BBTime 078 歯の命

BBTime 078 歯の命
「流れ行く大根の葉の早さかな」高浜虚子
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この時季思い出すのがこの句。見たままのシーンを素直に表現していながら、時の流れや今年一年の出来事を思い起こさせる句だと感心させられます。具象画であり抽象画である、俳句の真骨頂でしょう。今年一年色々ありました・・。仕事しながら思うことも色々と・・。
「崩れ行く人の歯と歳の暮」カルノ。「抜歯は歯科医の敗北である」常々こう思います。なぜ「抜かないとダメです」という前に救うことができなかったのか?この時、敗者となって自省します。
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ご存じ歯は健康な白い歯として生えてきます。勿論その歯はその人のモノです。歯のみならず目も手足もカラダも心臓も、その人の所有物であり財産。ひとつ大きく違うことが「歯」には有ります。極めて日常的に、失った歯や歯の一部分が人工物で置き換えられている点です。近視になってコンタクトレンズを使用する、眼鏡を使用する、これらは道具であって人工臓器とは言えないでしょう。結論を言います、もっともっと御自分の歯に敬意を持って生活して欲しい!ムシ歯になったら歯医者に行けば治るやろ、1本くらいなくても噛めるやろ、歯医者の予約は後回し、治療に行かないといけないと思いつつも・・等々。理由はそれぞれあるでしょう、御自分の歯のことですから優先順位もそれぞれでしょう、日本の歯科医療制度の欠点(疾病保険であること)もあるでしょう。歯科医の努力も足りませんが、泣きながら抜歯している歯医者がいることも知って欲しい・・のです。
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「風呂吹にとろりと味噌の流れけり」松瀬青々
もちろん人々の中には歯に敬意を払って予防を実践されている方も沢山いらっしゃいます。この違いの由来は何?と考えました。生まれ育った家庭環境、親の考え、食生活など色々有るとは思いますが、成人してからの歯に対する価値観の差はその人がどれだけ真に「食いしん坊」であるかがひとつの要因だと思います。食に対する価値観が高い人程、歯やカラダ、健康に対しても優先順位が高いと思います。その昔、新橋の有名バー「トニーズ・バー」のトニーさんに質問しました。「日頃、味覚やカラダに配慮なさっていることは?」するとマスターはニヤリと笑って小声で「お酒を飲まないこと」。フレンチの斉須シェフも「自宅では白ご飯に豆腐を載せたような食事(ほとんど素の味の食事)を心掛けている」と仰っていました。
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来院者(歯科診療に来る人)は三つに大別できると思います。歯の価値を認識し行動する人(こまめに予防に来る人)、価値は知ってはいるが敬意をあまり払っていない人(痛い時だけ来る人)、価値を認識してない人。歯科医として価値を知らない人には価値を伝える義務が有ると思います。価値を知っているけど行動しない人(困った時だけ来る人)は、その方の価値観ですので説得はできません。毎年、医療費膨張が問題となっています。病気に責任はなくとも、病気によっては患者さんに少なからず責任がある場合は有ると思います。路面凍結で事故った、路面凍結をおこした天候に責任は問えません、やはりそのような時にハンドルを握っていたドライバーの責任となります。ムシ歯に関してはほぼ100%予防可能です。予防可能な病気になった人の責任はゼロなのでしょうか?ムシ歯予防100%可能な今、歯科医のすべきこともまだまだ有ります。歯医者が敗者とならず勝者(ムシ歯に対しての)となるべく!
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今回のBeatはPaul McCartney のWonderful Christmas Timeです。歌詞はこちら


おまけ:「あなたの財産を守ります」という文を書いております、お読みください。0100

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