BBTime 506 ストリート予防
「美しく木の芽の如くつつましく」京極杞陽
大好きなタラの芽です、もちろん天ぷら!句の解説には(男目線だと突っ込まれそうですが)『女人の理想像を求めた句だろう。実像の写生だとすれば、かくのごとき女性と親しかった作者は羨ましいかぎりであるが……。「木の芽の如く」という比喩が印象的だ。木の芽そのものも初々しいが、この比喩を使った杞陽も実に初々しい。清潔な句だ。実はこの句は、戦前(1936年)のベルリンで詠まれている。というのも、当時若き日の杞陽はヨーロッパに遊学中で、日本への帰途ベルリンに立ち寄ったところ、たまたまベルリンに講演に来ていた高浜虚子歓迎の句会に出席することになり、そこで提出したのがこの句であった。虚子は大いにこの句が気に入り、後に「ホトトギス」(1937年12月号)に「伯林俳句会はたとひ一回きりで中絶してしまつたにしましても、此の一人の杞陽君を得たといふことだけでも意味の有ることであつたと思ひます」と書いているほどだ。以後、作者は虚子に傾倒していく。外国での虚子との偶然に近い出会いから、京極杞陽は本格的な俳人になったのである。その意味では、出世作というよりも運命的な句と言うほうが適切だろう』(解説より)。若き日とは26歳頃のようです。今回は若き教授:武部貴則(たけべたかのり)氏の著書「治療では遅すぎる。」について
本では「ストリート・メディカル」という概念を打ち立て、その意味するところを実例を挙げて論は進みます。『ここで、ストリート・メディカルを定義してみよう。ストリート・メディカルとは、扱うべき対象が「病(Disease)」から「人(Humanity)」にシフトすることを通じて、古典的な臨床医学の範囲を超えて、人を扱うことによって広がる拡張領域を指すものである。したがって、ストリート・メディカルという概念の導入によって、医療は無数の答えを用いる広大な実践領域へと発展するものと予測する』(65頁より)。
同感!まさに持論の「後手後手医療から先手先手予防へ」です。繰り返しになりますが、病気とされるものの中でほぼ100%予防可能な病気は「ムシ歯」です。治療を一歩進めて(と言うより)、いいえ治療の一歩手前が「予防」です。「病から人へ」の予防がストリート予防となるのでしょう。ムシ歯を回避するための行為行動(ムシ歯予防)ではなく、その人が人生をよりよく生きるため(QOLアップ)の行為行動がストリート予防。具体的にどうするのか?歯科医師のみならず歯科医療従事者(予防のプロ)は、診療所を出て人々の生活に溶け込むサービス(予防行為)の実践です。
まだ詳細は書けませんが「美味しいモノを食べながらのムシ歯予防」で「ムシ歯予防カフェ」です。今夏くらいまでには具現化の目処をつけます。武部教授については、記事「病気にさせない ストリート医療」や「生活の質にこだわる医療 ストリート・メディカルとは」に詳しく載せてありますので是非お読みください。ではでは皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。今回ご紹介する曲はワンダフルな教授を賞賛して「Wonderful」などを。5990
月: 2021年2月
BBTime 505 つばき
BBTime 505 つばき
「赤い椿白い椿と落ちにけり」河東碧梧桐
如月も早、中旬です。解説には『碧梧桐初期の代表作。教科書にも出てくる。が、厄介な句だ。碧梧桐の師匠だった正岡子規は、この句の椿を既に根元に落ちている状態だと見た。しかし、そうではなくて、映画のスローモーションのように、二つの椿が落ちつつある過程を詠んだと見る専門家も多い。「落ちにけり」はどちらにでも解釈可能だから、どちらが正しいとももちろん言えない。私の好みからすると「スローモーション」派になるが、現代ムービーの技術に毒された感じ方かもしれないとは思う。ところで、椿の花は、この句のように「散る」のではなく「落ちる」のである。