BBTime 089 耳よりな話

BBTime 089 耳よりな話
「耳の奥かさと音して冬ぬくし」小野淳子
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少々季節はずれの句ですが、今年のお正月は炬燵みかんでなくとも「温し」で穏やかでした。先日「BBTime 087 Happy New Ears」を御紹介したあと気になって「声」について調べてみました。
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元の字がこれです。漢和辞典で調べてみると意外な成立ちでした!「聲」は上の部分と下の部分(耳)の合体字。上部は「聲」の耳の部分を「石」にした形が本来の字形で「磬:けい」と呼ばれる石板楽器を意味し、石を省いて簡略化したもの。これに耳を下に合わせて「聲」となったとのこと。また上部の右側(般・役の右側に同じ)は動作・行動の意味。解釈するならば「石板楽器(けい)を叩いて耳に届いたもの」が「こえ=聲・声」となります。
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「聲」を除夜の鐘に例えるならば、僧侶が撞木(しゅもく)で梵鐘(ぼんしょう)を撞いて、聞く人の耳に届いてはじめて「聲」となる・・梵鐘が鐘楼(しょうろう)に下がっているだけでは「聲」にはなりません。「聲」を出す前によく考え言葉を選んで口にし、その言葉が相手の耳を介して心に届いてはじめて「聲」となると今回改めて思いました。
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句の解説に興味深い内容が書いてあります。音や声は槌(つち)骨・砧(きぬた)骨・鐙(あぶみ)骨の三つの耳小骨が鼓膜の振動を内耳(ないじ)に伝える・・すなわち始め石板を叩いて発せられた「聲」は、最後は槌砧鐙の小さな骨の響きで脳に伝わる。聲を発する人も、聲を聴く人も響き合わないと心に響かないわけですね。
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ところで日本で「耳」といえば「耳なし芳一」、欧州では「ゴッホ」でしょう。今回のビートはスペインのグループ「ラ・オレハ・デ・バン・ゴッホ」(La Oreja de Van Gogh=ゴッホの耳)のPuedes Contar Conmigo(=私を頼っていいよ)です。歌詞の意味はこちらを参照。NHKラジオスペイン語講座のオープニングで流れていた曲です。ついでにスペイン語講座からもう一曲!これを聴いて前向きにならない人はいない!という曲、歌手Jarabe de Palo の “Adelantando”(=前進する)です。1300

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