予防 2.0-002-0823
「予防処置は消火器である」
歯科予防処置の中には、はっきりと「予防」と言えるものもあります。
シーラント、カリエスフリーな方のメンテナンス、などでしょうか。
昨日、書きましたように、予防処置と考えられている多くの内容は、
予防処置ではなく「初期治療」「軽微な疾患に対する治療」です。
まずは「予防処置」と「初期治療」を我々(歯科医療従事者)が区別すべきです。
総健全歯の子どもさんへのフッ素塗布、バージンティースへのシーラント・・
などが「予防処置」と言える処置で、それ以外は「初期治療」でしょう。
こう考えると、現在「歯科予防処置」と言っている処置の多くは
「悪化防止処置」であり「予防処置」ではないと言えます。
「悪化防止処置」「軽微な治療」「初期治療」「メインテナンス」などの言葉の方がベターでは?
いずれにせよ、声を大にして言いたいことは、
多くの日本人、ほとんどの大人の口の中は、健康ではなく、
軽微な疾患(軽微なカリエス・軽度の歯周病)に罹患している。
日常生活で困らない=口が健康 ではなく、
日常生活で困らないを持続するために、軽症が重症にならないために、
メンテナンスを受けてほしいということです。
消火器は火災を予防するものではなく、
大きな火事になることを阻止する道具です。
まったく火が出ていない状態で消火器を持ち出す人はいません、
アンラッキーにも消火器を必要とする時とは、
既に火がついてしまった時です。
定期的に来院される方の多く、もしくはほとんどの口腔内には、
小さな火災(炎症)が発生しています。
今、言われている予防処置は消火器なのです。