古来、コーヒーとお喋りは好相性だが、飲みながらの対話はコーヒーが興奮剤であるためか時に討論となり激論化することもあったろう。近代、知識人や文学・美術などさまざまな分野のオタクが集い刺激し合う場としてカフェが存在し重要な役割を果たしてきた。まさにカフェでのチャットが「カルチャ」を生み育ててきたと言えよう。
 「カルチャ」と言えば、そのカフェにはコーヒーの香りに加え文化もかなり匂う。日常的に絵画、絵画的アート、立体造形の展覧があり、壁には日々変貌するアート「花」が生けてある。カウンターにはイータブルアート(食べられるアート)といえるビーガンスイーツが並び、カフェの一角には「坐って半畳」の茶室が不思議な空間を醸し出している。はたまた鉄製十六角柱椅子が片隅に鎮座しており、店主と常連客が太宰治について熱く語っている。時にライブが催されると聞く。カルチャの雰囲気漂うというより、ここでは「文化空気」を吸いながらコーヒーを楽しめる。
 ご存じの通り「カルティベート:耕す・栽培する」がカルチャーの語源である。なるほど「クラインガルテン」を思い出したのも合点がゆく。ここでは様々な文化野菜が植えられ栽培されている。小生のクラインガルテンはここである。そう言えば、カフェの名はカルチベートに似ていたような気がする。

タイトル二題で、音楽は三題。余談ですが、太宰治が山崎富栄と入水したのが昭和二十三年(1948年)六月十三日、発見されたのが十九日。奇しくも十九日は太宰の誕生日でした。皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

BBTime 577 六月四日

「六月を奇麗な風の吹くことよ」正岡子規

2022/6/6投稿
好きな句です。解説には『前書きに「須磨」とある。したがって、句は明治二十八年七月下旬に、子規が須磨保養院で静養していたときのものだろう。つまり、新暦の「六月」ではない。旧暦から新暦に改暦されたのは、明治六年のことだ。詠まれた時点では二十年少々を経ているわけだが、人々にはまだ旧暦の感覚が根強く残っていたと思われる。戦後間もなくですら、私の田舎では旧暦の行事がいろいろと残っていたほどである。国が暦を換えたからといって、そう簡単に人々にしみついた感覚は変わるわけがない。「六月」と聞けば、大人たちには自然に「水無月」のことと受け取れたに違いない。ましてや、子規は慶応の生まれだ。須磨は海辺の土地だから、水無月ともなればさぞや暑かったろう。しかし、朝方だろうか。そんな土地にも、涼しい風の吹くときもある。それを「奇麗(きれい)な風」と言い止めたところに、斬新な響きがある。いかにも心地よげで、子規の体調の良さも感じられる。「綺麗」とは大ざっぱな言葉ではあるけれど、細やかな形容の言葉を使うよりも、吹く風の様子を大きく捉えることになって、かえってそれこそ心地が良い』(解説より抜粋)。今回は奇麗な口元、白い歯についてのお話。

白い歯と言いながら手塚治虫氏ですが、実は関係ありなんです。タイトルの「六月四日」は『「む(6)し(4)」(虫)と読む語呂合わせから。漫画家・手塚治虫らの呼びかけで1988年(昭和63年)に設立された日本昆虫クラブが「虫の日」を制定。昆虫が住める街づくりを目指している』(引用元)。6/4は「虫の日」なのです。

同じく「6と4」で『1928年(昭和3年)から1938年(昭和13年)まで日本歯科医師会が、「6(む)4(し)」にちなんで6月4日に「虫歯予防デー」を実施していました。1939年(昭和14年)から1941年(昭和16年)まで「護歯日」、1942年(昭和17年)に「健民ムシ歯予防運動」としていましたが、1943年から1947年までは中止されていました。しかし、1949年(昭和24年)、これを復活させる形で「口腔衛生週間」が制定されました。1952年(昭和27年)に「口腔衛生強調運動」、1956年(昭和31年)に再度「口腔衛生週間」に名称を変更し、1958年(昭和33年)から2012年(平成24年)まで「歯の衛生週間」、そして2013年(平成25年)より「歯と口の健康週間」になっています』(引用元はこちら)。さて、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、去る四月からインレーに白い材料が保険適用になりました。(インレー:白い樹脂を詰める処置(1回で終わる)ではなく、型(印象)をとって次回歯にセット(2回必要)する処置)

CAD/CAMインレー:キャドキャムインレーと呼ばれるものです。今までも白いインレーはありましたが、材料がグレードアップしましたし、インレーの作り方が全く異なります(詳しくはこちらを)。患者さんの疑問について述べたいと思います。まず一番多い質問が「耐久性」について。銀色は「12%金銀パラジウム合金」と呼ばれる金属で、かたやCAD/CAMインレーは「ハイブリッドレジン」です。この材料だけを比較すれば金属であるパラジウム合金に軍配が上がります。ただしインレーを歯につける際に使用するセメントとの相性においては、CAD/CAMインレーの勝ちです。個人的意見としては「耐久性」に、ハズレにくいを加味すればどちらとも言えないと思います。CAD/CAMインレーに関してはネットにも記事が散見されます、こちらも是非どうぞ。

「割れやすい」からと金属インレーをすすめる歯科医もいます。嘘ではありませんが、CAD/CAMインレーの場合、もし欠けても場所によっては白い詰め物で修復可能です(CR充填)。敢えて付け足すなら・・その歯科医がCAD/CAMインレーに技術的に対応できていない場合もあります。CAD/CAMインレーは新しい材料ですので、当然のこと新しい技術が必要です(さほど難しくはないのですが)。

と言うことで、特に急ぐ必要のない部位であれば、銀色を白くするのをもう少し待つのも賢い選択です。また価格においては、セット時(完成時、歯にセットする時)の支払いに関してはCAD/CAMインレーの方が安いです。治療の部位が銀色になることは、小生の考えでは「治っていない」のと同じです。もともと白ければ、治療後も白いのが当たり前。今まで適切な材料がなかったために、白い歯が治療後は銀色になっていたのです。最後に、しつこいようですが、歯はもともと生えてきた時は白い奇麗な歯です。ムシ歯にしてしまうので「銀色か白か」と言うことになってしまうのです。ムシ歯にしなければ白いままなのです。一に予防二に予防です!皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

BBTime 576 今日でしょ!

「明日は又明日の日程夕蛙」高野素十

2022/6/2投稿
好きな句です。句の解説には『とにもかくにも今日の仕事を消化して、作者はしばし夕蛙の鳴き声に耳を傾けている。ホッとしている。明日もまた忙しいが、明日は明日のこととして、今日はもう仕事のことは考えたくないという心境だ。このように、昔は蛙たちが一日の終りを告げたものだが、いまの都会では何者も何も告げてはくれない。もっと言えば、一日の終りなどは無くなってしまっている。だから、明日の日程のために眠ることさえできない人も増えてきた。過労死が起きるのもむべなるかな。こんな世の中を愚かにも必死につくってきたのは、しかし私たちなのである。『雪片』所収。(清水哲男)』(解説より)。気持ちは理解できますが「明日は明日のこととして」と言えない今日この頃。コロナ然り、ウクライナ戦争しかり、気候変動然り・・。今日をしっかりしないと明日が来ない世の中になるのではないかと危惧します。思うだけでは世の中は変わりません、行動を起こさなければ・・言うは易く行うは難し。今回は最近気になっている曲のご紹介。