BBTime 082 トリセツ
「円鏡のラジオやせわし年用意」小沢昭一
おそらく句に出てくる「円鏡」とは昨年亡くなった(2015.10.7没)橘家圓蔵さんの声でしょう。月の家圓鏡(つきのやえんきょう)の名前で眼鏡顔をテレビでよく見ておりました。画像は昔むかし所有していたソニーラジオ・スカイセンサーで、真ん中のダイヤルで「ガーッ、ピーッ」とチューニングしておりました。ご覧の通りダイヤルやボタンが並んでおります、全ての機能や使い方を熟知することなく、いつしかラジオは小生の目の前から消えていました。ラジオの取扱説明書(トリセツ)もさることながら、ケータイにも分厚いトリセツが付属していました。Appleはトリセツをなくしました、凄いことです。トリセツがなくとも使えることをユーザビリティが良い・高いと言ったりします。今回はトリセツについてのお話。
「は」は歯でも下駄の歯=げたんはと呼ばれる南九州のお菓子です。安くて美味しいです!が食べ過ぎると当然、ムシ歯や肥満の原因となり得ます。おそらくムシ歯・肥満のみならず多くの病気、特に生活習慣病は「カラダのトリセツ」から逸脱したカラダの使い方をした結果と言えるでしょう。生まれてハイハイ、歩く、転ぶ、走る、跳ぶ、三輪車を漕ぐ、自転車を漕ぐ・・。オッパイを飲む、ストローで飲む、コップで飲む、漱する、スプーンで食べる、お箸で食べる・・。マンマ、バブバブ、ママ、パパ・・。ヒトはカラダの機能の取扱い説明を受けることもなく、モノを食べ、ウンチをし、オシッコをする。技の説明や訓練を特段受けることもなく、歩き、走り、話し、唄う。
ヒトの体は人にとってユーザビリティが高い(トリセツ読まずとも使い方がわかる)と言えるでしょう・・が落とし穴があります。先日パレオダイエットの本を読みました。正直言ってさほど中身はありませんでしたが、ひとつわかったことは、現代人(平成に生きる人々)の生活はヒト本来のトリセツからかけ離れているということです。ヒトの体は、砂糖も車もスマホもお金もなかった時代(パレオダイエットでは旧石器時代)においては、食べて寝て目覚める普通の生活で太ることもなくムシ歯になることもなかったと思われます。端的に言えばヒトの体は旧石器時代の生活に適したカラダなんです。
ヒトはアップル(禁断の果実)を食べてしまいました。ゆえに歯を磨かねばならず、ジョギングしなければならない生き物となってしまったのです。いまさら旧石器時代の生活や食事に戻ることは不可能です。諦めて歯を磨きましょう!諦めて歩きましょう!師走も残りわずか、走りましょう、歩きましょう、歯を磨きましょう。歯のトリセツについては次回のお楽しみに・・。今回は円鏡のラジオに敬意を表して、クイーンのラジオガガ(Radio GaGa)です。おまけで落語を一席、大晦日が近づくと聞きたくなる「芝浜」を古今亭志ん生師匠でしみじみと。
https://youtu.be/RiRJXY-M_cI