BBTime 631 ラジオ出演

「人間に寝る楽しみの夜長かな」青木月斗

2023/09/16投稿
先日(9/9)地元民放ラジオ(MBC)出演でした。句の解説は『秋の「夜長」。ようやく暑い夜の寝苦しさから解放されて、一晩通して眠れるようになった。この時期にこの句を読むと、はらわたに沁み入るようなリアリティを感じる。とくに会社勤めの人たちにとっては、そうだろう。私もサラリーマン時代には、寝る前にひとりでに「寝れば天国」とつぶやいていたものだった。若かったから、むろん寝ない楽しみもあったけれど、くたくたに疲れて眠る前の至福感もまた、格別だった。江戸期の狂歌に「世の中に寝るほど樂はなかりけり浮世の馬鹿は起きて働く」があり、これは昼間も寝ている怠け者の言い草を装っていながら、眠らないで頑張る人たちへの痛烈な風刺になっている。なぜ、そんなに頑張るのか。わずかな蓄財のために、親方に鼻面をひきまわされながらも頑張って、それでお前の一生はいいのかと辛辣だ。当時の私はこの狂歌を机の前に貼り付けて、何もかもぶん投げてしまいたいと切に願っていたが、ついにそういうことにできずに、今日まで来てしまった』(解説より抜粋)。寝る楽しみもさることながら「食べる楽しみ」もあります。ラジオで話した内容を文章化してみました。

「おやつ堂」はどんなお店ですか?
・・おやつ堂には「ムシ歯予防カフェ」が枕詞として付いています。メニューは看板の「ソンナバナナジュース」をはじめ、コーヒー、抹茶、ワインなど飲み物は全て砂糖を含みません、砂糖ゼロです。飲み物以外ではドーナツ、和菓子、チーズなどを常備しております。全て取り寄せで言わばスイーツのセレクトショップです。

「ムシ歯予防カフェを開こうと思ったのは?」
・・1990年に歯科医院を開業しました。開業当初、子供さんのムシ歯を見つけると親御さんを診療室に呼んで「ここがムシ歯です」「甘いものをあまり食べないように」「もう少ししっかり磨くように指導してください」とか真顔で話していました。ある時、小学四年生くらいの男の子だったでしょうか。ムシ歯があったのでお母さんに「もっと磨くようにいてください」と話したところ、お母さんが男の子に「だから言ったじゃない」と。すると男の子は「僕、磨いたもん」お母さん「でもムシ歯ができてるじゃない」男の子「ちゃんと磨いたよ」・・二人は徐々にヒートアップして男の子は泣き顔に・・。はたで見ていて「そうだよね、この子はちゃんと磨いたんだ!けど磨き方が足りなかっただけだ」・・。
そのような経験を踏まえて、2011年に天文館近くにクリーニング専門の「ニコラ歯科」を開業しました。自費診療の歯のクリーニング専門施設です。「歯は、磨いてももらうもの」を掲げてのオープンでしたが、約十ヶ月で閉めざるを得ませんでした。

その後、勤務医として働きながらも、頭の中では「歯を磨けばムシ歯にはならない、予防できる、回避できる!」との考えが渦巻いていました。病気の中で唯一ほぼ完全に予防できる、回避できる病気が「ムシ歯」。かたや巷では「グルメブーム」・・ランチ、ディナーからスイーツに至るまで。年を経るごとに盛り上がります。グルメブーム、美味しいを求める欲望とムシ歯予防を結びつけられないかと悶々する日々でした。
 ある時「あれこれ難しく考えずに、ムシ歯予防とグルメをシンプルに結びつければ良いのでは?」・・この時、ムシ歯予防カフェの誕生です。より美味しく食べるためには、口の中の食器(食具とも言います)が、食器である歯がキレイでなければ味わえません。美味しいと思われた時に、少しでも口の中の食器の大切さ・健康を再認識していただければと思うのです。このような考えのもとに、ムシ歯予防カフェが私にとっての究極の予防歯科スタイルです。

