BBTime193 小さい幸せ
「よい夢のさめても嬉しもちの音」五筑
句の解説にはこうあります。「早朝、まだ暗いうちに、近隣で餅を搗く音に目が覚めた。せっかく「よい夢」を見ていたのに、破られてしまった。しかし、破られても「もちの音」を聞くほうが嬉しい気分である。さあ、いよいよ正月だ。子供のころは農村に暮らしたので、私にも同じ体験がある。この時季になると、毎朝、どこからか「もちの音」が聞こえてくるのだった。正月を待つ心は、子供のほうが熱い。寝床のなかで聞いていると、なんだかとてもドキドキした。思い返すと、旧家ほど早めに搗いていたようだ。我が家のような新参の家や小さな家が、最初に搗くことはなかった。搗く順番に、何か暗黙の取り決めがあったような気がする。したがって、我が家では大晦日近くに搗いていた記憶がある。二十九日だけは「苦餅」となるので、搗くのは避けた」出典はこちら。作者は江戸期と聞いて思い出したのが落語「尻餅」・・舌足らずべらんめえ調の八代目可楽師匠で後程どうぞ。
先日「折々のことば」に幸せを見つけました。
「小さい幸せ見つけるのうまいな」加瀬健太郎の妻
写真家が休みに一家で温泉に行く。倹約のため、夕食を部屋でとるのを諦め訪れた変哲もない中華屋で「火山が噴火したみたい」な焼きそばにありつき、「よかったなここにして!」と大喜び。幸福は小さく、小刻みに。すると日に何度も幸せな気分になれる。人と思わず顔を見合わせることも増える。夫をとっさにこう評した奥さんも素敵(すてき)。『お父さん、だいじょうぶ?日記』から。(鷲田清一)
インスタグラムを始めて四ヶ月、233投稿になります。他の方の画像を見ていると、まさしく「小さい幸せ見つけるのうまいな」と思います。インスタグラム画像=小さい幸せ→ゆえに炎上しにくいのでしょう。ちなみに小生のインスタグラムは hideky1961
ところで、以前BBTime176「こんなもんじゃない!」に書きましたが、昨日も患者さんの口から「こんなもんと思っていました」の言葉を聞きました。
「この上の入れ歯、喋りにくいでしょ」
『・・?』
「大きくて話にくかったでしょ」
『こんなもんと思っていました』
PIP使って舌の邪魔をしている部分を削って小さくしたところ
『あら!違う、喋りやすい』
「あなたが、もし眼鏡を新調して下を向いたら落ちる。サングラスでもないのに見えにくい。新聞の文字が読めない。かけていると鼻が痛いなどが起きたら文句を言うでしょ。入れ歯も同じです。食べるための、おしゃべりするための入れ歯です、どうぞ遠慮なくクレームをつけてください」
入れ歯は「こんなもん」と思い込んでいるあなた、「こんなもんじゃない」場合が多々あります。どうぞ足を運んでみてください「小さな幸せ」が増えると思います。
今回の一言「こんなもんじゃないのです」
今回の一曲「Happy」7530
蛇足:折々のことばの画像をよく見ると「小さい幸せ」の裏に「不満」の文字が透けて見えます。不満の裏返しが「小さい幸せ」。不満は小さくとも溜め込まずに行動を起こすと「小さな幸せ」になりますよ、きっと。佳いお歳を、よいお年玉を!