BBTime 288 風呂磨き

BBTime 288 風呂磨き
「風呂吹きにとろりと味噌の流れけり」松瀬青々

好きな句です、外は寒いけど目の前には味噌が溶けんばかりの熱々の大根。さて、先日(11/12)お風呂にまつわる話を耳にしました。「入浴習慣のある高齢者は要介護リスク低くなる調査結果」という記事。大まかな内容は「日頃から風呂につかる習慣がある高齢者は介護が必要になるリスクが低くなるという調査結果を、千葉大学などの研究グループがまとめました」「千葉大学などの研究グループは、入浴が健康に与える影響を調べようと、全国18の市町村に住む要介護認定を受けていない高齢者およそ1万4000人を対象に、3年間かけて大規模な調査を行った。調査では、ふだん、どれくらいの頻度で風呂につかっているかなどを事前に調べたうえで、3年後の状態を確認し、そのデータを統計的な手法を使って分析した。その結果、冬場に週7回以上、風呂につかっている高齢者は、週2回以下の高齢者より介護が必要な状態になるリスクが29%低くなったということ」出典はこちら

小生、一年を通してバスタブ派です。特に寒くなると歯ブラシを持ち込んでの入浴。長湯しながら唾液磨き・・オススメです。入浴で健康維持・ムシ歯予防・リラックス等々・・悪くないような気がしますがね。今年の冬は是非入浴を!

掲句の解説に風呂吹きの由来が出ています。「ところで「風呂吹」とは奇妙なネーミングだ。なぜ、こんな名前がついているのか。どう考えても、風呂と食べ物は結びつかない。不思議に思っていたところ、草間時彦『食べもの歳時記』に、こんな解説が載っているのを見つけた。「風呂吹の名は、その昔、塗師が仕事部屋(風呂)の湿度を調整するために、大根の煮汁の霧を吹いたことから始まるというが、いろいろの説があってはっきりしない」と」解説より。偶然にも本日(11/13)は漆の日。2850

今回は「入浴」にちなんでの曲です。




 

BBTime 287 ま、いいや

BBTime 287 ま、いいや
「煙草火の近づいてくる寒夜かな」盛生高子

先日、久しぶりに現物(画像)を見ました。さて、コンビニの入り口に喫煙者がいると遠回りします、煙(臭い)が苦手です。歯科でも禁煙について話すことがあります。昔から不思議なんですが「なぜ法的に禁止しないのか?」「法的に製造を中止しないのか?」。この議論になると色々な言い訳が聞かれます。「喫煙は嗜好品である」「必ずしも肺がんにならない」「煙草葉生産者保護」等々。かたや喫煙は病気であるとして禁煙は治療として保険適応です。喫煙しない多くの人の副流煙による害がニュースになります。原因が非常に複雑で、一筋縄ではいかないのでしょうかね。

ムシ歯にも似たところがあります。病因(病気の原因)は砂糖とムシ歯菌だとわかっているのですが、無くなりません。歯医者になりたての頃から「歯を磨けばムシ歯にならないのに何故予防できないのだろう」と自問自答してきて三十年あまり・・。なんとなく真の理由がつかめてきました。

これで「太らない・痩せることができる」というダイエット方法はただひとつ「食べないこと」です。しかし「食べない」と人は生きられません。ムシ歯予防法もこれと同じような気がします。普通の日本人において「砂糖を摂取しない」は不可能です。「ムシ歯菌がゼロ」も無理です。口の中に歯が無ければ絶対にムシ歯になりませんが、これはハナシになりません(笑)。昔から歯医者は特にムシ歯の子供さんに「お菓子を食べ過ぎるな」「歯をしっかり磨け」など、親御さんの小言のようなことをさも「正しいこと・必要なこと・実行すべきこと」かのように説いてきました。今思えば「無理なこと・不可能なこと・実行できないこと」を言っていたに過ぎません。子供さんにとって馬耳東風となるのは当たり前です。

国際結婚カップルのお子さんがバイリンガル可能なのと同じような気がします。ムシ歯にならない・ムシ歯がほとんどないのは「これ」をしたからというよりも言わば「育ち・環境」でしょう。もちろん「親御さんの仕上げ磨き」「フッ化物やキシリトールの活用」「砂糖摂取への配慮」などは考えられますが、「これのみ」でムシ歯ゼロは難しいと思います。

