ブログゼミ007—薫風

風ふく街のニコラ歯科No.2(オリジナルはこちら

「薫風:くんぷう」
薫風とは「初夏、若葉の香をただよわせて吹いてくるさわやかな南風」と辞書にあります。初夏・若葉と聞くと中村草田男の「万緑の中や吾子の歯生えそむる」という句を思い出します。さて㈱松風が唱えるMiCD=Minimally Invasive Cosmetic Dentistry (最少侵襲による審美歯科治療)には「C」がはいっています。今回はCにちなんで、前回の「愛のピラミッド」のベースになった「4C理論」のお話です。

今から15年ほど前、福岡歯科予防研究会(現NPO法人ウェルビーイング)のセミナーの中で「CureからCareへ、CareからHealth Promotionへ」という考えを教わりました。この時、ふとキュア・ケアがCCなので、これに続くCは?と考えたのが「CureからCare、CareからCommunicationへ」です。例えるならば、転んで膝を切って数針縫ったがキュア(治療)、スリキズですんで唾つけて治ったがケア(手当)、「そこに段差があるから気をつけて!」の一声で転ばずにすんだがコミュニケーション。その昔「C調言葉に御用心」とサザンは唄っていましたが、調子に乗って4つ目のCを考えました。これが「Custom:習慣」のCです(図1参照)。

また2007年に「イケメンセミナー(=いい経営面の感覚を磨くセミナー)を開催していた時のことです。これら4つのCの位置関係を考えました。初めの三つのCCCが直線上に並ぶであろうというイメージはすでにありましたが、4つ目のCはどこに位置するのか?結論は図2を見て下さい。どうです、この図、なかなかスゴイと思いませんか。Cure(治療)Care(手当)はマイナス象限に位置し、Com.とCustomはプラスの象限に位置します。

図の左端を見て下さい。患者さんは困り事を持っています、困り事すなわちニーズ。歯が痛い、詰物がとれた等々、これらはLose(失う)でありLack(欠如)です。何かを失った状態というニーズをもって来院されます。一方、右端を見て下さい。患者さんのニーズ(必要)に対して、こちらはデザイア(欲望)であり、Loseに対してGain(得る)だけです。右上の来院者の方は失うモノはないのです。日本語のニーズとデザイアとは似ているようですが、英英辞典で見るとその差は明白です。「あるべきモノにおいて欠けている」のがニーズで、「とても欲しい」がデザイアです。(Needs: the lack of something necessary, Desire=a strong hope or wish)繰り返しますが、患者さんは困り事(ニーズ)を持って来院されます。かたや右上の予防目的やメインテナンスの人々は、ニーズではなくてデザイアです。言い変えると、轍を踏まないために、もちろん白い健康な歯を維持したいためになど、困り事(ニーズ)はなくとも来院されるのです。ニーズを持つ人には、こちらから積極的にアプローチしなくても問題解決(治療)の必要性をご本人が感じて来院されます。しかし左上の人々は、言わばノーニーズ(必要性の無い)の人々です。必要性を感じない人へのひとつのアプローチが習慣化、カスタムではないでしょうか。次回は、さらに5つ目のCのお話です。

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