BBTime203 栗なき栗饅頭
「如月や日本の菓子の美しき」永井龍男
先日来、和菓子の話をラジオで聴いています。愛し(いとし)恋し和菓子!五話にわたりますが、非常に面白く興味深い内容です。タイトルの「栗なき栗饅頭」も然り。話者は全国和菓子協会専務理事:薮光生(やぶみつお)氏。時にクレームが来るそうです。「栗饅頭なのに栗が入っていない!」に対して「たぬき蕎麦にタヌキは入ってません、きつね饂飩にキツネは入ってません」と対応されるとのこと、御意!
「栗より美味い栗饅頭」が始まりのようです。本来は画像のように黄身を塗って焼き色が付いた状態、形が栗に似ているから栗饅頭。いつしか「栗饅頭」なら栗を入れましょうとなり、今では「栗無し栗饅頭」と「栗入り栗饅頭」があるとのことでした。また「栗より美味い」に関連してサツマイモの話も出てきます。
栗(九里)には及ばないので八里五分(はちりごぶ)、栗より(九里四里)美味いで十三里(9+4=13)、当時芋で有名な川越が江戸から十三里あったからとか。NHKラジオ第二放送「私の日本語辞典」の「和菓子文化が生んだ言葉」で聴けます。第五話で「和菓子で健康」とあります。もちろん豆、和三盆などのしっかりした農産物を使用しているなども理由のひとつですが、やはり「Sweet Smile」。炬燵蜜柑同様、お茶と和菓子に勝る団欒はないでしょう。豆や砂糖の栄養素や成分よりも、和菓子を食べての心の栄養が健康を維持する。体の栄養より心の栄養。和菓子を食べての安堵幸福、これが健康につながる。大賛成!
ちなみに「ムシ歯は虫無し」です。菌はいますが虫はいません。昔(江戸時代)は病の原因は「虫」と考えられていたようです。蝕まれた(ムシバマレタ)歯でムシ歯です(こちらにも書いています)。鹿児島の今朝(2/6)は雪でした。和菓子をいつまでも味わうために御歯愛(御自愛)のほどを。3400
「うすらひをゆつくり跨ぎ和菓子店」丹沢亜郎
おまけ:きつねに「油揚げ」、たぬきには「揚げ玉」がのっているのが一般的のようです。地域差あり、詳しくはこちら。