BBTime 192 希望
「焼芋を二つに折れば鼻熱し」吹田孤蓬
時に俳句は至極当たり前のことを至極明確に表現します。生芋を焼いて焼き芋に、熱々の芋を割ると・・鼻熱し。物事には全て原因と結果があります、前回の「後悔」も然り(しかり)。先日来ラジオで「心の進化を探るーはじめての霊長類学」を聴いています。松沢哲郎氏は最終回でおっしゃっています。「想像する力、希望を生み出す知性こそヒトの人たるゆえん」だと。進化の上でヒトに近しい生き物、チンパンジーやオランウータンなどでも「今ここ私」だけの人生で、ヒトのみが「自分以外の他人(ひと)と過去を踏まえて今を生き、未来に進む」生き物のようです。
人は手遅れを後悔するからこそ、いつぞや円楽師匠は「今回の騒動とかけまして、今東京湾を出て行った船と解きます。(その心は)“後悔”の真っ最中」と弁明しました。繰り返しますがチンパンジーは後悔しません、過去も未来も彼らにはないからです。人のみが過去を省みて今を生き未来に希望を抱きます。
「絶望するのと同じ能力、その未来を想像するという能力があるから、人間は希望をもてる。」松沢哲郎
チンパンジーはつねに「今、ここ」を生きている。だから一瞬ぱっと目の前に示された数字を丸覚えするのは上手だが、ずっと先のことに思いをはせたりはしないので、絶望もしない。これに対してヒトは、過去や未来といった不在の時に心をたなびかせる。だから、過ぎし日を懐かしみ、後悔もすれば、行く末を案じ、祈りもする、霊長類学者の「想像するちから」から。2017/3/10(朝日新聞 折々のことばより)
「去年今年貫く棒の如きもの」高浜虚子
年の瀬になると思い浮かべます。勝手に「棒の如きもの」から「撞木:シュモク」を想像します。去年今年(こぞことし)と変えないものもあれば、その裏には変えるべきものもあります。小生など円楽師匠よりも多くの舟が錦江湾を出たばかりの一年(苦笑)しかし「想像する力・希望を生み出す知性」を持ちます。
後手後手治療から先手先手予防へ!
最後に一日遅れのクリスマスプレゼント!
サンタクロースがいなければ……人間のあじわうよろこびは、ただ目にみえるもの、手でさわるもの……だけになってしまうでしょう。
フランシス・P・チャーチ
鷲田さんのことば サンタクロースってほんとにいるの? 1897年、「ニューヨーク・サン」新聞に寄せられたある少女の質問に、記者はこう社説で答えた。見えないものはみな、人間が頭の中で拵(こしら)え上げたものだなどとは言えないと。ほんとうに大事なものは見えないものからなっている。『サンタクロースっているんでしょうか?』(中村妙子訳)から。(鷲田清一)6500
今回の一言「人のみが希望を生み出す」
今回の一曲「Zenzenzense」
https://youtu.be/jp8IOVW8Wd0
https://youtu.be/HZObQA9QNz8