ムシ歯予防カフェと謳っているには根拠があります。ドリンクは砂糖ゼロでもスイーツには砂糖が入っています。心配御無用、希望される方には歯磨きのプロ(歯科医師)が歯磨きチェックをします。また、その人に合った歯磨きのタイミング、歯磨き粉(歯磨きペースト)の選び方、使い方もアドバイスいたします。ドリンク砂糖ゼロだけでは勿論不十分で、プロの歯磨きチェックがあるので「ムシ歯予防カフェ」なんです。

近年の研究で歯周病と認知症の因果関係、ズバリ言うと、認知症の発症のひとつの原因が歯周病であることが明らかになりました(BBTime603「プラーク三種」参照の程)。
「美味しい」の一言が歯を守る。ムシ歯予防は歯周病予防につながり、歯周病予防は認知症予防につながる。「美味しい」の感動が人生を守る、「美味しい」のひと言が人生を味わい尽くす秘訣であると心から思います。

以上がラジオで話した内容です。おやつ堂に是非お越しください。営業日営業時間などはインスタグラムにてお知らせしております。では皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。

BBTime 630 ほぼ日二題

「腿高きグレコは女白き雷」三橋敏雄

2023/09/02投稿
九月ですが秋は来ませんね。句の解説は『ジュリエット・グレコ頌。腿は「もも」。いったいにシャンソン歌手は女性のほうが毅然としているが、なかでもグレコは群を抜いている。舞台か映像か、黒衣の彼女の歌いぶりに集中していると、その身体から白い雷が発生しているように思えたというのだ。「腿高き」が、作者の心酔度の高さを示している。私は仕事で一度だけ、来日した彼女に会ったことがある。初秋だった。半蔵門のスタジオから、紅葉のはじまりかけた皇居の森を見て「これはいまの私の色ね」と言って微笑した。つまり、自分は人生の秋にさしかかっていると言ったのである。気障なセリフだが、グレコが言うと素直に納得できるのだった。『まぼろしの鱶』所収。(清水哲男)』(引用元)。頌:しょう。句はいまいち腑に落ちませんが。最近読んだ「ほぼ日」から二題ご紹介。

一題目:8/31のほぼ日
『・若いときは、雑誌になにか原稿を頼まれたとき、
 「パンツはトランクスがいいか、ブリーフか」だとか、「ラーメンライスは是か非か」なんてことも書いていた。しかし、いつのまにか「どっちがいいか」みたいなことは、ほとんど書かなくなっていることに気がついた。
 どっちがいいとかいうことを、考えなくなっていたのだ。かんたんに言えば、「どっちだっていい」し、その言い方が冷たすぎるなら「どっちもいい」なのだ。なんで、わざわざどっちかを決めようとしていたのか。いまではもう、まったくわからない。いいと思ったら、どっちを選んでもいいし、なんなら、両方を選んでもいい。』

『トランクスかブリーフかビキニか、なんでもいい。こしあんか、つぶあんか。どっちもうまい。豆腐は、絹ごしか、もめんごしか、両方いい。
 選ばなきゃならいこともあるだろうよ、そしたら、その日、そのとき、どちらか選ぶだけだ。次の機会があるのだから、次にまた考えればいい。

 ぼかぁ、もう、まったく「毅然」としちゃってるのだ。迷いも後悔もない、どっちもいいんだもの。よくよく考えてみると、「どっちもいい」どころか、「あんまりよくなくてもいい」とさえ言える。ほんとはたいていのことが、「どっちでもいい」と、「どっちもいい」、「どれでもいい」なんだと思うんだよ。』

『・でも、たぶん人は「思考の練習」をしたいのだろうな。こしあんと、つぶあん、どっちがいいかを考えたいんだ。仲間に対案を出させたり、それをやりこめたりして遊ぶ。子どもがプロレスごっこをして遊ぶみたいに、「思考や判断ごっこ」や「論争ごっこ」をしたいんだね。
 きっと、ぼく自身にしても若いときは、そういうことがやりたくて、「どっちがいい」というテーマで遊んでいたんだろうな。だとしたら、これからは、よくあるようなどっちがいいの在庫から考えるんじゃなくて、もっと別の「思考や判断ごっこ」をしたほうがいいね。お笑いを仕事にしている人たちなんか、やってるもんね。「思考や判断ごっこ」って、お笑いの基礎なのかも。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。答えのおもしろさは、設問が決めてくれる。逆も、またある。』