もうひとつ思うことがあります。愛煙家は頭のどこかで「肺がんになってもま、いいか」と思い、「ムシ歯あるけど、ま、いいか」と考える人もいるということです。つい歯医者は「ムシ歯は治療すべきだ」と、ムシ歯を見つけると「ここムシ歯ですね」と伝えますが、それは歯医者の考えであり「別に一本や二本ムシ歯があっても困らないし」と思う人がいるのも事実です。太っていても「ま、いいや」痩せていても「ま、いいや」タバコ辞めなくても「ま、いいや」・・。こう考えると「喫煙は文化」「肥満はスタイル」「ムシ歯は生き方」とも言えます。ムシ歯がなくならない理由は「本人が選択している」からではないでしょうか。同じセンタクなら「歯の洗濯」を選んで欲しいと思うのは歯医者だけ?

句の煙草火を解説では不気味と捉えているようですが、タバコ火の思い出をひとつ。これまでに自分の意志で数箱買いました。学生時代、バイト(家庭教師)の帰りのこと、小倉の冬はかなりの寒さです。バス停に近づくとタバコの自販機・・ここで一服つけると温かくなれるのでは・・と思い硬貨を入れました。出てきたキャビンの赤い箱の封を切りながらふと・・喫煙しないのでライターを持ってないことに気がついて苦笑い。しかし良き時代だったのでしょうね、自販機に紐付きのライターひとつ、蓑虫のようにぶら下がっているではないですか!マッチ売りの少女よろしくライターの火にも暖をもらって一服・・。この時も二本目吸わずに友人にあげました・・「もう吸わなくても、いいや」本日立冬、ご自愛のほど。0380

BBTime 286 チョコとスマホ

BBTime 286 チョコとスマホ
「綿菓子の糸の先まで小春巻く」高井敏江

先日のニュース:スマホと相性が合わず「森永♬チョッコフレーク」が終了とのこと。記事では「1967年の発売以来、半世紀以上、愛され続けている「森永のチョコフレーク」が来年の夏までに生産を終了することが発表された」・「売り上げが減少した理由について森永製菓は、「チョコレートのトレンドがリッチ志向に変化していること」と、「チョコフレークとスマートフォンの相性の悪さ」をあげた」等々。同じく終了の憂き目に会うのが「キスミントガム」。

「江崎グリコは4日、1987年発売のロングセラー商品「キスミント」の生産が終了し、在庫が無くなり次第販売を中止することを明らかにした。ガム市場は年々縮小傾向にあり、日本チューインガム協会によると「チューインガム小売販売額」は2004年の1881億円から2017年は1005億円に減少している」記事より。両者ともスマホが一因になっているようです。
「森永製菓が50年あまりの歴史があるチョコレート菓子「チョコフレーク」について来年6月にも生産を終える。江崎グリコもロングセラー商品のガム「キスミント」の生産終了を発表した。チョコレート菓子の多様化やグミやタブレットなどライバル商品の台頭のほか、スマートフォンの普及で「手がべたつく」「陳列棚を見ない」との声も出ている。身近なお菓子が姿を消す背景には、若者のトレンドの変化がありそうだ」記事より。

その昔ハナ通信に「携帯電話でムシ歯予防」を書きました。2000年7月のことです。「ラジオでこんなことを話していました。「かなりの女子高生が携帯電話を持つようになったため、アイスクリームの消費量が落ちた」。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話ですが、要するに、これまでアイスクリーム消費の中心であった十代の女性が、携帯電話を持ち、電話代をお小遣いから捻出するためにアイスクリームを買えなくなった、とのことでした。ピピッときました。携帯電話でムシバが減る!アイスクリームを食べないということは、もちろんムシバになりにくいし、しゃべることで唾液の分泌を促しさらになりにくくなる。以前、電車内で大きな声で傍若無人に電話している女子高生を見ると、カチンときましたが、今は逆です。もっともっと話してムシバ予防。電話でおしゃべり気付かぬうちにムシバ予防。携帯電話で長電話ムシバにならずに歯が奇麗、できれば言葉も奇麗に使って!!」ハナ通信No.34より。

