口の中も大掃除ーミテンの本棚より

口の中も大掃除-バイオフィルムの掃除! ミテンの本棚より

早いもので、残すところ一週間余りとなりました。
昔ほど、年末らしさが感じられない昨今ですが、
年賀状、大掃除など「やらねば」が・・(汗)。
今回は口の中の大掃除のお話し。

皆様は「バイオフィルム」という言葉を
聞かれたことがありますか?

このバイオフィルム、結構、歯科で話題になっています。
名前だけ聞くと、何かしらやわらかそうで、
体に優しそうな、オブラートのようなイメージですが、
実際は全くその反対で、かなり体にとっては危険で、
手強いものなのです。
歯の表面はエナメル質といって
ツルツルしているように見えますが、
顕微鏡的には細かい溝があり、
わりとザラザラしています。
その溝やでこぼこに細菌や食べ物がくっつくわけです。
ムシ歯菌といわれるミュータンス菌は砂糖をえさとして、
ネバネバとしたものを作って歯の表面にへばりつきます。
このネバネバの中でミュータンス菌は増え続け、
しだいに歯の表面に分厚いバイ菌の膜を作っていきます。
この膜を「バイオフィルム」といいます。
このバイオフィルムの下では、
作られた酸によって脱灰がおこり、
ムシ歯が作られていくわけです。
さらに怖いことには、
このバイオフィルム1グラムあたり
1000億個ものバイ菌がすんでいます。
その中には、もちろんミュータンス
(ムシ歯菌)以外のいろいろなバイ菌もすんでいます。
これらのバイ菌はバイオフィルムの存在によって、
抗生物質や薬液からガードされ、生きて増え続けます。
さらに厄介なことに、そのバイオフィルムの中で、
いろいろな突然変異のバイ菌が生まれてきます。
言うなれば「突然変異実験工場」!
そうして、突然変異したバイ菌が何かの拍子に、
巣窟であるバイオフィルムから飛び出て、
肺や胃の中へ入っていきます。
そうなると、
それらのバイ菌が肺炎やそのほかの病気を
引き起こしかねないことは想像に難くありません。
さらにさらに面倒なことに、
バイオフィルムができてしまったら、
いくら歯ブラシでゴシゴシこすっても取れないということです。
もちろん鏡で見ても分かりません。
今のところ、そのバイオフィルムを剥がす方法は
歯科医院でのPMTC(専門家による歯のクリーニング)のみです。
いまハッと、口に手を当てられた方、
どうぞ、ご相談ください。
私たちが、バイオフィルムを除去してさしあげます!

参考文献 「もう虫歯にならない!」花田信弘
(大学の先輩です)新潮OH!文庫

PMTC=専門的器具使用歯牙清掃

天然歯を思う存分使うこと
(食べる、飲む、話す、唄う、笑う、ほほえむ、
噛む、食いしばる、歩く、スポーツする、etc.)
が患者さんの仕事なら、
その歯を守り維持することが歯医者の仕事です。
そこでPMTC。
なにやらムズカシソウな言葉ですが、
簡単に言えば、茶シブ取り、ヤニ取り、
オーラルエステ、歯のクリーニングです。
北欧で開発された今までにない新しいステイン除去法で、
痛くなく(キキキ・・・ともひびかず)、
歯の表面をキズつけることもなく
ステインやバイオフィルムを取り除き、
表面をツルツルにします。
同時にフッソ塗布も行いますので続けることにより、
ムシバ予防、ひいては歯ソーノーロー予防の効果もあります。
(ステイン=ヤニ、茶シブ、コーヒーシブなどの外来性の付着物)

歯は白く ハグキピンクに 吐息は甘く

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