たまに「歯磨き」について聞かれます。毎食後磨くのが良いか?朝食前か後か?等々。一日一回でもOKです、キレイになれば、と答えます。回数、歯磨き時間などの数字ではなくて目的は歯をキレイにすること。歯を使わなければ汚れませんが、そうはいきません。口の中の食器(歯)は替えがききません。その日の就寝時に口の中がキレイであればいいのです。

「どっちでもいい」・・これは前回「一膳九皿」で書きました、二食か三食か?それが問題だ!ではなく、その方(施設利用者)が必要としている回数(食事量)が正解です。離乳食や子供さんの歯磨きも同様で、何歳何か月だからではなく、その子供さんの歯の生え方、本数などで判断すべきでしょう。「ほぼ日」の言わんとすることと少々ずれるようですが、迷ったらゴール・目標・目的をきちんと見定めれば目の前の回数や数字はさほど重要ではないような気がします。電動歯ブラシの表示が二分だから終了ではないのです・・と思いますがね。続いて二題目9/1のほぼ日。

『・人は、山や森の景色を目にしたときに、ざっくりと「自然はいいなぁ」とか言います。しかし、自然というものの定義が、「人の手を加えない状態」であったとするならば、そこで目にしているものは自然ではないのであります。
 なんて、理屈っぽいことを言ってますが、早い話が、「自然に見えてるものは、人の手が入ってるよ」と。人の住む地域で「自然」として扱われているのは、だいたい「里山」と呼ばれる、人と自然の合作だよ、と。』

『人の手が入った自然ということばで、ふと思いました。人の身体も、「里山」に似ているんじゃないかなと。もともと、髪を切ったり、髭をそったりということも、服を着ることも、薬を飲むことも、人の手が入っています。人の身体という自然は、野生のクマやイノシシとちがって、生まれた次の瞬間から「里山」なんですよね。』

『じぶんのことを考えると、すごいですよ、手の入り方が。歯はインプラントのネジで顎の骨に差し込まれていて、歯そのものも数本がジルコニアだし、寝るときにはマウスピースをしています。メガネは近くを見るにも遠くを見るにも必要で、耳は必要に応じて補聴器をつけています。毎日、指示された薬をまちがいなく飲んでいるし、風邪をひいたりして別の薬が足されることもある。年に二回は身体のあれこれを最新の器械でチェックし、定期的に血液や尿からさまざまなデータをとっている。昨年の春からはワークアウトをまじめにやることにして、週に二回ずつはトレーニングをやっているわけで。
 人間のかたちをした「歩く里山」ですよ、ぼかぁ。』

『生まれたままのじぶんだったら、どうだったんでしょうか。少なくとも、歯についてはもう総入れ歯だったでしょうね。よく「医者にかかったことない」というご老人がいますが、そういう方がいざ症状を訴える段階になると、手をつけるのに困難な病気を抱えてたりもするらしいです。
 原生林みたいに、アメリカの自然公園みたいに生きるのは、実際、かなり人間には無理なんだよなぁと思うのです。ま、昔の人たちのように寿命が短ければ、あちこち悪くなる前に人生を終えていたんでしょうけどね。「人間は里山」、もとは自然だけれど、人の手が必要です。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。「人の手」が入るというのは、ある意味ありがたいことです。』

最後の下り「人の手が入るというのは、ある意味ありがたいこと」・・同感賛成です。ムシ歯予防・歯周病予防のコツはただひとつ!「歯は、磨いてももらうもの」ハッキリ言って(すみませんが)、ご自分だけでの歯磨きでは不十分です。その不十分さがムシ歯をつくり、歯周病を引き起こすのです。せめているのではなく、自分だけではできないことを知って欲しいのです。是非「人の手」を借りてください。皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。