平成もあと半年を切った今、携帯電話はスマホとなり音声通話よりも指でピッピッピの時代です。ムシ歯が減るのは大歓迎ですが「指がべたつく」だけでなく「歯が汚れる」「ムシ歯になりやすい」からそのお菓子を敬遠するようになってもらえば歯科医として万々歳です。チョコフレークが箱から袋入りになったことも知りませんでしたが、小生としてはCMフレーズが記憶に残る二つのお菓子が消滅するのも寂しい気はします、なくなる前に一度食べてみようかしら・・。

掲句の小春は解説に「季語は「小春」で冬。陰暦十月の異称で、まるで春のような穏やかな日和のつづくことから、小さな春と呼ばれるようになった」と。今年は11月7日が立冬ですので11/08からが陰暦十月となります。

「降る雪や明治は遠くなりにけり」中村草田男
有名なこの句を踏まえて「フレークや昭和は遠くなりにけり」です。平成もあと半年、次の年号は?8670



108cafe 004 ウム!

108cafe 004 ウム!
「舌噛むなど夜食はつねにかなしくて」佐野まもる

句の解説を読むと「夜食は悲しいもの」のようです。以下引用「なぜ「かなし」なのかといえば、夜食は本来夜の労働と結びついおり、夜遊びの合間に食べるというものではないからである。夜遅くまで働かないと生活が成り立たない、できればこんな境遇から逃げ出したい。そんな暮しのなかにあっての夜食は、おのれの惨めさを味わうことでもあった。ましてや「舌噛むなど」したら、なおさらに切ない」解説より。今回は「舌」についてのウム!

ラボへのレポートより引用。
有無について。有無:有る無し、すなわち有るものと無いもの。臨床、口腔内に有るもの=「舌・頬粘膜・唇・顎関節・声・バイトの動き・色・動揺」。無いもの(できないこと)=「舌側から見ること」「多方向から見ること」
一方ラボにあるもの=「多方向から見られること」。ラボにないもの=「舌・頬粘膜・唇・顎関節・色・歯牙の動揺」。
それぞれ有無があります、それぞれの有無を必要に応じて補完しあう必要があります。今回試適で痛感したのは、義歯特にPD試適の際の機能、中でも話す・発音確認です。

口腔内に異物が入る(義歯装着)ので当たり前と思われるかもしれませんが、当人(患者さん)にしてみれば大事件なんです。
1)口腔内セットでの非常な違和感 2)喋りにくい・話しづらい 3)飲み込みづらい・嚥下困難 4)見栄え・審美性の問題 5)咀嚼できない・咀嚼しづらい
ヒトの体はある意味、究極の形です。「形態は機能に従う(Form Follows Function)」という言葉があります。理想義歯も「Form follows function.」で、ファンクション(機能)のメインのひとつが「発音」です。だって異物が入るんだからしょうがないじゃん!なんですが、よーく考えてみてください。歯牙欠損だから義歯を入れるんです。しかし、欠損歯牙(人工歯)以外にも床・クラスプ・バーなどが必要です。そこで、いかに欠損以外のデンチャーゾーンを見出すか!床・クラスプ・バーに関しては極力スリムな形にするかが肝要となります。

具体的には何でもいいのですが、小生は「住所二回」言ってもらいます。現義歯(旧義歯)があれば、まず現義歯で住所二回。続いて試適義歯を口腔内に入れて住所二回。現義歯より発声しやすければオーケーですが、さもなければ原因を追求し改善必要ありです。簡単です!PIP(Pressure Indicator Paste)を舌側に塗って住所二回言ってもらいます。刷毛目が乱れている・消えたところは問題ありのエリアです。そのエリアの床(ワックス)を薄くする・削除(狭くする)などが改善策として考えられるでしょう。・・より詳しく書くとキリがないので、今回はここまで。

「長き夜やあなおもしろの腹話術」中村哮夫
腹話術で世界的に有名ないっこく堂氏です。外見上唇の動きは少ないので舌の動きが重要です。話せない義歯は義歯ではありません、もちろん食べられない義歯も義歯ではありません。「入れ歯だから・・しょうがない」と諦めるのではなく、是非!「話しづらいのですが」と歯科医師に伝えてください。ある男性は義歯を新しくして話しづらくなって電話の応対を躊躇するようになり業務から電話応対を外したとのこと。これではなんのための入れ歯なのかわかりませんよね。8330