山国で暮らしていた子供の頃には何度となく目撃したが、その様子は子供心にも「痛み」を感じさせられるものであった。偶然に見かけるだけなのだけれど、よい気分はしない。この句を日本画のように美しいと言う人もいるが、逆に作者は椿の落ちる不愉快を詠んだのかもしれない。あるいは、時代への川柳的な諷刺句かもしれぬ。後に自由律に転じた碧梧桐のことだから、そういうことも十分に考えられる。つまり、俳句はこのように曖昧なのだ。上り調子の巧みな俳人ほど、曖昧な句を作ってきた。私たちの人生と同じように、しかし曖昧だからこそ、俳句は面白いのである。』(解説より)とあります。「曖昧だからこそ面白い」・・人生も。今回は同じ「つばき」でも「唾:ツバキ」のお話。
新明解国語辞典には「つばき」=つばの意の「つ」+「吐き」とあります・・となると「吐く」のでツバキ(唾)なのかもしれませんが、NHKニュースに気になる「唾棄できない」記事が!『徹底調査!洗面所での新型コロナ感染リスク』・・内容は次のようです。
『去年12月、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が2件発生しました。共通していたのは「歯磨きやうがいなどを行う洗面所が感染元だと推測された」ということ。当初の報道では、蛇口にウイルスを含む唾液が付着し、それを触ったことによる接触感染が感染を拡大させた可能性が高いとされてきました。しかし、調査を行った保健所や歯科医師会に取材を進めると「蛇口のほかにも感染リスクがある」ということが分かりました。それは「エアロゾル」です。エアロゾルとは、煙のように目に見えない微細な粒子のことで、空気中に長時間漂うという特性があります。吸い込むと、ウイルスが一気に肺まで到達してしまい、重い肺炎などにつながる危険性があると考えられています。』(出典はこちら)
『今回「あさイチ」では、専門家の協力のもと特殊な撮影機材で洗面所でのエアロゾルを可視化する実験を行いました。その結果、歯磨きを1回行うと、大声で話し続けるときと同量のエアロゾルが発生することがわかりました。特に、前歯の裏を磨くときに大量のエアロゾルが出ることがわかりました。』(記事はこちら)動画はこちらをご参照の程。
対策として『対策としては、換気をよくして改めて三密対策を徹底することに加えて、歯を磨く際に口元を手で覆うことや、うがいをする際には口に含む水を少量にして、低い位置から吐き出すようにするのが有効ということです。』(引用元)。
もうひとつ提案!「唾液磨き」です。記事によると「唾がエアロゾルとなって周囲に拡散する」ことがリスクを高める、とあります。その点が閉口するのであれば・・「唾液磨き」と「閉口磨き」はいかがでしょう。1)まず、洗面所に行かずに、自分のデスクやひとりポツンと 2)歯ブラシをくわえて(閉口:口を閉じて)の唾液磨き 3)溜まった唾液は、そのままゴックン 4)唾液で濡れた歯ブラシはティッシュなどで拭きケースへ 5)帰宅後、もしくは頃合いを見て(混んでいない時に)水洗いします。6)手元に水やお茶があれば、ひとくち含んでグジュグジュゴックンして終了です!
歯磨き粉を使うと「洗面に立たないといけない」し、「飲み込めない」から「吐き出す必要がある」のです。私見ですが「歯磨き粉は必須ではありません」し「唾液中のIgA(アイジーエー)抗体利用」できるのは「唾液磨き」です。洗面での歯磨きが「エアロゾルによる感染拡大のリスク」となるのであれば、ひとりポツネンと口閉じての唾液磨きの方がベターです。唾液磨きに抵抗のある方は「フリスクやミンティア」などを口に放り込んでの唾液磨きなどいかがでしょう。
画像のように椿も色々です・・あなたに合った歯磨きを見つけてみてください。決して「歯磨き粉を使わなければいけない」とか「デスクで磨いてはいけない」とか、ありません。皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。3290